見出し画像

06. レトロ

教室の中。雑踏の中。
息をする事さえ出来ないでいた―
変わりたくて変われなくて。

ルーズソックスに短いスカート、茶髪。
高校の時の流行の格好。
もちろん、学校ではそれは禁止されている。
校則違反になるのだ。
でも、人は流行を好む。
特に高校生のような若い子は。

その中で私は異質だった。
普通のソックスに長いスカート、黒髪。
しっかりと自分でも異常なくらい校則を守っていたと思う。
生徒手帳も大抵身につけていて、成績もそこそこ。
人から優等生や模範生に見られても不思議じゃない。
ただ、それでもやっぱり私は異質だったのだ。

誰も傍にいないことが当たり前で。
話さない。見ない。聞かない。
教室の中で存在する事さえ不確かな存在。
友達と呼べるものさえいない。

いつからだと聞かれても
答えようの無いくらい、自然と私が作られていた。
キッカケはいくつかある。
考えてもどうしようもないくらい。

外を見ない私は今を知らない。
流行を追う事をしない。
止まってしまった時間のまま。
過去の時間を今の時間へ。

取り残されてるのだろうか?
追いかけてるのだろうか?
時間の針は今何処へ?


《 前へ * 次へ 》


30の遠い記憶 目次

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?