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#26「いまの自分」

さとゆみさんの連載「今日もコレカラ」を読み、感じたことを書く。引用リプじゃおさまりきらない、グルグル余韻の言語化トレーニング。

人生の個々のタイミングでは、二度と思い出したくないくらい苦しい記憶がいっぱいあるのに、人生全体としてはまるで不満がない。これって不思議だ。

もしも記憶を持ったまま人生2周目になったとして、思い出したくない苦しいことを全部避けたとしたら、人生全体は幸せになるのだろうか。それとも……?

人生をやり直すなら【さとゆみの今日もコレカラ/第216回】



Go!Go!7188の「こいのうた」が大好きだ。カラオケに行ったら、必ず歌うオハコ曲。

特に、サビ直前のこの一節

きっと、いまの私にはあなた以上はいないでしょう

Go!Go!7188の「こいのうた」


この一文で、10代の私は大好きだった彼氏(A)との別れを決意した。

Aとは別れてはやり直し、また別れるの繰り返し。今となってはくだらなすぎ、お花畑ピヨピヨの「ままごと恋愛」をしていた。

ただ、「恋は盲目」の言葉どおり、渦中には分からない。はたから見ればコントのようでも、本人はいたって真剣なのだ。

彼がいなければ。
彼には私が必要。

何度目のケンカだっただろう。やり直してもまた繰り返す、けれど離れられない。お互いを傷つけ、すり減らすだけの恋愛に疲れていく。

グッチャグチャの自分を抱え、泣きながら耳にしたこの曲。

「"いまの私"にはあなた以上はいない」

今までなんとも思わなかった歌詞にハッとする。「いまの私」に彼しかいないなら、自分を変えればいいんや。

気付いたら、こっちのもん。

「今度こそ、もう終わり。さようなら」

スパッと別れを切り出し、メールや着歴、写真、プレゼントなどなど、彼の思い出をかたっぱしから処分する。

苦しいけれど、それはいっときのこと。
人間って、忘れられるようにできているんよなぁ。


この「全消去立ち直り法」は、私流・別れの儀式となった。

✳︎

20年以上が経った今、人生をやり直したいか?と問われれば答えはNO。

父関連の苦い過去も、遊びまくって体育・音楽以外2だったことも、極貧の大学時代も、上司からのパワハラだって。

全てが、今の土台になっている。

もし人生をやり直し、嫌なことをかたっぱしから回避したらどうなるか。


多分やけど、同じような壁にぶち当たる気がする。


だって、その壁を回避したところで、根本の自分は変わっていない。タイミングや種類が変わるだけで、きっと似たようなことに悩むんちゃうかなぁ。

✳︎

つらいことが起きたときの対処法って、

「今、乗り越えるか」「先送りするか」の2パターンやと思っている。

早い・遅いの違いはあれど、いずれまた乗り越える時期が訪れる。ならば今、踏ん張って乗り越えてしまおうって考え。

それに、避けずに向かい合うと、うまくいかんくたって筋力が鍛えられる。鍛えた筋力は自分の武器となり、似たようなトラブルを笑い飛ばすタフさにつながる。


「いまの私にはあなた以上はいないでしょう」

この曲を聴いてへんかったら、あの恋愛ドロ沼ループに苦しみ続けたんやろうな。

とっとと別れてよかった!あのときの自分、完璧に病んどったわ。


あんなに燃えたぎった恋愛も、過ぎてみればこんなもん。調子いいときと悪いとき、デコとボコが組み合わさってええ感じに仕上がるんやろうなぁ。

いまの自分は、人生のほんの一部。過程にすぎない。
紆余曲折あったって、最後に笑えばいいんや。




▼6月4日の午前7時ごろまで読めます!こちらもぜひ♪





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