PPP新宿公演で感じた情熱と素直さ

先日参戦した1月9日PPPTOKYO新宿FACE公演の余韻がすごく、いい大会だったなあ!としみじみ感じます。


PPPTOKYO新宿大会

久々にVTRも制作しました。ご相談を受けてから、予算確保に動いてくれたり、撮影のアテンドを組んでくれたりと三富総帥が先回りして取り組んでくださることに対してこちらも「全力で返さないと!」と思わせてくれる立ち回りをしてくださいました。

三富総帥とはよく話をします。僕が学生プロレス4年生だった時に、彼は1年生だったかと思います。
潮吹豪のリングネームで活動する彼のバイタリティは当時から抜きん出ていたなと感じます。

博報堂に就職し、その後の悩み相談なんかもよく受けていました。
私も新卒でテレビ局に就職し、挫折をしてプロレス界に拾われるという動きをとっていたこともあり、三富総帥からすれば相談しやすい相手だったかもしれません。

PPPのPには様々な”P”の理念が込められていると本人から聞いていました。
Passion
Pro-Wrestling
Philosophy
Party...

など。それ以外のPも込められているかと思います。
企業理念がきちんとあれば創っていくものにブレはないと思いますし、徹頭徹尾その理念を興行内で感じるのはすごいことだと感じます。

言葉の使い方も通例のプロレス興行だと「興行」という部分も「公演」と言ってみたり、「第1試合」とかを「1st Party」というようにしてみたり世界観の作り込みにはこだわりと徹底したものを感じます。

ド派手な世界観で外側を創っていますが、中身は人情溢れるドキュメンタリーでドラマチックな試合が溢れています。おそらく所属選手たちに「誰と闘いたいか?」のヒアリングをしっかりした上で対戦カードを組んでいるかと思います。本人たちの希望と物語を紡ごうとする意思を感じました。

また三富総帥は自身の失敗を隠そうとはしません。
手弁当で運営をやっている大変さがあるからこそ、ある会場の開催は「ここにデメリットがあった」ときちんと分析しnoteに記載して文章にし公開する。自身の感じた部分をシェアし、身の丈にあいながらも、成長していくという気概を見せようとしています。大手団体が失敗した企画に対して、そのような反省材料を公にしていかないのとは違い、三富総帥はそれを見せていくことで曝け出す覚悟や、運営する人間としてのスタンスを明確にしようとしているように感じます。僕はそれに好感を感じます。

今回の1.9新宿大会で僕が強く感じたのは「パッション」と「素直さ」でした。
PPP所属選手たちからは全員が成功させてやろうという気概を感じます。
僕が出場した試合はエチカ・ミヤビ選手の壮行試合。性転換手術を控えるエチカ選手にプロレスを通じてエールを送る試合です。
私も一昨年、エチカ選手とホームリングであるガンプロで対戦したことがありました。おそらくその試合が彼女にとってターニングポイントになった一面もあるのでしょう。今回僕が指名されたことに、点と点を線にしようとする団体の誠意と熱を感じました。

試合はエチカ選手が大爆発。自身初のピンフォール勝利を収めていました。
試合後のマイクは本当に等身大の飾らない言葉があり、観客や対戦相手である僕も含めてみんなが心打たれるものがあったのではないでしょうか。
性転換手術を控えるエチカ選手もまた「なりたい自分になる」の欲求に素直でいれたことだと思います。

そうした熱が続き、メーンイベントで八須選手と田中将斗選手の一騎打ちが。
ZERO1の練習生だったが、逃げ出した八須がZERO1の象徴とも言える田中さんと闘う。その経緯が語られる煽りVの上映の時点で会場が爆発しており、ムードが最高潮に。
そして八須選手の見た誰もが感じる驚異的な成長。MMAの練習、プロレスの練習と隔たりなく懸命に取り組んできた彼が見せる動きにはその修練によって培ったものが彼の肉体を通じて、会場に伝染していました。加えて飯伏さんの指導により、これまで見せてこなかった新技や間を習得したことで、2024年は八須の時代が来る!と予感させるものに。田中さんの凄さも相まって、ベストバウト級の試合になっていました。


リック・スタイナーのような風貌の八須

ここで感じるのは何より八須選手のピュアさと素直さです。なんでも取り組んで吸収しようとする。「なりたい自分になる」という欲求ままに、なりたい自分に近づいていく八須拳太郎を見て率直に感動するし、自分も頑張らないと!と思わせてくれるのです。それは彼の素直さがそうさせているように感じられます。

歳を取ると「自分のやり方」や「キャラクター」という型が定まってきてしまって、吸収率が悪くなるんです。僕がそうです。
彼のスポンジのようになんでも吸収する素直さと肉体を見ていてとても感化されるものがありました。

大会終わりで、気づいたのですが、僕のタッグパートナーが夏すみれ選手とリアラ選手で、お二人のキャッチフレーズを僕がアイディアを出したことがあり、二人がそれを採用してくれていました。そして輝きを放っており、それも嬉しい発見でした。
『戦慄の厚化粧』『顔面施工費1500万』
ともすればギョッとするフレーズなのに、二人はそれを売りに出来ている強さを放っていて、もっと僕も頑張らないとと思えました。
レスラーは自分のキャラのピントがハマってまたさらに輝きを増すという側面があり、お二人がその好例として活躍しまくっていてすごいなと思います。
まだまだ自分もキャラが弱い。やってみたいキャラクターや変身願望もあるから、これからもっといろんなものをやっていこうという気持ちにさせてくれました。カメレオン俳優ならぬ、カメレオンレスラーとして2024年は新たなキャラも創ってみたいと思っています。


今成がキャラ負けしたと感じた一枚

「なりたい自分になる」人を応援出来るよう場を作る三富総帥もまた「なりたい自分になる」ために頑張っているのだと思います。
そのために必要な情熱や哲学、祭りを創ろうとするPPPにとても感銘を受けました。

僕もなりたい自分になるために、またもうひと頑張りしようと思います。

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