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電車の車窓から

電車に乗ったときの夕焼けがなんとも綺麗だった。いつもは地下鉄を利用することが多いため、本を読んだりスマホで作業をしたりしていることがほとんど。でも今日は地上を走る電車に乗った。

車や電車や飛行機など乗り物に乗っているときは、いつも窓の外を眺めていた子供の頃。景色を見るのがとても好きで、全く飽きなくて、そこには言葉は必要なくて。ただ、心の中ではワクワクしていた記憶がある。

走り去っていく風景や変化する街並み、雲や月や太陽の動き、小さい人々。自分の知らないところにこんな場所があるんだなって感心していた。みんなどこかで頑張ってるんだなって思っていた。乗り物の揺れが心地良くて、遠くに来ることができた嬉しさに心弾ませ、見知らぬ土地を知ることが面白くて仕方がなかった。

いまや文明の力が進み、隣町まで電車ですぐに着いてしまい、国中、世界中、地球の外だってすぐに行けてしまう。

大人になって、窓の外を見る機会が本当に少なくなったと感じる。みんな何を生き急いでいるのか不思議だった子どもは、いつの間にか大人になってしまった。移動の時にも仕事のことを考えて、常に生産性や効率面を気にして、移動する楽しさを忘れていた。

もっと毎日を楽しもう。一瞬一瞬を面白がろう。そこには意味なんてないかもしれない。なんの価値もないかもしれない。でも童心に帰って、思い出すものに、大した意味なんていらない。

その心地に浸りたいだけなのだから。そのとき感じた感動を心に刻みたいだけなのだから。

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