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TUI ゆるゆるレポ

2020年5月5日、とんでもない音源が公開された。私の大好きなバンド、パスピエがリモート収録したシミュレーションLive audioを販売した。         当初、5月5日にライブイベントを行う予定だったそうだが、このご時世で開催は難しい。そこでメンバーが考えたのはリモート収録のライブ音源の配信という策だった。

成田さんのコメントを一部抜粋。

そもそもは、思いつき。
5月5日、20200505をデジタル数字にしたら左右対象じゃないか!と。    
これまで回文作品(?)を制作してたバンドとしてはこの日に何かできたらな、と考えてました。                               

これをポンと思いついてしまう思考回路に脱帽。こういうところが好きなんですよ‼︎ 販売形態は通常音源の「TUI」と音源に合わせてメンバーがフリートークを繰り広げるP.S.P.E会員限定の「TUI+meeting」の二種類。どちらも1000円という破格。もちろん私はどちらも購入。

ここからは音源の感想をうだうだと…。

1.グラフィティー
ハイハットから始まり、ブザーが鳴り響く…集合の合図みたいだなって思った。そこからの疾走感はもう、ね、家の中にいるはずなのに目を閉じれば目の前にライブ会場が広がってた。

2.つくり囃子
曲の勢いというかメンバーのテンションの持っていき方というかそういうものが揃っているから、これはライブだっていうのを強く感じた曲。三澤さんソロの後のキュイッって音が好きでした。スーパー露崎タイムは色気がやばすぎて無事昇天。曲の締め方力強くて好きだあ!!ってなってた。

3.オレンジ
踊りたくなる!!!!というかもはや踊ってた!!!!(家で)アレンジ進化してるもんだから余計にテンション上がりました。成田さんコーラスはっきり聴こえてコーラス好きにはたまらない。アウトロのギターがなんか可愛くて好き!

MC1 MCがあることにびっくりびっくり。「刺激になればいいなあと思ってて」となっちゃんが言った瞬間にズキュン。とんでもなく刺激になってます。「日常の中のちょっとした非日常」っていうワードが聞こえてきた瞬間に「ハレとケ!!!!!」となったのはきっと私だけじゃ無いはず。日本人の精神。

4.202OTO505
出ました今回のメイン曲。新曲のためさすがにアレンジは無し。というかこの曲は計算され尽くしてるからアレンジしちゃダメなやつですよね。メロディも対称構造だから似たようなフレーズ多くて自然と耳に残る。これ思いついて実際に作っちゃうパスピエやっぱすごいなあ〜〜〜!!

5.まだら
イントロ!!成田さん神ですか??個人的にこういうフレーズ性癖に刺さるからもうありがとうとしか言えません…切なさ倍増。この曲のドラムの不規則な感じ好きなんだけど、ライブモードであるがゆえに音源とはまた違う不規則さ感じた。アウトロのベース目立っててすんごく好きでした絶対すぐそこにつゆさんいた。

6.S.S
曲のつなぎで次の曲が予測不可能なバンド・パスピエですが、今回もわかりませんでした。きっとこの部分手拍子してた人いたよね。「S.S」のところは安定のあの手やってました。Cメロでなっちゃんの声にリバーブかかってて!あれお初ですよね?かっこよかった!!!

7.ONE
1音だけで急に世界観変えられた!音の出し方1つでガラッと変えちゃうのも、それをリモートでやってのけちゃうのもすごいなあ…アコギをめちゃめちゃ感じた曲だった。三澤さんすぐそこにいた。アウトロの成田露崎が色気ムンムンで惚れました。

MC2 どう?って聴いてるなっちゃんが可愛すぎた。尊い。

8.蜘蛛の糸
元祖回文散りばめ曲!!!追いTUIしてちょうどこの曲の時に雷なっててビビりながらもぴったりすぎて雰囲気に酔いしれてました()なっちゃんもどこか悪女みのある歌い方だった気がする。

9.永すぎた春
この世間のことを歌ってますよね。(実際私は春休みめちゃめちゃ長かった)ギターがしっかり聴こえて個人的に嬉しみでした。ラスサビ前のなっちゃんの歌い方がいつも力強いって感じなんだけど今回は優しい!って感じだった。

10.贅沢ないいわけ
多幸感あふれる曲!!EYEアンコール思い出して泣きそうになったよ!!!!最後に、このご時世にふさわしい曲だなって思いました。今の人類にはこの多幸感が必要なのかもしれない。

と、まあ音源はこんな感じ。長すぎる笑
セトリにもこだわっていたそうで、曲のタイトルの文字数が対称になってる。細部まで徹底されてる…!
全体を通して思ったのは、どことなく個々の楽器がはっきり聴こえるから普段のライブ以上に個人に集中して楽しめた気がする。特に私は成田さんコーラス大好きマンなので幸せでしかなかった。ただ、宅録である弊害?は少し感じてしまった。1回目に聴いた時、宅録ではなくライブハウスでの音に慣れているから感じてしまったものがあって、ライブハウスで聴く響きの感じ?がちょっと物足りないなと。これに関してはそりゃそうなるよなあしょうがないよなあと思いつつ、それはそれで面白いなと思った。ほんのちょっとの違いなのに変わってくるから…ああやっぱり音楽って深いね!自分の演奏のためにも勉強になりました。

ここからは+meetingについて。
4人のゆるさがまさに最高。4人とZOOMしてるみたいで楽しかったしほっこりできるし終始ニコニコしてた。音源だけを聴いた後だったからあんなかっこいい演奏してる人たちこんなゆるいの?なにそのギャップ好き!!っていう状態。唐突にクッション紹介したりもちさん(フェレット)連れてきたり自由奔放ななっちゃんが特に面白かったです。こんなのがみれるのもstay homeだからこそって思えば外出自粛も悪くないなって思ったり思わなかったり。

そして、私が何よりも感動したのは        リーダー成田さんがnoteに公開した解説音声

音楽をやってきた人間なので、こうしてコアな音楽的解説はとっても勉強になった。(いい意味で)突拍子もないことをしでかす彼の脳内を垣間見れたような気がする。やはり天才です。一生ついていきます。そしてこれを聴いて、まだまだ私も知識が足りないなあ、と感じてしまった。今週からやっと大学の授業が始まるので、勉強のモチベがぐんと上がった。さあ今年度も頑張るぞ。

最後に。世間では自粛自粛のムードで緊張感が漂っていて空気が重い中で、こうやって好きなアーティストが新しい試みをしてくれて、勇気づけられたなあと。心から思います。最後の曲だった「贅沢ないいわけ」のラスサビの歌詞、

『この世でいちばん不自由な自由を感じながら生きていたいの』

この曲をTUIでやった意味を勝手に解釈しまして。

この世でいちばん不自由な=外出自粛・stay home              自由=音源のみのTUIをそれぞれ聴くことで各々が自由にライブ体験を想像することができる・各々の聴き方で音源を堪能する

ということなのではないかな、と。
最後の曲、今の世の中にぴったりじゃないか。
いつまでこの生活が続くのかわからないけれども、自分なりの「この世でいちばん不自由な自由」を模索しながら生活していけたらいいなあ、なんてね。

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