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光っていない宝石

「光っていない宝石」と聞き、あなたは何を思い浮かべるだろう。

「宝石が光らないわけないでしょ」「原石の間違いではないの?」など、多様な意見があると思う。

情報社会の現代、「宝石」として注目を浴びるのは、総じてアピールが上手な人ではないだろうか。そう考えると、光らない宝石は「魅力的だけれど、アピールが得意ではない人たち」が該当するといえる。

教員時代、私は学期末になると35人ほどの所見を書いていた。それぞれ個性があり、得意・不得意も違う。ただ、新人のころには「何を書けばいいの?」と、思わず筆が止まる児童が数人いたのも事実だ。

決してその子たちが悪いのではなく、担任である私がしっかりと見ていなかったからに過ぎない。「アピールしない=頑張っていない」わけではないからだ。

数年が経ちライターになった今、世の中にはこれらの児童のように、地道な努力を見過ごされている人たちが少なくないように思う。

アピールをしないから光っていないのではなく、まぎれもない宝石だ。もしかすると、自分が努力をしていることにすら、気付いていないかもしれない。

キラキラがもてはやされる状況に埋もれている人たちを見つけ出し、周囲を巻き込んで魅力に気付かせていく。そんなライターに、私はなりたい。

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