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メディア報道から考える イスラエルとハマスの衝突

イスラエルとパレスチナのガザ地区を直接支配するイスラム組織ハマスとの間で5月10日に始まったロケット弾や空爆による攻撃の応酬は日を追うごとに更に激しさを増しています。
今や世界各地の紛争や衝突は、常にテレビやインターネットによってLIVE中継されその悲惨な現状を私達は、遠く離れた場所から四六時中目にすることができるようになりました。

今回のイスラエルとハマスの衝突の様子も実際に毎日テレビや動画配信サービスによって中継され画面越しに現地の様子を伺うことができます。
そこにはイスラエルとハマス、双方のメディア報道が大きく関わっています。
今回は簡潔に双方のメディア戦略について考えそこからこの問題について簡単に考えていこうと思います。

ハマスのメディア報道

メディアと聞いてまず思いつくのは5月15日にイスラエル軍によってガザ地区にあったアメリカのAP通信、中東のテレビ局アルジャジーラの支局が入ったビルが破壊されたニュースです。
イスラエル軍は、ハマスがビルで活動していたとしてビルの破壊を正当化しました。

これとは別にハマスはメディアをうまく使ってガザ地区の現状を伝えています。
今回の衝突では、イスラエルの激しい空爆や地上からの砲撃によるガザ地区の惨状を色んなメディアが伝えています。
そこには、ハマスの思惑が見え隠れします。

実際にガザ地区では20日現在で230人に達し、その中には多くの子どもや女性も含まれています。
メディア報道は、このイスラエルの無差別且つ圧倒的な火力の差で攻撃されているガザ地区の悲惨な現状を世界に伝えているのです。

メディアの報道の影響もあり、イスラエルによる空爆に対して国連の安全保障理事会では、多くの国がガザ地区で多くの死傷者が出ていることに対してイスラエル側を非難しました。
直接的ではないものの、パレスチナ寄りの立場を取る国も出てきています。
しかしながらイスラエル側はアメリカという大きな後ろ盾があるとして強硬な姿勢を未だに崩していないのが現状です。

イスラエルのメディア報道

一方のイスラエルは圧倒的な火力による攻撃でハマスの司令官を殺害したり、地下トンネルを爆撃したりとその力の差を見せつけています。

実際にイスラエルのメディアはイスラエル軍による攻撃の様子を中継していてガザ地区から飛んでくるハマスのロケット弾をイスラエルの防空システム「アイアンドーム」が迎撃している様子を流しています。
イスラエル国内では、イスラエル軍による攻撃に関する報道でハマスの司令官を殺害して、標的を叩いたというふうにアピールされています。

またユダヤ人が多く住んでいるアメリカ側も最初は、イスラエル軍による攻撃に対してある程度の理解を示しています。
事実、国連安全保障理事会でもアメリカによる反対姿勢で共同声明の発表には至っていません。
しかしながらアメリカ国内でもこの問題は大きく取り上げられ自体を重く見たアメリカのバイデン大統領はイスラエルのネタニヤフ首相と電話会見し、自体の沈静化を促しています。

今後の動き

ロイター通信によると20日に両者は停戦をめぐって原則では合意したが詳細についての交渉が続いていると報じました。
今回の衝突ではハマス側は、パレスチナを開放するという意思表示が伝わってきました。
反対にイスラエル側も敵であるハマスの拠点を叩き何年分も後戻りさせたとした大きな成果を主張しているように見えました。

しかしながら両者とも停戦に関して譲れない条件があるとして未だにはっきりとした停戦に向けての動きは見られません。

追記:現地時間21日午前2時に両者が停戦に合意

今回の衝突では、双方ともすでに多くの死傷者が出て毎日のように空襲警報を聞き、死と隣り合わせで生きている現地の人たちの現状を私達はメディアの報道を通して目にしています。
宗教問題、領土問題等色んなことが言われていますが今はただ一刻も早い停戦を遠くの力望むばかりです。

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