瞬間を捉える技と覚悟ートランプ前大統領暗殺未遂事件・4人のカメラマンの記録
例のトランプ前大統領の写真、カメラマンの動きを追ってみた。
AP通信 Evan Vucci氏 奇跡の一枚を捉えた
ニューヨーク・タイムスズ Doug Mills氏 銃弾の軌跡撮影
ワシントン・ポスト Jabin Botsford氏 スチルとともに動画撮影
Getty Images Anna Moneymaker氏 血を流して伏せている写真を撮影
これも新たに出できたカメラマンの動きがよくわかる動画。
混乱の中、星条旗を入れた構図を閃いたのはいつだったのか。他のカメラマンが被写体メインに追ったのに対し、Evan Vucci氏は瞬時に構図を決めて下から構えて撮っている。動画を見ると、トランプ前大統領は何度か拳を突き上げるが、手前のシークレットサービスが手薄になったシャッターチャンスはほんの一瞬だった。機材はSONY α9 III、1秒に120コマ撮れるそうだ。奇跡の1枚ではあるが、Vucci氏の勘と関係者に引っ張られてもびくともしない強靭な体があってこそのカットとなった。
銃弾の軌跡を撮ったDoug Mills氏はSNSをやっていないようで、New York Timesのインスタから。トランプ前大統領の頭を銃弾がかすめる写真を撮影したデータが出ていた。機材はSONY α1。1/8000秒というシャッタースピードが捉えた絵柄でもある。
このJabin Botsford氏の動画でテレビの映像とは異なる、どうやって追っていったかのカメラマン目線でみられる映像。カメラを持ちながらどうやって動画を?と思ったら、Ray-Ban Metaだそう。機材は不明だがBotsford氏もSONYを使っている(ストラップがSONY)。
このなかで唯一CanonユーザーのAnna Moneymaker氏で、唯一望遠で伏せたトランプ氏を抑えている。以下のCNNの記事では「演台の右手側に移動すると、警護官が全員(トランプ氏に)覆いかぶさっているのが見えた。警護官の脚の間からトランプ氏の顔が見え、容体を確認するために写真を撮った」と話している。
以上、トランプ前大統領の写真を撮ったカメラマンを追ってみました。最新機器にも対応しつつ、予測不可の、撮り直しがきかない、とんでもない緊張感のなかでの咄嗟の判断と行動。カメラマンの緻密な動きが奇跡の一瞬を生み、良くも悪くも利用されていくことも含め、写真の力を再認識しました。
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