“アニソン愛”のあるサブスクを探せ!(2021年度版)

相変わらずアニソンの音楽配信界隈で働いている。
アニソンのサブスクユーザーをもっと増やして「やっぱアニソンってすげーな」と言わせたい……などという夢野望を抱きながら切磋琢磨している。

さて、そんな中。
以前「結局アニソンを聴きまくるのに最も適しているストリーミングサービスはどれなのか」という記事を書いてから、かれこれ2年近くも経っていることに気がついた。

当時私が言いたかったことをざっくりまとめると、

アニソンの楽曲数はどのサービスもだいたい同じくらいになってきている
⇒だから検索&プレイリストが使いやすいサービスを各々選ぶのがオススメ

というもので、最終的にはUIというか、使い勝手の部分にフォーカスしていた。
裏を返すと、特に外資系サービスに関しては、アニソンへの愛や知識は諦めていたというのが本音である。

以降記事をアップデートをしてこなかったのは、しばらく大きな変化もなく、言いたいこともさして変わらなかったからである。
だが今年に入ってからくらいだろうか。一部サービスから、以前までは1mmも感じなかった“アニソン愛”を、若干ではあるもののそこはかとなく感じるようになってきた。

最近私がよく見比べているのは、各社のいわゆる「アニメページ」と呼ばれるようなページの更新頻度である。
(職業病でかなりシビアなことをしています。各サービスのアニソン担当者の方々、ごめんなさいm(._.)m)
コロナ禍でCDやイベントが苦戦を強いられているアニソン業界。そんな中でも新しい流行を生み出そう、アニソンを支えようと頑張ってくれているサブスクをチェックしたい。

愛の伸び率No.1!Spotify

今日最も言いたかったことである。
Spotifyがアニソンに力を入れ始めてくれている。気がする。

何となくそんな雰囲気を感じ始めたのは、今年頭辺りである。
呪術廻戦とヒプマイのポッドキャストが同時期に始まったりなどした。

特にヒプマイに対する愛はすごいようで、新曲がリリースされるたびに至るところのプレイリストに入れられている。ただまぁ「声優、歌う」というプレイリストにもヒプマイを混ぜ込んじゃっていたときには、「大丈夫!?声優=キャラじゃないって言って炎上しない!?」とちょっとソワソワもしたりもしたけれど。
今ではアニソン系のみならず、J-POP系のプレイリストにもヒプマイが入っていたりする。Spotifyはヒップホップとかトラックメイカーとかの類が好物なので、純粋に“音楽”という観点から推しているのかもしれない。

ヒプマイ以外についても、公式プレイリストのセンスはさすがだ。
「Anime Now」の選曲も的を射ているし、作品別のプレイリストもガンダムやエヴァなどの主要作品を抑えながら、竜とそばかすと姫、オッドタクシーなどの最近の作品も続々ピックアップ。
楽曲のコンポーザー陣にも着目していそうな様子に、Spotifyらしいこだわりを感じる。

これまでも若手アーティストを早くから取り上げ、J-POPの流行を度々生み出してきたSpotify。
Spotifyならではの新しいアニソンの魅力を発見し、発信してもらいたいなと、個人的にとても期待している。

だいぶマシになってきたぞ、Apple Music

ようやく体裁が整ってきた印象なのがApple Musicだ。
以前はアニソンを聴きたいときはとにかく検索に頼るしかなかったけれど、公式プレイリストの数もだいぶ増え、更新率も高くなったように思う。

「覇権アニソン」などというプレイリストのネーミングセンスには、海外企業に変な日本語を教えてしまった感があって妙な恥ずかしさを覚えはするが(普通に「アニソンヒッツ」とかにしてほしかった)、他にもキャラソン・声優・最新・年代別などのライトなオタク向けのプレイリストが豊富だ。

何なら今日たまたまトップページを見てみたら、そう、アニメページではなくトップページで、アニメサントラを特集していた。ZARDサブスク解禁のすぐ真下である。
そこまで!?という感じもしなくもないが、世界のApple Music様がアニソンにも興味を持ってくれているのはちょっと誇らしい。

解釈が一致するならば楽しい、LINE MUSICAWA

以前からプレイリストの更新率が比較的高いLINE MUSICとAWA。
どちらも相変わらず、独特なテーマやネーミングで公式プレイリストを展開し続けている。

守りたくなるアニソンまとめや、
太陽が似合う声優ユニットソングや、

「Fate/stay night」問おう。これがFateのプレイリストか。(ここまでがプレイリスト名である)等々。

アニメが好きな担当者がいるのだろうな、という印象。公式と解釈が合うか合わないかという点も、サービスを選ぶうえでの1つの基準かもしれない。
とはいえLINE MUSICは学割480円でこの使いやすさなので、引き続き学生さんにおすすめしたいサブスクNo.1である。

暗黒時代に突入したAmazon Music

一方で悪化したサービスもある。
Amazon Musicだ。

2年前にはアニソンに特化したプレイリストシリーズ「ANIMA」を立ち上げて、アニソンのサブスクを牽引している印象すらあった。
だが今では更新率の低さの方が目立ってしまっているし、アニメページのファーストビューがジブリ・オルゴールなのも悲しい。

たまにニューリリース欄に数か月前の作品を載せていたりもする。アニソンユーザーも多い印象なので、もう少し頑張ってほしいところだが……。
とりあえず今からサブスクを始めるアニソンオタクには、Amazon Musicはまったく推奨しない。

まだまだ愛に欠ける、YouTube Music

塩対応が続いているのがYouTube Musicだ。
アニメページの扱いが悪い。
そもそも「アニメ・サントラ」としてドラマや海外映画と一緒くたにされてしまっているし、ほんの数個しかアニソンのプレイリストがない。
まぁアニソン以外も含めて全体的にプレイリストの質は低いので、結局のところGoogleさんは音楽というより動画に力を入れているのだろう。

YouTube(動画の方)と同様に、広告さえ我慢すれば無料で楽曲を視聴できるのはいいところ。
またYouTubeと連動してレコメンド機能が働いているので、遠い昔にハマっていたアーティストの新譜をしれっと自動再生してくれたりするのは大変助かる。
ただ課金するほどのサービスではない……というか、アニソンの扱いが雑なサービスにまだ課金まではしたくないというのが本音だ。

頑張れ!僕らのアニュータ

もしかしたら、アニュータのすったもんだを経てこの記事にたどり着いた人もいるかもしれない。

アニュータが大変なことになったのは、つい先日の話だ。
リニューアルに伴うエラーの数々。引き継ぎがうまくいかない、プレイリストがすべて消えてしまう、フル尺で再生できない……などなど。
エラーを差し置いても、アニメ作品名での検索ができなくなってしまったりと、UI面でも使いづらくなってしまったようだ。

アニュータのアニソン愛は圧倒的だったし、だからこそ例え大手サービスで多くのアニソンがサブスク解禁されても、ユーザーはそこまで離れなかった。
だが他サービスが徐々に整ってきた今というタイミングでのシステム不具合。痛すぎる。

アニュータは唯一無二の良さを持っていたから、正直諦めたくないし、バグの解消を応援し続けたい。
ただまだ落ち着くまで時間がかかりそうなので、あの頃のアニュータが戻ってくるまでのしばらくの間だけでも、他のサブスクサービスに避難した方がいいかもしれない。悲しいながらも。

アニソン×サブスク 個人的ランキング

ということで。
今個人的にアニソンラバーズにおすすめしたいサブスクランキングは、この通りだ。

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1位:Spotify
これからますますアニソンに力を入れてくれそう、という期待を込めて。

2位:Apple Music
アニソン愛は最低限だが、結局iPhoneユーザーにとっては使いやすさ抜群。

3位:LINE MUSIC
学生さんには引き続きおすすめ。

4位:AWA
公式と解釈が合うのであれば。

圏外:Amazon Music、YouTube Music
アニソン愛の枯渇。課金するのがちょっと癪。

一時待機:アニュータ
頑張れ!頑張れ!

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サブスク難民のオタクの皆さん、是非参考にしてみてください。

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