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カイトと会う~カイト③

カイトとの電話では、趣味が同じ旅行だったりしたので、旅行ネタなどを挟みながら、お互いを知り合う会話をした。
私「カイトさんに、はしゃべりやすいです。私、興味ないと無口になる…
カイト「あ、そう…。蒼子さんは、声も可愛いね」
私「そうですか、ありがとう。カイトさんの声もいいですよ」
カイト「温泉好き?」
私「好きですよ。仲良くなったら、温泉もいいですね~」
カイト「お、一緒に温泉行くの、大丈夫なの?」
私「温泉いいですよ~」
カイト「あ、あぁ…、温泉、泊りで大丈夫な感じ…?」
私「仲良くなって、恋人になったら、温泉デートもいいですよね」
カイト「へぇ~、泊まり大丈夫な人なんだ…。」
この時、少々、カイト氏、声が上ずり気味であった。
アラフィフで、お泊りデートに反応を見せるカイト氏に、その時点では私は小首をかしげた。

私「海外旅行いっぱい行ってますよね?旅でハプニングもいろいろありましたか?」
カイト「いろいろあったよ~。ま、自分で自分の身を守らないと…。ああいう、旅先で無謀なこととかして事件に巻き込まれるヤツって、マスターベーションのなれの果てなんだよ」
ん?どういう事件のことを言ってるのか?よくわからないが、マスターベーションって言葉使いたかったんかな~?意味的に合ってるの?「自己責任」とかでよくない?と、小首をかしげる蒼子であった笑

カイト氏との会話は、数回小首をかしげることはあったが、良い感じに弾んだし、私に対して上から目線でもなく、仲良くなれそうな気がした。

そんなこんなで、マッチングから2週間ほど、lineや電話を重ね…
カイト「今度の土曜に会わない?あ、土曜は仕事になってしまったから、日曜…かな…」
私「私、今仕事していないから、いつでもOKですけどね」
カイト「え、それなら平日夜でもいい?」
私「いいですよ。とりあえず、一度会ってみましょう」
カイト「そしたら、あさって、水曜の19時新宿駅に来れる?」
私「いいですよ。」

そして、水曜日
カイト『おはよう。今日会えるね。楽しみ』
私『おはよう。楽しみだけど、ちょっと、緊張する笑』
カイト『え?緊張するの?大丈夫でしょ。』
私『まぁ、大丈夫かな…。私が年上で、カイトさんが年下だけど、いいかのかな?』
カイト『年とか気にしないよ~。じゃ、また、後でlineするね』
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カイト『早く上がれそう。18:30とか大丈夫?』
私『18:30 OK』
カイト『南口の前に花屋があるから、そこに18:30』
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カイト『新宿にもう着いてる?仕事終わって、今、向かってる』
私『着いてる。そう、それなら、私も花屋に向かうね』
カイト『もうすぐ、会えるね』
私『わかるかな?私、白いカーディガン、紺のスカート』
カイト『俺、ワイシャツに紺のズボン』
マッチングアプリにカイトが載せていた写真…決してイケメンではないが、短髪で精悍な雰囲気で、大きめの黒縁メガネから知的さが垣間見え、180㎝の長身。健康と身だしなみに気をつけて毎日運動している…引き締まった体型…いわゆるシュッとした姿を想像していた。
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そして、カイトが目の前に現れた…。

ノージャケット、ノーネクタイ、長そでシャツをまくっている、いわゆるクールビズの…
青い布製縦型トートバッグを肩にかけた黒縁メガネの…
運動してます!って言ってたけど、軽めの運動しかしてないような180㎝中肉中背の…
身長高いけど、高く見えない…
疲れた顔と身体の五十路の男…

カイト「待たせちゃったね」
私「は、はじめまして」

決して期待していたわけでない。
私が得た情報で想像した姿と違った…。
写真のカイトは幾分フレッシュ感があるのに、目の前のカイトにはフレッシュ感ZERO…しゃきっと感がない、しなびてる。
マッチングアプリに載せてた写真は本人だけど、たぶん10年くらい前の写真…。

想像していた姿違うことに動揺をしてしまった。
動揺したけど、いやいや、電話して会話も良い感じだったんだから、大丈夫!!中身重視!!と気を取り直す。




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