私はこうしてドラムと出会って練習した!
人生後半の夢は楽器を演奏して音楽を全うすることだ。
子どもの頃から好きだった音楽も、思い出すと中途半端だったとしか言いようがない。
それでも趣味の範囲と考えれば、常に音楽と触れながら人生を過ごした方だ。
60代でも遅くはない楽器練習!
実際に私がドラムを本格的に練習し始めたのは1年前だ。
その時は既に66歳になっていた。
その時点までまったく練習していなかった訳ではない。
基礎練習などをそれなりに数年続けていた。
ドラムとの出会い
子どもの頃から音楽は好きだったが、実際楽器と向き合ったのは高校生の頃に入部した吹奏楽部だ。
大人になってから新卒で就職した会社を数年で辞めフリーターになった。
そしてアルバイト感覚でキャバレーのバンドに採用して頂き、学生時代にやっていたトランペットを吹いた。
その後キャバレーバンドをリストラで解雇され、田舎に帰ってサラリーマン人生を送ったのだ。
キャバレー時代に二つ入っていたバンドの内の片方のドラムが突然いなくなり、一番若いという理由だけでトランペットからドラムに無理やり転向させられた。
残っていたドラム担当の人から教えてやると言われしぶしぶ承諾したが、実際は4日間その人が叩くのを見ていただけだった。
5日目から見よう見まねでステージに上がった。
お金を頂いている以上プロなので下手なことはできないが、4日や5日で上手く叩けるはずもない。
この時はとにかく基本のリズムだけ練習し、覚えたての基本リズムをテンポキープだけに集中して遣り過ごした。
それからしばらくしてリストラにより解雇されたが、それこそがまったく興味がなかったドラムとの出会いだった。
田舎のアマチュアバンド
どこの街にもバンドのひとつくらいはあるものだ。
音楽好きな人が集まって楽器演奏を楽しんでいる。
私の住んでいる田舎町にもひとつだけ少人数のアマチュアバンドがあった。
最初はそのバンドにトランペットで加入した。
その頃流行り出したフュージョンバンドだった。
ただ田舎なのでメンバーが集まりにくく、肝心のドラムのいないバンドだった。
ベース、ギター、キーボード、サックス、トランペットが二人という、何ともバランスの取りにくい編成だ。
フュージョンバンドと言っても練習の成果を披露する機会はお祭りくらいなので、演歌や歌謡曲など何でもござれの田舎バンドだ。
ある日その音楽仲間と飲んでいて、迂闊にも少しだけドラム経験があることを喋ってしまった。
ドラム経験があることがバレてから皆にドラムをやってくれと頼まれたが、私はドラムを持っていなかった。
ただ、その数年前にマクセルカセットテープのCMで流れていた、ネイティブサンというバンドのドラムに魅力を感じていた。
あまり乗り気ではなかったが、とうとうドラムを購入し練習を始めた。
ドラムが面白くなった瞬間
ドラムは練習をしてもなかなか上手くならなかった。
共通した認識ではないかもしれないが、楽器は上手くないと面白くなかった。
8ビートのリズムは叩けても、面白いと感じることができないまま何年も過ぎた。
田舎バンドに入って演奏しているだけでは、本来の楽器演奏を楽しめないとも感じていた。
とにかくもう少し上手くなりたいと思い教則本を漁ったが、単純な基礎練習やフィルインなどの例が音符で書かれているだけのものが多かった。
演奏して楽しいと思えないまま何年も過ぎ練習もさほどしないまま付き合いだけでドラムを叩いていたが、ある日バンド仲間の持っていた音楽雑誌に掲載されていた教則ビデオの紹介が目に留まった。
そのチェンジアップという言葉に興味を引かれ購入した。
その日から3ヶ月間毎日チェンジアップの練習をした。
この練習がドラムを楽しくしてくれた。
ダブルストロークだのルーディメンツだのと一通りの練習はしたが、抜けていたのはチェンジアップだった。
ドラムはチェンジアップと両手両足のコンビネーションで成り立っているという基本的なことがやっと理解できた瞬間だった。
60代で再開したドラムの練習
仕事が忙しくなった40代ごろから20年以上も楽器からは遠のいていたが、定年退職を切っ掛けにドラムの練習を再開した。
昔と同じようには叩けなかったが、それでも練習をすると想像以上に早く記憶にあるスキルを取り戻すことができた。
この位のスキルなら誰とでも演奏できそうだと思ったのは今から一年ほど前だ。
私の街にもセッションができる会場があると知ってそこへ出向いた。
ところが緊張のせいもあり散々な演奏でのセッションデビューになった。
基礎練習はできているはずなのに、本番になると足が動かずドラムソロもまるで下手くそだった。
私が他の人より勝るのは人生経験くらいのものだ。
若い頃のキャバレーバンドで新人が上手くなっていくスピードの記憶が蘇った。
私の場合もキャバレーバンドでの演奏スキルは、1年間で想像以上に向上したのを覚えている。
初見力や音楽的な表現力などだ。
毎日ステージで本番を経験した賜物だった。
そこで私は家でその状況を作ることにした。
毎日1時間以上セッションさながらの演奏を繰り返した。
もちろん本当のセッションではなく相手はYouTubeの音源と映像だ。
相手は世界中の名プレーヤーだ。
時にはジョン・コルトレーンやチェット・ベイカーなどジャズの巨匠とも共演している。
これもあくまで家での話だ。
今日言いたいのは、この毎日の家セッションがどれほどのスピードで演奏スキルを上げてくれるかと言うことだ。
もちろん基礎練習は欠かせないが、それでもやはり本番を熟す者は強くなる。
私がやっているのは本番のシュミレーションと言えるものだが効果は絶大だ。
もちろんセッションにも月2回は欠かさず参加している。
今は家でのシュミレーション演奏を、リアルセッションでも同じように再現できると確信している。
このセッションシュミレーションこそが、ドラムを最も速いスピードでスキルアップする
コツだ。
そう感じている。
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