車中泊ではなく車中活とは？
車中活とは車を居場所にする意味で、私が勝手に付けた言葉だ。
花粉症でもある私は、この時期花粉や黄砂で外に出るのは辛い。
もう少しして新緑の頃になると、やはり外が気持ちいい。
いくら私がインドア派だとしても、家の中ばかりでは気も滅入る。
定年退職後の居場所づくり！
定年退職をしてなくすものはサラリーだけではない。
多くのものをなくすことになるが、その中でも居場所は深刻だ。
会社という居場所はサラリーマンにとって当たり前すぎる居場所だったから、それを失うことがどれだけ自分を苦しめることになるのか想像できなかったのだ。
昭和のサラリーマンの居場所
昭和生まれのサラリーマンにとって家は居場所ではない。
「それはおまえだけだろう」という声も聞こえてきそうだが、現在サラリーマンの人は想像してみてほしい。
行くところもなく一日中リビングや自分の部屋で過ごすことをだ。
私は定年前に納屋をリフォームして作った、工房兼スタジオのような居場所を持っているので何とかなっている。
母屋で妻と顔を合わせて一日中過ごす想像ができなかったので作った居場所だ。
これには妻も反対はしなかった。
田畑のような居場所を持っている人はまだ幸せだが、私のように田畑が居場所にならないならどこかで居場所を求めるしかない。
その納屋の居心地は悪くはないが、それでも毎日となると外出の欲求が芽生えてくる。
車を居場所にした理由
コロナ禍で外出が自主規制されていたころ車中泊を思いついた。
人と会わないように車中泊で旅をした。
しかし如何に車中泊とはいえ、月に何度も車中泊旅をしようと思うと予算も馬鹿にならない。
そこで思いついたのが車中活だ。
車中泊との違いは車で１泊以上するか日帰りかの違いだ。
車で家を出て、車内で数時間過ごすだけのことだ。
車内でやることは家と同じだ。
読書や文章入力、コーヒータイム、ランチなどだ。
基本的に目的は旅ではない。
家で一日過ごす代わりに車で過ごすというだけだ。
車中活の場所
3〜4時間なら市内の公園駐車場やダムの駐車場が最適だ。
駐車場の条件はトイレがあることだが、１〜２時間程度で移動するつもりならトイレがなくても問題はない。
駐車場を選ぶ基準はその時のメンタル次第だ。
ひとりで過ごすことが長く、寂しさと孤独感が強い時は市営の公園駐車場だ。
子ども連れの奥様や営業車の休憩など、人や車の出入りが多く孤独感は紛れるからだ。
逆に静かに読書をしたい時は山に入る。
ダムの展望駐車場やシーズンオフの観光駐車場などだ。
探すのに苦労をしたのは日陰だ。
日陰の駐車場は意外に少ない。
当然だが季節や時間によって日陰は移動する。
気分転換したい時は日帰りの範囲内で場所を探した。
山間に住んでいる私がよく行くのは海辺の駐車場だ。
海が見えて浜辺を散歩できる場所だ。
海に囲まれている日本とはいえ、このような場所を見つけるのも意外に難しい。
私は90キロ離れた隣県まで車を走らせることもある。
鳥取砂丘近くの駐車場だ。
ここでコーヒーを飲んだり文章入力をして時間を過ごす。
飽きたら波の音に癒されながら海辺を散歩する。
車中活のメリット
忙しい人や仕事をしている人からすれば無駄な行動にも思えるような車中活だが、家の中で一日を過ごすよりも癒し効果は半端ない。
私も定年退職した当初は、このような行動自体に罪悪感を持っていた。
平日で人は誰もが働いているのに、私だけのんきなものだと自分を卑下したのだ。
しかし時間はかかったがそれも段々と慣れてくる。
定年退職から数年経過すれば家で過ごすことが日常になるので、そんな車中活こそが非日常になった。
言うなればひとり旅と同じような癒し効果だ。
車中活では、そんなに遠くに行く必要がないことこそメリットと言えるだろう。
孤独を楽しむこともでき、逆に孤独を癒すこともできるのが車中活だ。
車中活は居場所のない定年退職者にお勧めできるものだが、休日に家に居場所がないと感じるサラリーマンにとっても悪い話ではない。
私もサラリーマン時代に国家資格を取得するために勉強をしていたころ、車中活をした経験がある。
家族がいる家では集中できなかったからだ。
大きな木がある霊園の駐車場で勉強をした記憶が蘇る。
このような車中活ができる時期は限られる。
気温が30度を越し不快指数が上がってくる夏はお勧めできない。
窓を開けていると虫が入ってくる梅雨時期もだめだ。
私の場合は、自作した車中泊用の網戸付き換気扇が効果を発揮できる間だけだ。
特に山の中の駐車場は虫も多いので、新緑シーズンを過ぎると車内の環境は厳しくなる。
山中の駐車場ではヤマビルなどの害虫にも注意が必要だ。
そんな風に考えると、春は新緑シーズンがベストな車中活時期なのかもしれない。
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