BOSEベビーキャノンウーファー AM-033 を入手! 【カーオーディオ用だが家でも使える音質か!?】
AM-033ってどんなスピーカー?
概要
今回紹介するスピーカーはBOSE製のパッシブウーファーの AM-033C と呼ばれる機種。カーオーディオ用に生産され、とうの昔に生産終了したスピーカーです。恐らく2000年頭くらいに販売されていたそうです。愛称がベビーキャノンと呼ばれており、見た目の通りキャノン砲のようなルックスで、インパクトが抜群のスピーカーです。
組み合わせとしては、121や101シリーズのBOSEのフルレンジスピーカーシリーズに対して不足する低音を強化するの為のパッシブ型のウーファーです。
カーオーディオ用のセットで最も有名な組み合わせ例としては 101RD でしょうか。
因みこの機種には上位モデルがあり、AM-044C ( SBC-1 )と呼ばれる機種があります。後者の方が耐圧が高く大きな音が出しやすい設計になっています。
このウーファーの仕組み
このウーファーは外からはスピーカーの姿は見ることはできません。スピーカーユニットはどこにあるかというとこの筒の中に直径13cmのウーファーが隠されており、両側のポートから共振された低音のエネルギーを放出するACOUSTIMASS方式と呼ばれる仕組みを採用しています。いわゆるバスレフの一種です。細かい事は他のサイトでも沢山解説されているので、ここでは割愛します。
簡単にいうと、内部のスピーカーユニットはパイプオルガンのふいごのような役割をしており、左右のポートのパイプでチューニングされたポートの共振のみ音を出すイメージです。市販されたサブウーファーは大体専用のアンプとセットになっていることが多く、プリアンプにウーファーの出力端子が無いと使えなかったりしますが、このウーファーはパッシブスピーカーですので、普通のスピーカーと同じようアンプに接続できます。さらに専用のクロスオーバーボックスを使えば101シリーズとこのウーファーを一つのアンプで駆動できるのも魅力のうちの一つです。
何故購入したか?
実は数年前にヤフオクで購入していた101ITと呼ばれるスピーカーを所持していて気に入っており、今まで手放すこと無く使用しています。
正直、101IT単体でも十分なサウンドを確保できますが、こんなキャノン砲の見た目のウーファーで、お気に入りの101ITのサウンドをより強化できるとなると一度試したくなった訳です。
101ITの紹介はまた今度しようと思います。
買って見た印象
モノはヤフオクから入手
ケーブル等が無く、動作確認ができない為ジャンク品という事でしたが、案外状態は悪くは無くて一安心です。因みのこウーファーと101シリーズを繋ぐには専用のクロスオーバーボックスが必要です。私は以前知人にそのクロスオーバーボックスの修理を依頼された経験があった為、その時の自作パーツを使います。
今気づきましたが、台座がありませんでした。まぁ台座は後からでも木片さえあれば何とかなるので暫くべた置きします。
第一印象と質感
エンクロージャーは樹脂製。
ウーファーはしっかりしたエンクロージャーに入れるのが鉄則ですが、案外ペラい印象です。ただ密閉性は、高そうです。そして見た目のわりに軽くて持ち運び易いです。小さな室内ミニイベントPAでも使えそう。
端子は特殊なコネクターです。カーオーディオとして設計されているので引っ張られても抜けにくい端子が採用されています。こういう丈夫な設計は流石BOSEという感じ。但しこの手のコネクターは一般的なホームセンター等では入手できません、秋葉原に買い出しが必要です。
しかし、試しにコネクターのあるバスレフポートを軽く叩いてみると、パァン!と反響する音が…。音だし前になんか嫌な予感がします。
一方端子のついてない側を軽く叩くとトン!というやや鈍い音が。しっかり吸音材が入っている音です。こちらはウーファーらしい音ですね。
そもそも内蔵されているのは13cmのウーファーなので重低音を響かせるには径が足りません。重低音というより、ドラムのドッ!という比較的周波数が高めで音のインパクトを追加する設計でしょう。
恐らくですが、パッシブ駆動である事と叩くとパァン!とエンクロージャー内部で反響する様子から吸音材不足で、音質的には中域が漏れるやや力の少ない低音になるような予感がします・・・。
聴いてみての感想
ひとまず、ジャンクで落札しましたが問題無く音が鳴って一安心です。
先ほど「嫌な予感がする」とか書いていましたが、案外思ったよりひどくない音でした。ノンクレジットBGMのようなDance系やEDM系の破壊力は物凄いです。FatRatなんて最高です。割りと低い帯域も出ているようで設置場所さえ掴めればかなり凄い音が出ます。
しかし楽器系やボーカルものは予想通り中域が漏れており、ごちゃっとした音に。女性ボーカルものをウーファーだけ鳴らしても歌詞の内容がほとんど聞き取れてしまいます。
折角の低音がエンクロージャ内で反響した中域にかき消されています。
101ITと即席で組ませてみましたが、楽曲によっては漏れた中域と101ITの出す中域と干渉しています(苦笑)
色々試してみたところ、カーペットやカーテンの近くやウーファーを家具の陰に隠す様に配置すると、中域漏れの音が減少するためかいい感じの低音が響くようになります。
何故カーオーディオ用なのかがわかった
何故BOSEの設計者はここまで中域漏れしたまま商品化を許したのでしょうか?
以下の理由が考えられます。
そもそも車事態がエンジンなどのようなノイズが大きい事
車内はシートで覆われており、車内環境はある意味吸音材まみれであること
密閉されたトランクに設置される可能性もあること
以上の点からウーファーのエンクロージャ内の吸音材を少なめにして、中域漏れは車のシートに吸わせる作戦でしょう。また、トランクに入れられる可能性もあるため、ウーファーの能率を下げないように吸音材の量を減らしたのかもしれませんね。
低音の質というより、中域漏れてもいいから、迫力を重視!という感じでしょう。
他のレビーサイトでこのウーファーの賛否が別れていますがその理由が何となくわかりました。
とは言え、まだクロスオーバーボックスを使っていないのでなんとも言えませんが少なくともこのウーファーをアンプ直で接続する場合、ローパスフィルターが必要そうです。
まとめとこれからやりたい事
AM-033は専用のクロスオーバーボックスがあれば追加のアンプなしにBOSEの121や101シリーズの迫力をアップグレードできる見た目も面白いパッシブウーファーです。
現代の電子音系の音楽が得意、楽器もの歌ものは苦手。
カーオーディオとして設計されており、家で使うにはやや難しい面があります。
こんな感じでしょうか。しかし私は家で101ITと組み合わせて聴きたいのです!
という事で、次回できるかどうかわかりませんが、AM-033を家でも使えるウーファーにチューニングしていこうと思います。
パッシブスピーカーはこうやって遊べるのが良いですね。