EP1.好きだから料理を続けてる訳でない

「何で料理人になろうと思ったんですか?」

ミルフィーユメイト(テイクアウトなどのボランティア団体名称)からよく質問されるのですが、そんな大層な理由はありません、、他に出来ることがないんです。

よくある、両親も飲食とか、地方で新鮮な野菜や海の幸に触れていて舌が鋭いとか、料理の鉄人を見てコック帽に憧れてとか、語れるストーリーはございません。

グロースパッション(成長する情熱)という言葉がしっくりくる気がしてます。 

実家はそんな裕福な家庭でもなくて、共働きの両親と、グレ気味な兄貴の4人家族で鍵っ子、母親はそんな料理上手というほどでも無いし(シャケとか焼きすぎでパサパサ、ハンバーグもイマイチ)、外食はファミレス、マック、町中華ぐらい。インスタント食品、スナック菓子まみれで野菜も食べない、そら太るわなーというデブな子でした。(ファミリーサイズのポテチを晩ご飯前に完食、その後カレー3杯とかジャンクで栄養の偏りの激しい食育でした。当時はそれが普通だと疑ってなかった、、

そんなフードファイターな少年は、「自分で料理したほうが安くドカ食い出来んじゃね?」というひろゆき的な感じで、小学校高学年の頃には自分でチャーハン作ったり、千切り出来たり、家庭科の調理実習で注目されるぐらいのスキルが何故かついてました。。そのあたり少し変わった子だったかな?

中学は何となくデブでも出来そうな卓球部に、割とハマって、市大会勝ち抜いて県大会進むぐらい。映画ピンポンブームもこの頃。

将来とか何も考えて無いまま高校に進学したものの、勉強する理由もないし、大学行く経済状況でもない、とか考えてたらモチベーションも上がらず、サボりがちなまま、バイトとパワプロに勤しむ見事なダメ人間になってました。(ほぼニート)

高校卒業後は一年フリーター、このままだと人生やばいな、、、と思っていたときに、ランチの女王(洋食屋さんの物語)というドラマの再放送を見て「料理は得意だし、これか、、、」と安易に思い、専門学校に一浪入学(山田孝之のように見習いで働く根性は無い)

やはり興味の有る分野だったせいか、専門はサボらず皆勤、この辺りは流石B型

気の合う仲間も出来たし、初彼女も出来て楽しい学生生活でした(1週間でフラれる)

そんな超絶意識低い系の僕は、何となくフレンチを選び、大手高級飲食グループ企業に就職します。もちろん3ヶ月で辞めます。

体育会系のノリが全く馴染めず、あっさり辞めます。(辛いとかでなく、まだやる気スイッチが入って無いから忍耐力が皆無だった)

飲食、特に厳しい下積みが必要な高単価なお店は体力、精神力、しっかりした目標などないとまず辛くて辞めてしまいます。


当時を振り返ると、フレンチに対して思い入れも無い、高級なレストランなんてまず行かない。独立したいとか、有名シェフになりたいも無い。自分で食べにも行かない。「やべえ、何でこんな事してんだろ。」とか思ってました。

その後再就職して、一人暮らしも始めたものの、そのお店がすぐにまさかの倒産(俺もう終わりかなモード)

しかし家賃も払わないといけないので、そのシェフが紹介してくれた会社にしがみつくように働き始めます。

銀座を中心にビストロを展開している会社で、高級フレンチでもなくナメてました。(理由もなく、高級フレンチに固執してた)

池袋サンシャイン、100席近いレストランの新店オープニングスタッフでした。ここで出逢うシェフが僕の人生を変えてくれました。

めちゃめちゃ怖ええええ!!!

いや、それまでのシェフがピッコロ大魔王ぐらいだとしたら、そのシェフは第10の使徒ゼルエルぐらいぶっ飛んで怖いんす。絶望感でいっぱいいっぱいです。

おかげさまで上司に対する恐怖心のネジは消滅しました。



次回予告


使徒襲来

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