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EP7終わりなき旅

ミスチルです。当時ガラケーの音質でエンドレスリピートしてなんとか徹夜を乗り切っておりました。


4年程おっかなびっくりシェフのもとで働き、それなりに仕事も覚えてきて、頭も鍛えられて、青あざも増え、恐怖感も麻痺し、仕事が終わらないことは重罪であると刷り込まれ、シェフが法律だ!という某国の兵隊のような片寄った料理戦士になり、アホみたいなどやされも減ってきてますし、シェフはいろんなクリエイティブな料理を次々やるタイプではなく、毎年大体同じ料理を繰り返してブラッシュアップさせるタイプなので(こだわりは強い)若い僕は、やはり色々なことを学びたいと思っていました。隣の芝生は青いというやつ、、

亡命したい!!!!

そんな気持ちが強まりつつ、辞めたいと言える勇気もなく、悶々とした時間を過ごしていたところ、研修先のシェフから話たいから来れる?と、

仕事後訪ね、スターのオーラにその場でやりますと返答。握手して別れます。

次の日、シェフのもとを尋ね

僕「お話が、、、実は〇〇さんから誘って頂いて、チャンスだなと思っているので、そちらで働きたいと思っています。」

シェフ「そうだよな、、いつから来いって言われてるの?」

あれ?胸ぐら掴まれて、髭男crybabyの歌い出しみたいなことは覚悟してたんですが、

僕「いえ、それはお店の都合優先してと言っていただいています。」

シェフ「わかった。時期はちょっと待ってね。」

おろ〜??

剣心ばりの拍子抜け

シェフ「まぁ、料理人は3年ぐらいで動いた方が成長できると思うし、俺もそうやって動いてきてるからね。やること違いすぎて大変だろうけど頑張れよ。」

僕「ありがとうございます!」

ぐっときました。感動です。ギャップ萌えです。不良がちょっと掃除頑張ったら褒められるやつです。(真面目に生きてるやつ損やん!と思いジェラって納得できない派)

そんなこんなでデラックスハッピーターン並みの濃い日々はひとまず終わりを迎えることになりました。
(書ききれないサブエピソードはスピンオフシリーズとしていつか語れれば)


しかし、餞別がわりのシェフの、よしいっちょシメたろか的な集中砲火が2ヶ月近く続くことは読者の方は想像に容易いかと、、

しばらく経ち、、、

僕は念願のお店で働き始めて、夢と希望に満ちておりました。

しかしひと月も立たないうちにかなりのネガティブモード発動しておりました(早くね??)

忘れておりました、僕は基本ダメ人間で不器用なノーセンス、モチベーション低いタイプだということを。

当時の僕のマインドって、対使徒シェフ専用決戦兵器人造人間〜って感じで、シェフの下で働くにはもってこいなんですが、不器用で応用きくタイプで無かったし、モデルチェンジするのにえらい苦労するハメになるんですよね、、しかもシェフは仕事できるから几帳面で、行動も読みやすかったのでそういう意味ではやり易いタイプなのかも知れませんでした。

使徒シェフがどう動くか、何が欲しいか、何提案されたいか、そういう事だけ考えていたので、自分が作った料理がお客様にどう評価されてるとかどうでも良かったです。(そんな事より己の命が大事)

新しいシェフは料理も、人間性も、教育的な考えも真逆でした。(故に憧れた面もあり)

基本技術的なことは教えない、スタッフとプライベートな話しない、ミスしても怒らない、自分に関係ないことは無法地帯でもさほど文句も言わない。

クールな感じです。出来ないやつは知らない、できるやつだけついてくればいいという実力主義です。

命令通り動くやつなんてここでは空気です。なんだったら話しかけてもらえません。

ようやく気付くのですが、レストランの正義なんてシェフやオーナーが変わればガラッと変わります。異国に来たぐらい変わりました。今までの常識は全くつようしませんでした。

おまけにスタッフ同士がまぁ仲悪いというか、小物政治家の足の引っ張り合いのような助け合いの無さ、若い生意気な奴が古株で手をつけられない感じに調子乗ってました(シェフ以外舐めてる、タメ口)

シェフはすごい人なのに、スタッフに対して礼儀とか、人間教育を全くしないし、仕事中冷たい人だなという印象でした。(使徒シェフは年上にタメ口なんてきいたら顔にグーで振り抜きます)

ビストロ癖が染み付いていて、お任せコースのみで高級レストラン(リピーターは料理変わる)なんて動き方や」営業の流れが違いすぎてオロオロしてるぐらいで、完全にお荷物です。

それなりに期待されてるから誘ってもらえたのにとメンタルも落ちていき、負のスパイラル。

前店とは種類の違うプレッシャーを感じておりました。二年目のジンクス的な。。

逃げちゃダメだ、、、シンジ君ばりの言い聞かせをして耐えていきます。

4年の奴隷生活はカイジが利根川に鉄板土下座させるぐらいの根性がなんとか備わっていました。(奴隷は王を倒せる)

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