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2023 旅日記 島修行編 14
島での生活も、とうとう二週間たった。
気づいたら残りも短く、少し寂しいような気持ちである。
隣の部屋には、新しいバイトさんが入った。
9/2まで働くらしい。
少しズレて私と入れ替わり。
6連休だった私より、ずっと仕事ができるようになって帰るだろう。
お仕事は今日も同じだったが、今日も相変わらずよく頭をぶつけた。
洗い場の棚が低い。
このお宿の女性はバイトさん含め小柄な人が多いけど、私は女子にしてはやや長身なので、しょっちゅう頭をぶつける。痛い。
今日は頭だけに限らず、絶妙に痛いところをよくぶつけた。(足の小指とか、肘とか)
仕事をしながら、なんだか足がベタベタするなぁと思ってたら、この前ぶつけた足の傷口が開いて、また足が血まみれになっていた。
「足血まみれじゃ〜ん笑笑」
と女将さんが笑って私に絆創膏をくれる。
「くまのがっこう」の絵が描かれた、青い可愛い絆創膏。青いネイルに合っていい感じ。
宿の人ともかなりうちとけた。
今日は、よく一緒に仕事をする女将さんの妹さんが、
「ゆりかさんは、若いけれどコミュ力と常識があって、自分から仕事どんどんしてくれるけど、今までどんなことをしてきたんですか?」
と言ってくれた。
人のご機嫌を取るような人ではないのだが、お世辞でも本当に嬉しかった。
島に来て、先生を見た時以来一番嬉しい出来事だ。
妹さんは、小さい娘さんがいるので、そんなふうに育てたいと言ってくれたのだった。
だけど、正直驚いたのは、コミュ力があると言って貰えたことだった。
実は、ここのお宿の人は積極的にコミュニケーションを取りに来るタイプではないので、私もそれに合わせていた。
グイグイ話しかけたりせず、必要な確認は積極的に。
私語は控えていた。
だけど、もしかしたらこういう風に、相手との適切な距離感を推し量って仕事をするというのも、必要なコミュニケーション能力なのかもしれない。
私は、大学に入ってから大人との付き合い方を考え改めた。
前は、愛想良く笑ってお話してれば、それでいい印象を得られると思っていたし、気に入って貰えると思っていた。
だけど今は、自分の仕事に対する向き合い方で評価して欲しくて、変に愛想良くしなくなった。
外面だけ良くても、信用には繋がらないと考えるようになった。
いつか先生が授業で、
「大学のお客様は、誰だと思いますか。」
という問いを学生たちに投げかけた。
少し間を開けて、
「答えは社会の企業。商品は学生。」
と続けた。
授業でそんなこと言う事ができる先生はすごい。
少しザワつく教室で、私は誰よりも高く値がつく良い商品になってやろうと、一人心に誓ったのを覚えている。
今日は夜、砂浜に星を見に行った。
砂浜の上に転がって、夜空を見上げる。
砂浜の温度がちょうど気持ちよくて、起き上がる気を無くす。
ずっと眺めていられそうだ。
横になって空を見上げていると、数本の流れ星も見ることが出来た。
天の川の流れもうっすらと見える。
天の川って、銀河の内側から中心を見ているんだって。
なんだかすごくロマンチックだな。
明日はもっとテキパキ働けるように頑張ろう。
それではみなさん、おやすみなさい。
良い夢を。
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