見出し画像

「こんな事私の身の回りでは起きない」なんてない。3・11

3.11私は大学生だったが、
たまたま、関西から東京に旅行にきていたため、
強い揺れを経験した。
その日の予定は全て中止し、ホテルで、ホテルに宿泊している客と、
一番広い部屋に集められ、知らない同士、
みんなで一つのテレビを見た。
テレビからは現実とは思えない光景が映し出されていた。


津波の映像だ。


まるで映画のワンシーンなんじゃないか?と思う映像だった。
むしろ、現実で起きていることが夢なんじゃないかと思った。
地震が起きたあと何度も揺れが続き
地震酔いをしてしまった。
見知らぬ誰かがコップに水をいれテレビの前においた
「こうすれば、今、揺れているか揺れていないないか分かりやすいでしょう。」
他愛もない一言だったが、
なぜか十年だった今もその見知らぬ誰かの
言葉が忘れられない。

とある人は「東北からきたけど、家族に電話がつながらない」
といった。
あの日、我々が当たり前のように使っている
携帯電話もしばらく
電話がつながらなかった。
すべてが嘘かのようだった。
コンビニから一気に食料が消えた。
電車も完全に止まった。
ホテルの予約も一気に満室になった。

テレビから映し出される映像をみていると
自然に目から涙があふれてきた。
ニュース速報の字幕には
死亡者の人数が常に報告されている。
数字は増えるばかり。
日本地図を覆った津波警報。
ヘルメットをしたNEWSキャスター。

第二次世界大戦や、かつての震災を学校の授業などではならうが
「きっともうこうんな事は起きないだろう」
と心のどこかで思っていた気がする。
おそらくあの日、津波の被害にあった人も
そうだったと思う。

しかし、起こるのだ。
なんの前触れもなく、とつぜん。

「こんな事は私の身の回りにおきるはずがない」
なんて言葉は存在しない。
特に、震災は前触れもなく、誰にも予測はつかない。
あの日、「まさかここまで津波はこないだろう」
と思い、避難が遅れてしまったせいで
命をおとしてしまった人もいるらしい。
私がその場にいても、そう思ったかもしれない。

いつも最悪なこと予想して備えることはとても大切なことだと思う。
誰も、みんな
まさか自分が被災者に、テロの被害者になると思って生きていない。

私が経験した初めての震災だった。
今でもあの日の映像を見ると
あの日を思い出し、悲しみと緊張感が蘇るが、
これは経験していないとわからないことなのかもしれない。
今まで散々教えられてきた、なんとかの被害なんて
比べられないぐらい、心にくるものがある。


「まさか」が起こるのが人生だ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?