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EP10やったもん勝ちなのよね

フランスから帰国後、バイトで稼いだあと少し働いたお店で、もうシェフでなきゃ嫌だなと強く思いました。

そこのシェフは普通に性格悪い人で、自分で料理作らないどころか人に考えさせて自分のスペシャリテですという人でした。おまけに今までお世話になったシェフに比べると技術も人間性も劣っていて、あまり尊敬できないと感じました。(世渡りとかセンスとかはすごいなーとは思いました。いい所ももちろんあります。)

同時に今までの自分の経験に自信も出てきてたし、料理を考える脳みそになってる実感も持てたので「おれ成長してるかも」と自称中級者にありがちな思考に陥っておりました。(自信は大事)

トップでやって自分の料理で試したい。そう決意したところ、昔の同僚に料理長探してるところを紹介されました。

代々木八幡のお店
当時はデリカフェっぽいお店でオシャレなお店ながらもカジュアル路線なお店でありました。


ここから僕の中に狂気を宿して働く日々が帰ってきます。決してプライド高い方ではないし、落ちこぼれの自負はあるものの、一日でも早くお店の評価を上げて予約取れない人気店にしたいと思い過ぎていました。それなりにやってきたお店に恥かかせられないと。

手始めに今までのメニューはやりたく無いので削除していきつつ、ランチに2000円のコース料理、プレートもフランス料理に変え、ディナーもフレンチ一本に変えました。この頃はお店は暇でしたが、スタッフもいないし、通し営業のお店だったので休憩も取らず、休みは試作にあてて、早くも若手時代並みの労働時間になっていました。しかし桜木がジャンプシュートの練習は文句がなかったように、自分の料理を作る毎日は充実感が確かにありました。出来ないことがこんなにあるのか、、勉強しなければと本を開く機会も猛烈に増えました。アウトプットこそ最高のインプットになるのを実感しました。

お客さんの数はさほど増えないながらも、常連さんなどには料理美味しくなったと言っていただく事も多く(前任者のお陰様でいいギャップ効果が)評判は上々。。

立地や内装はいいお店だったので、やはり料理良くなれば人気店になるだろうとひしひしと感じていました。

フレンチに変えたといえど、お店としていきなり通し営業の形態は変えられないので(売上も厳しい)カフェスイーツも、何か美味しいものに変えてくれと言われていたのですが、僕はデザート経験があまりなく、ひたすらプリン、ブリュレ、タルトなど、よくあるビストロデザートぐらいで、あとは本見て賄いで作る程度でした。

ちょうどパリにいるときパティスリー巡りをしていて、衝撃的に美味しいミルフィーユを食べていて、印象深く、ミルフィーユでもやるかと安易に決めました。

この決断が僕の人生にここまで大きな影響を与えるとは夢にも思っていませんでした、、、、!!!

後の神ルフィーユの誕生です。





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