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4期連続赤字の島精機製作所は復活する?3ステップで考えてみました

こんにちは、株好きFPのかたやま りえです。

普段は成長株投資で、年率20%程度の利益成長をしている企業を選んでいますが、今回は友人からのリクエストで、4期連続赤字を発表した島精機製作所(6222)が今後どう変わるかについて考えてみました。四季報を毎回読破される渡部清二さんの著書にも、久しぶりの最高益は株価が上昇しやすいと書かれていますし、経済アナリストの馬渕磨理子さんが得意とされている黒字転換投資という手法もありますので、将来性や独自性のある企業であれば注目していきたいと思います。今は買い時ではありませんが、業績が回復すれば、買いのチャンスがやってくるかもしれません。どんな会社か、今の赤字要因と今後の計画、今後投資対象になるか考えてみましょう。

島精機製作所(6222)はどんな会社?

島精機製作所(6222)は、ニットなどを製造する編み機を主に製造している会社です。同社の「ホールガーメント」という縫製技術をご存知でしょうか?通常ニットを作るときは、身頃、袖と各パーツごとに作り、それぞれのパーツをミシンで縫製して作るのが普通ですが、同社の横編み機なら、1本の編み糸からニットを1枚丸ごと編み上げることができるのです。これってすごい技術ですよね。縫製中のカットロスもないため環境にも優しく、縫い目がないため着心地もよいというメリットがあるのです。ユニクロを展開するファーストリテイリングは、島精機製作所との合同会社を設立し、子会社化して、ホールガーメントのニット「3Dニット」を販売していますし、エルメスやグッチなどの世界の有名アパレル業界も利用していて、シェアは世界首位です。これだけ独自性のある素晴らしい企業なだけに、4期連続赤字は残念です。

①赤字の要因は?

世界シェアNO1の技術を持つ同社が4期連続赤字の要因はなんでしょうか?

横編み機は企業の設備投資が活発だと販売数量が増えやすいので、景気の波に左右されてしまっている状況が主な要因に思われます。IR資料を読むと、2021年3月期は販売不振が原因とあります。過去の業績を見ても、2018年3月期が最高益で、それ以降右肩下がりの状況です。2018年といえば10月が景気の山でしたので、そこからはずっと業績不振が続いている状況です。

②今後の対策は?

数値目標

2021年5月に発表された中期経営計画による2023年度(2024年3月期)の業績目標は、

売上540億円
営業利益20億円
経常利益25億円
当期純利益20億円

としています。なお、最高益の2018年は、

売上高718.6億円
営業利益149.1億円
経常利益155.3億円
当期純利益112.8億円

となっていて、売上高営業利益率は、20.7%もありましたので、だいぶ最高益には遠い目標値です。

具体的な対策

①ホールガーメント事業の最強化
②ファッション業界のソリューションビジネスの業態返還(サプライチェーン改革)
③事業多角化
④経営基盤再構築

とあります。

新製品開発、製品コストダウン、アパレル業界のDX化、豊富な財源による新規事業立ち上げで多角化を計画しています。

しかし、2023年3月期は売上は回復しているものの、原材料価格、物流費の高騰と、固定資産、のれんの特別損失約 31 億 80 百万円を計上し、3月に今期2度目の下方修正を発表しました。

決算書を見ても、残念ながら具体的な対策が進んでいるように見られない状況です。

③今後の買いチャンスは?

私の個人的な考えですが、現時点ではかなり厳しく感じます。IR資料を見ても設備投資や研究開発費を継続とありますので、利益を圧迫すると考えられること、経営の多角化の内容が、現在も運営している子会社のホテル経営などであれば、いくら自己資本がたくさんあるとはいえ、本業とはまったくちがう事業のため拡大にはリスクが高いからです。とはいえ、うまくいく可能性がまったくないわけではありません。先述した具体的対策が実行し、効果が出て、黒字に転換したときは買いのチャンスかもしれません。もし、最高益にまで業績が回復するときは、大きなチャンスです。2018年1月の過去の高値8190円を超える可能性は十分に考えられます。もし、気になるようであれば、今後の業績動向を必ず確認していきましょう。

まとめ

・赤字企業は、黒字に転換したときが買いのチャンス
・久しぶりの最高益も買いのチャンス
・IR資料で数値や対策に目を通し自分なりの見解を考える
・業績を毎回確認する

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「株好きFPかたやま りえの株式投資ときどきマネーの話」


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