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EP2.怖すぎると逃げられない

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ゼルエルばりの圧倒的恐怖感の有る最強シェフとの出会いはヘタレな僕にはある種ショック療法になったのかもしれません。そんな厳しく無いシェフであったら間違いなくここで料理は辞めてたと思います。

まだ2010年、ガラケー全盛期でsnsもmixiとかしか無かったですから、人類に逃げ場なしでした。商業施設の立ち上げなもので、右も左もわからん僕は毎日ビクビクしておりました。エピソードトークのネタは話しきれないほどございます。

初日8時に来いと言われて、シェフが鍵を管理してるものの気を使って07時50分には扉に着くんですが既にシェフはキッチンに、、、

僕「おはようございます」

シェフ「下っ端がシェフより遅く来るとかありえないからな」

いきなりメンチ切られました。


うそっ!指定時刻10分前やん!怖!顔近っ!

いじめられっ子属性の僕はガクブルです。

今思えば初日からシメておこうとか考えてかもしれません。

次の日から07時00分には着いておいて、扉の前でシェフを待つと言う、ビートたけしを待つたけし軍団の如くの日々が続きます。(鍵くれよ)若い頃はスタミナ無いですが、早起きは出来るタイプでした、幸か不幸か。

ちなみにシェフは極道寄りのヤンキー気質、4回戦ボーイぐらいには勝ちそう、礼儀と情に熱い、隙間時間で筋トレ、都合悪い事は忘れる。怒ると二言目には外でろよと言う(ここ59階)

と言う想像しやすい昭和の男です(尊敬と感謝はあります)


しかも環境悪いことに、周りは中途採用の30代付近の、そんな仕事できないと後に評価される人に囲まれてるもので(10人程いた中途採用組は半年足らずで綺麗に全滅)、日々の怒りと、まわりへのアピールプロパガンダとして集中放火を喰らうことになるのですが、当時はテンパってて気付けませんでした。

そんな日々もしばらくして、、毎日無駄に朝待ち続けたかいもあり鍵を分け与えられ、集中放火をくらい、嫌な先輩からも雑用を頼まれるもので、仕事出来ない僕は毎日始発に間に合うよう目覚ましセットする毎日になりました。

ある時シェフに、立ちながら寝てる僕を見て「お前何時に来てんだ?」と、、

僕「7時ぐらいです、、」

シェフ「若いときは早いのはしょうがないけどちゃんと寝ろよ」

普段やられ過ぎて感情おかしくなってる僕は泣きそうです。

しかしそれでも下っ端キャパオーバー200%を超えたあたりで、ヒートUPしたシェフはボディを決めて言います。

「間に合わないなら始発で来てやれよ!」

すいませんすでに始発です。

この頃から僕のメンタルは阪神タイガースの藤浪ばりのイップスに落ちていき

明日辞めるって言おう、今日バックれようしか考えられずに居ました。しかし既に脱落してる人を多数見てると、情に熱いシェフは、ちゃんと家まで説得に行くことを見ていて、「バックれて、家のチャイム鳴ってシェフ居たら泡ふくな」と恐怖に震えました。

そんなメンタルだとミスも増え、さらに当たりもキツくなり(コンプライアンス的に書けない感じ)顔も死に、元気も無くなり、体重も10キロ以上減り良いダイエットになってました。

しかし圧倒的な恐怖は人を突き動かします

この頃からチャリ通勤圏内に引っ越した甲斐あり、たびたび徹夜、シャワー浴びて2時出勤と正式に寝ない日々が続きますが、どんどん先輩が辞め、仕事量が増え、相変わらず仕事量はパンクしてます。

シェフ「間に合わないなら寝ないでやれよ!」

すいません既に寝てません。

もう怒られながら寝れそうです。

もはや恐怖を超えて怒りが湧いてきました。

少しずつですが僕の意識が変わってきてました。



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