相撲マン

この街には伝統と発展があると皆言う。それは腐敗と搾取をどうにか言い換えたに過ぎない。ここは『ゴッツァンシティ』。経済都市とも古都とも呼ばれる。だが最も多く呼ばれるのは、犯罪都市。

日夜この街には犯罪者が溢れ、汚職がはびこり、善良なものは口を閉ざし諦念を隠さない。しかしほんの極一部は戦う。

「アハーヒーヒヒ!」

ビルの屋上で狂笑しているのは、無軌道力士、角界の放蕩貴公子こと『鬼札』。この街で最も危険な力士。今夜は6人の親方と15人の新弟子を血祭りにあげご機嫌の様子だ。

「ハー、見たか?あの汚職野郎共の顔。最高だったろ、最高の取り組みだ。」

「何故新弟子を殺した。」

「ア?アー、難しいな。そう、彩り?」

俺の張り手を受け、鬼札の顔が歪み、血と歯がコンクリートに落ちる。張り差し。俺は右下手をガッチリと掴んだ。

【Tomorrow's torikumi...】



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