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【推し and the City】東京推し事情

セックス・アンド・ザ・シティ。
国と時代を越えて愛される不朽の名作である。
ニューヨークの街中での華やかな毎日、華やかなファッション、奔放な恋愛模様と温かな4人の友情。
憧れずにはいられない。

さてここで、現在東京で暮らす30代独身たちに視線を移そう。
「代謝が悪くなって全然体重が落ちない」
「ハイフやったことある?」
「最近マッチングアプリやってる?」
「両親からの結婚への圧力がヤバい」
「何でもいいから彼氏欲しい」
「上司が腹立つ」
「新卒が令和すぎる」
「最近K-Popにハマっちゃって」
「私はジャニーズ」
「私はBMSG」
「私はラポネ」
「てか店員さんかっこよくない?」
これらの話題の中からランダムかつエンドレスにトピックを選び、飽きることなく平気で5時間同じレストランで居座ることを生業としている生き物である。
もちろんみんな心の何処かにセックス・アンド・ザ・シティを抱えているので、無駄にお洒落なレストランに行っていることは言うまでもない。

かくいう私も東京在住の30代独身。
上記種族の一味である。

東京生まれ、東京育ち、東京働きということもあり、幸か不幸かこれまでの人生で出会ってきた友達たちをかき集めればそれなりに30代独身たちがいる。
例えパーセンテージ的には心許なかったとしても、パイが多いと案外集まるものだ。

勘違いしないでほしいのは、我々は全力で毎日を楽しんでいる。
週7日のうちちゃんと週7日が楽しい。
ただときどき深夜にテレビを見てるときに自分1人の笑い声が部屋に響いて、胸がキュッと締め付けられるだけである。

テレビと言えば。
以前とある番組でマッチングアプリが特集されていたのだが、プロフィール欄に「推しがいる」ことを書いてしまうと「いいね」の数が激減するらしい。
充実した生活が伺えてしまい、「俺を必要としていない」と思われてしまうのだという。
何とも面倒臭い輩たちである。
君に愛されるために充実していない生活を送れというのか。

私には推しがいる。
何なら若干いすぎている。
声優、アイドル、お笑いなど、幅広いジャンルを精一杯楽しませてもらっている。
確かにそれほどパートナーを必要としていない理由の1つかもしれないが、別にやめるつもりは毛頭ない。
そもそも「やめよう!」と思ってやめられるものでもない。
だってやめるには推しは魅力的すぎるからーー。

ニューヨークほど華やかではないけれど、東京でのワチャワチャ独身生活もなかなか楽しいものである。
推し and the City。
今日も愉快な推しや仲間たちと愉快な1日を過ごす。

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