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結局のところ1番の人格形成は兄だろう。

ついに書く。兄のことを。優しくて人思いな兄のことを。

僕は産まれてから小学校に入るまで、体が弱かった。重い喘息持ちで、家よりも病院に入院していることの方が多かったらしい。
3歳の時には、自宅で発作を起こし、呼吸が止まり、救急車で運ばれた。
「意識不明」の重体でしばらく生死を彷徨った。
その後遺症として、脳に障害が残る。と言われた。

結果、僕は記憶力や学習能力が他より低く、幼稚園の頃は頭が空っぽで、よくいじめられていた。
自分で何かを考えることも出来ずに、意思表示も苦手だった。どうしたらいいのか分からずに、僕は生きる指針を探していたのかもしれない。
そんな時に僕の生きる指針になってくれたのが兄でした。
4歳年上の兄は明るくヤンチャで学校の人気者。友達もいっぱいいて羨ましかった。

しばらくは兄の辿ったレールを全くそのまま辿ってみました。
小学校入学前に、兄と同じ珠算塾に通い始めました。
小学校に上がると、学校の劇で主役に立候補してみました。
兄の聞いている音楽を学校で話してみました。4歳上が聞いている音楽って、最先端なんですよね。僕はクラスで最先端をいく男になりました。
兄の影響で野球を始めました。
冬場は体力作りの為にミニバスを始めました。
児童会長をやりました。
少年消防隊の隊長をやりました。

全て兄と全く同じことをやってきました。
障害の影響で考える力が乏しかった僕は、
決まったレールの上であれば、それに没頭する能力は兄より高かった。
まるで「フォレスト・ガンプ」のように野球やミニバスに没頭し、運動能力は兄より高くなった。
しかし、カードゲームや頭脳を使う遊びでは、兄に一度も勝てたことがない。
「頭脳の兄、身体能力の弟」僕たち兄弟を知る人からはそう呼ばれることが多かった。

中学に入り、兄と同じ野球部に入部した。
先輩は怖かったが、兄の影響で数回しか呼出しは食らわなかった。
中学の野球で好成績を残したので、高校進学は悩んだが、兄の強い薦めがあり、兄と同じ公立高校に入学した。

兄はいつも試合を見に来てくれて、アドバイスをくれた。「肩に力入ってるぞ。」「バッターボックス少し後ろ目に立て。」「ストレート中心だな。初級ストレート狙おう。」
頭脳の兄が軍師となり、僕を操作する。
まるで戸愚呂兄弟のようなコンビネーションだった。

高校を卒業して社会人になっても、飲み屋で会う人はだいたい兄の知り合いだった。
幸い、兄よりルックスが良かったので、兄と比較され非常にチヤホヤされた。

そうしてたくさんの人に出会ったきっかけで、僕は尊敬する人がたくさんできた。さして自ら考えられるようになってきた。
そこでようやく兄離れし、兄のやらない道にも色々挑戦することができるようになった。

そこからは逆に僕は自由になりすぎて、いろんな道を進む。昔は一つのことをブレずに進むだけだから、むしろ簡単だったのが、好奇心がありすぎて、素直すぎて、ブレブレになったりしていた。
それでも兄は話を聞いて、応援してくれた。

なんだろう?この内容からも分かる通り、兄の話を書くと、僕が主役で兄がどうしても引き立て役になってしまう。
それもそのはずだ。兄はいつも僕を引き立てて、自分は目立たないようにする人だ。
「勇真が陽なら俺は陰。お前を引き立てる為に俺は頭を使うよ。」
そういう人なのだ。野球の時も社会人になってからも、兄はそうやって、ずっと引き立ててくれたのだ。

弟思いでホントに優しい兄です。そして人思いで、彼が人から好かれる理由は、自分よりも大切な人を引き立てることを常に考えているからだと思います。
多分兄と飲んで気持ちの良い思いをした人は少なくないと思います。

だからこそ人気者で多方面から誘われる。人思いだから断れない。お願い事も断れない。
そんな状況が続き、一回落ちましたが、本当に偽善ではない真実の優しさを持っている人です。

弟が活躍しているのを見るのが何より好きで、大切な人が楽しそうにしていることが何より好きな、自分の幸せよりも、大切な人の幸せを本気で思える素敵な人です。

こんな素敵な人の弟で本当に良かった。
自慢の兄です。

PS...弟より一言。「もうあなたが人思いでいい奴なのは誰もが知っています。そろそろ自分の幸せ願ってもいいのだよ!」

<兄を尊敬して得たこと>
いやぁ、もうあり過ぎて
・珠算
・目立つ
・友達の作り方
・野球
・宿題のごまかし方
・ミニバス
・世の中の渡り方
・人の為に
・優しさ

<なぜ兄がカリスマなのか?>
まぁ彼の場合はカリスマ?というよりも誰からも好かれる天才だと思います。嫌いな人っていないんじゃないかな?人思いで優しい。
どこからでも飲み会に呼ばれますね。
そして世の中の渡り方を知っていますね。
要領がいい。
そして頭がいいんだよな。麻雀やゲームごとは僕は一度も勝ったことがないし、お医者さんや弁護士さん、BARのマスター等、すごいメンバーが何十人も登録している麻雀のリーグで優勝した事も何度もあるくらい、彼の頭脳は天才なんですよね。
いまだに何か相談すると、解決策をスパーってキレイに出してくれますね。