『みんなの夢AWARD11』 ファイナリストインタビュー 【準グランプリ受賞】 谷本和考さん
みんなの夢AWARD事務局です。
「みんなの夢AWARD11」のファイナリストインタビューをお届けします。
今回は準グランプリを受賞した、谷本和孝さんです。
1、谷本和孝さん 夢のミッション
技術で世界中の人を笑顔に『世界中の人に安全な水を贈る』
創業74年目の企業の5代目社⻑である谷本さん。
父から引き継いだ家業の技術が、非常に高レベルで様々な社会課題解決につながる、という事に気づきます。
その技術を活かし、コンパクトで安価な新型ろ過装「CLEARINO」を開発。
安全な飲み水が飲めずに困っている日本国内の人や、
途上国をはじめとする世界中の人たちへ、安全な水を提供します。
高価で複雑、エンジニアしか使うことのできないもの、ではなく、
『コンパクトで安価、誰でも簡単に使える装置』を、まずは日本国内で普及させ、将来的には世界中の人々を救うことを目指します。
2、谷本和孝さん インタビュー
ー「みんなの夢AWARD11」が終わって、今の心境をお聞かせください。
実はいたって普通な感覚なんです。
ただ、「みんなの夢AWARD11」の前後で大きく変わったことがあります。
「みんなの夢AWARD11」にエントリーし、ファイナルまでの過程で、「自分の思いを表現し、人を巻き込む力」が強くなったことです。目の前にいる人に自分のビジネスモデルを伝える。その表現の仕方が大きく変わりました。
これまで、私は別のビジネスコンテストにチャレンジしてきました。自分が開発した製品の長所などを伝えるばかりでした。人の共感を生み、心を動かすプレゼンテーションができていませんでした。
ビジネスとして、どうやって実現していくのか。
「自分の夢がみんなの夢、みんなの夢が自分の夢」になることをしないといけない。「みんなが応援したくなる夢」にしないといけない。
プレゼンテーションをご指導いただいた長倉先生には、この部分を特に強くご指導いただきました。
ご指導を受け、私のプレゼンテーションは、「こういうものを作って、だからこういう社会を作れる」という表現に変わりました。
お陰様で別のビジネスコンテストでは、優勝することができました。
『自分の夢はみんなの夢。みんなの夢は自分の夢。』
「みんなの夢AWARD11」で、この言葉に出会い、自分の表現の仕方が変わりました。目の前の人の共感を生む表現ができるようになりました。
このことは、自分にとって、とても大きなことです。
ー「みんなの夢AWARD11」へ、エントリーしたきっかけをお聞かせください。
今回の「みんなの夢AWARD11」へのエントリーは、私の妻もエントリーをしていました。実は妻の方が先にエントリーをしたのです。
妻も実現したい夢を持っています。妻から、自分の夢を実現するために「みんなの夢AWARD11」にエントリーしたことを聞きました。
そこで初めて「みんなの夢AWARD11」の存在を知りました。
夢の実現に向けて一歩踏み出し、ワクワクしている妻の姿を見て、
「いいな!自分もエントリーしよう!」と思い、エントリーをしました。
残念ながら妻は二次選考までとなりましたが、夫婦でそれぞれの夢を実現することに取り組めたことは貴重な経験でした。
妻は私にとって、とても大きな存在です。いつも物事の本質に気づかせてくれます。
私の夢のミッションは、最初は「アフリカの水問題を解決する」というものでした。
妻から「あなたはアフリカに行ったこともないのに、なんでそんなことが言えるの?あなたができるのは、自分が持っている技術で、世界の水問題を解決するということじゃないの?」と言われ、ハッと目が覚めました。
妻の言葉を受け取り、私の夢のミッションは「世界の水問題を解決する技術を届けたい」というものに変わりました。
もちろん、はじめの段階でも強い思いを持って取り組んでいました。
しかし、妻の言葉によって、夢のミッションが明確になり、思いはさらに強いものになりました。
妻という大切なパートナーがいたからこそ、準グランプリを獲得できたと思っています。
ーファイナリストサポートの中で、渡邉美樹代表理事からアドバイスを受ける機会がありました。アドバイスを受けての感想と、ビジネスモデルはどう変化したのかをお聞かせください。
渡邉美樹代表理事は、「物事の本質・核」をしっかり見抜く方であると思いました。
私にいただいたアドバイスも、「事業の本質・核」を問われるものでした。
「CLEARINOをどうやってアフリカに持っていくのか?」「どうやって夢のミッションを実現していくのか?」と、渡邉美樹代表理事から質問をいただきました。
私の中ではこの部分は「なんとなく」というものでした。明確なプランがない状態でした。その辺りをズバッと突かれました。
もちろん、頭の中に構想は持っていました。しかし、「構想を相手に伝えて、理解してもらうことが大事であること」を、渡邉代表理事のアドバイスから気づきました。
このことがファイナルにおける発表はもちろん、現在の取り組みにも繋がっています。
「自分では言っているつもりでも、相手に伝わらないと事業として進まない。」このことを学んだのは、大きかったです。
ーこれまで夢のミッションに取り組んできた中で、嬉しかった出来事をお聞かせください。
CLEARINOを開発して、日本経済新聞さんが誌面に掲載をしてくださいました。
その記事を読んだお客様が当社に来社され、CLEARINOの実物を見て、
「すごい!」と感動し、購入してくださったのが嬉しかったです。
CLEARINOの開発自体は、そんなに時間はかかりませんでした。
開発は3ヶ月ででき、商品化までは6ヶ月でできました。
他社では難しいと思われてきたことでも、当社はたくさん実現してきました。
過去に、水の装置を作るあるベンチャー企業が10年かけてもできなかったことが、当社では6ヶ月でできたこともあります。
私は、自分の頭の中にあるものはカタチにできると思っています。
一般的な開発のやりかたでは、試験装置を作り、テストをして、トライ&エラーを繰り返しブラッシュアップをして、最終完成に至ります。
当社では、設計をして、ものを作り、開発をしていきます。
設計段階、つまり図面を書いている段階で、頭の中では開発が完了しています。
私は、自然科学の全ては計算式で表される、全ての物作りは計算式で成り立つと思っています。計算式は本を調べますが、こんなものを作りたいと思ったら実現するための答えは導き出せます。
自分の頭の中にあったものがカタチとなり、お客様の喜びに繋がることが嬉しいです。
私は、イノベーションは誰でも起こせると思っています。
世の中にすでにあるものを応用していけば、難しいものはないです。
世の中にないものを生み出すのは一部の天才だけですが、今あるものを別のことに使って、新しい価値を生み出すことでイノベーションを起こすことができます。
なので、イノベーションは誰でも起こせます。
ー夢のミッションに取り組んでいる中で、今一番ワクワクすることはなんですか?
現在は、CLEARINOのだけでなく、新しいものを開発しています。
この開発が完成すると、日本のものづくりに革命が起きます。この開発は難しいという声もありますが、私たちならできると思っています。
現時点では、具体的なことをお伝えするのは難しいですが、日本の伝統工芸の技術の継承と、他分野への応用を実現するものを開発しています。必ず3年以内に実現させます。
ー最後に、今後1年間、事業がどのように進んでいくのかをお聞かせください。
私にはやりたいこと、挑戦したいことがたくさんあります。
その土台となる、会社の経営もちゃんとしないといけないです。
「社員が一丸となる組織づくり」と「新たな挑戦をしていくこと」。
これらが今の私の目標です。
実は、当社は3年前まで、大赤字の会社でした。そこからV字回復を実現しました。数多くの課題をクリアして、現在に至ります。
クリアすべき課題はまだまだたくさんあります。
その一つ一つに向き合っていきます。
【インタビュー後記】
熱いチャレンジ精神をお持ちの谷本和孝さん。
インタビューの間も「こんなことをやりたい」「こんなことにチャレンジしている」というお話をたくさん聞かせてくださいました。
全てを記事の中で表現できないのが残念ですが、
CLEARINOだけでなく、社会課題を解決するものをどんどん開発されていかれます。
浪速のエジソンと呼ばれる、
谷本さんのご活動をこれからも追っていきます。