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2021年広島のドラフトを振り返る

先日行われた2021年ドラフト会議で、広島は支配下7名、育成4名の計11名の選手を指名しました。

隅田知一郎、山下輝と連続して即戦力左腕を狙いましたが、くじ引きであえなく敗れ、黒原拓未を1位で指名。
その後も支配下では大社の選手を中心に指名を続け、育成では支配下指名のなかった高卒投手2名、ナックルボーラーという変わり種など素材型選手を指名する形になりました。

投手においては、3連覇に大きく貢献した投手の不振で一軍で使える駒が不足したいたのを補う形の指名で、野手においては右打ちの社会人野手2名を獲得し明確に鈴木誠也の穴を意識させるような指名と、未来志向というよりは現チームの穴を継ぎ接ぎする形で、小園海斗や坂倉将吾を中心としたチーム作りを本格的に進めていく上で地固めをしたような印象です。

そんな2021年ドラフトについて、以下にて球団の指名の意図や補強ポイントとの合致具合、加えて指名選手がどのような選手なのかについてまとめていこうと思います。

補強ポイント整理

今ドラフトの大まかなポイントについては、THE DIGESTさんに寄稿させて頂いた下記記事の通りとなります。

改めて記しておくと、
・鈴木誠也の後釜となる右の長距離砲獲得
・即戦力投手獲得による投手陣の拡充

の昨年と大きく変わらない2点が今年もポイントとなりそうです。

まず「鈴木誠也の後釜となる右の長距離砲獲得」についてですが、今オフにも鈴木誠也がMLBに挑戦する可能性があること、加えてチーム内に右の強打者がいないことを踏まえると、早急に対処したいポイントとなります。

候補としては、正木智也、有薗直輝、鵜飼航丞らの名前が挙げられますが、パワー&スピードが伝統的なチームカラーであることや、走攻守全てで貢献度の高い誠也の後釜と考えたなら、ブライト健太、吉野創士といった走力も兼ね備える選手の方がフィットしやすいのではないかと思います。
ただかつての江藤智のようにどっしりと打線の軸に座り、いわゆる主砲の役割を期待するなら、正木や有薗を優先すべきでしょう。
ここについては、鈴木誠也の後釜として見るのか、不足する右の長距離砲候補の補充として見るのか、という点で獲得選手も変わってくる部分です。

続いて「即戦力投手獲得による投手陣の拡充」も昨年に引き続き必要事項になると考えます。

昨年ドラフト上位で獲得した栗林良吏、森浦大輔、大道温貴は一軍戦力として機能しましたが、投手WARで見るとリーグ最下位と相対的な立ち位置は決して向上したわけではありません
野村祐輔、中崎翔太、今村猛らが一軍戦力となれず、外国人投手も機能しなかったことで、まだ体の出来ていない20歳の玉村昇悟が一軍ローテに定着せざるを得ないような、層の薄さを今年も露呈してしまいました。
と考えると、今年も即一軍で稼働出来そうな投手を獲得することで、層の厚みを出すとともに若手の育成猶予を作る必要があるでしょう。

狙い目としては、今年豊作でチームに絶対数の少ない大社左腕、中でも2位以降で狙えそうな黒原拓未、桐敷拓馬、森翔平あたりになりそうです。
先発の柱である大瀬良大地と九里亜蓮がFA権を取得したことを考えると、先発を担えそうな投手の確保は必須と言えるでしょう。

その他では、二軍に若手有望株が小林樹斗くらいしかいない現状を考えると、投手としてはまとまりがあり肉付けが課題の育成対象投手の確保、本職ではない選手が代わる代わるCFに入ってることを考えると、CFを本職とする人材の確保もポイントになりそうです。

1位:黒原拓未 投手 L/L 関西学院大学

黒原拓未2

指名意図:絶対数の少ない左腕、かつ即戦力先発候補の確保

選手紹介:真っスラ気味のストレート、横滑りのカット、抜けの良いチェンジアップが武器の先発リリーフ両睨み出来る左腕

ホップ気味や真っスラ気味に入ってくる140㎞前半~中盤のストレート、少し球速帯を落として横滑りするカットボール、120㎞前半のスラーブ軌道のスライダー、120㎞中盤くらいの抜けの良いチェンジアップがマネーピッチになりそうな、即戦力として期待の左腕投手です。
ストレートは右打者に食い込んでくる軌道で、カットボールも力強く外から入れることもでき、かつ逃げるチェンジアップがある右打者には強そうな球質を持っています。
さらに左打者にはスライダーがあるので、必要な球種レパートリーは備わっていると言えそうです。

ただ気になる点を挙げると、プロで通用するかを測る上で重要な指標となる大学通算四死球率が3.93と高めで、映像を見ても逆球が多く制球は基本的に荒れ模様なところです。
プロのゾーンに適応出来ないと、完全に力で押し切れるほどの球威もなさそうなので苦しくなりそうです。
またスライダーに精度にバラつきがあるように見受けられ、ここが安定しないと球質的に左打者を苦にする可能性もあるため、ブラッシュアップは必要かと思います。

以上を踏まえてルーキーイヤーの期待値としては、左右は違えど投手としての性質は近いことから、先発ならWAR2.2を記録した岡田明丈のルーキーイヤーを少し落としたくらいの活躍が見せられれば十分ではないでしょうか。
いきなり先発ローテをバンバン回れとは言いませんが、その枠を争いながらある程度イニングを消化してもらいたいところです。

2位:森翔平 投手 L/L 三菱重工West

森翔平

指名意図:絶対数の少ない左腕、かつ即戦力先発候補の確保

選手紹介:両サイドに投げ切るコマンドと一通りの球種レパートリーを持ち合わせる、先発リリーフ両睨み出来る左腕

質の良さそうなきれいな140㎞前半~中盤のストレート、130㎞中盤~後半のカットボール、110㎞台の縦変化の大きいカーブ、チェンジアップをレパートリーに持つ、こちらも即戦力として期待の高い左腕です。
黒原同様にひとしきりの球種レパートリーは持っており、それを両サイドにしっかりコマンドして投げ込めるため、黒原よりは計算しやすいタイプではないでしょうか。

課題としては、マネーピッチとなる球種が何なのかが分かりづらいところです。
140㎞中盤を連発するストレートの質は悪くなさそうですが、割と簡単に合わされるケースが散見され、多めに使うカーブも決して空振りを多く誘えるボールではありません。
動画を見る限りだとカットボールは左右ともに精度よく決められてそうなので、このボールが一番の軸となるでしょうか。
いずれにせよ決め球に苦労するというシーンが、プロでは多くなるかもしれません。

こちらもルーキーイヤーの期待値としては、左右異なりますが先発とリリーフの両輪で一定の活躍を見せた大道温貴くらいの成績を残せれば十分ではないかと思います。
まとまりはあるだけに既に一定の成績を期待できるはずなので、プロ入り後に決め球に出来る球種を習得出来れば、継続的な一軍戦力として働いてくれることでしょう。

3位:中村健人 外野手 R/R トヨタ自動車

中村健人

指名意図:チームに数少ない右の外野手の補充、かつ鈴木誠也流出対策としての厚み出し

選手紹介:パンチ力とCFをこなせる身体能力が持ち味の即戦力候補

トヨタの4番CFを務め、打撃面では長打力が一番のウリで、足と肩も持ち合わせる即戦力候補の右打者です。

動画を見る限りはかなりのプルヒッターという印象で、コース関係なく巻き込んで引っ張り込んできます。
スイング的にはあまりインサイドの速球を捌けなさそうな形で、プロレベルの外に曲げるボールや落ちるボールにはバットが止まらず三振は増えそうなタイプのように見えます。
タイプとしては、現楽天の下水流昴、正隨優弥に似ていると言えそうです。
コンタクト率の低さをいかに長打力で補っていけるかが、成績を残すカギとなるのではないでしょうか。

チームに本職CFが少なく、かつ右打者となると中村奨成くらいしかライバルがいなさそうなので、おそらくルーキーイヤーからチャンスは訪れるはずです。
鈴木誠也の穴を埋める存在と成り得るかと考えると厳しいですが、実力値的にも近い奨成や正隨のケツ叩きには十分成り得ると思うので、彼らと切磋琢磨して自分の居場所を作ってほしいと思います。

4位:田村俊介 外野手 L/L 愛工大名電

田村俊介

指名意図:左右にこだわらない、高い能力を持った野手プロスペクト

選手紹介:将来的には3割20本も期待できる、既にプロの雰囲気を纏った中距離打者

長打力とミート力を併せ持つ今年の高校生の中では屈指の左打者です。
左投ということで守れるポジションは限られますが、それを差し引いても欲しいと思わせるだけの好素材で、右打者が狙いだった今ドラフトで獲得出来たのは嬉しい誤算と言えるでしょう。

打撃フォームには変な癖がなく、少しヘッドが入り過ぎる分インコースのストレートにはやや詰まりますが、その分ヘッドスピードはあり、手伸びゾーンに来ると甲子園の浜風を物ともせずスタンドまで運べる力を持っています。
低めの変化球への対応がどんなものかは測りかねますが、それ以外の点で大きな問題はないように見えます。
緩急をつけるような変化球にも崩されることなく対応出来ていますし、プロのスピード感に慣れれば、すぐ結果を残しても何の驚きもありません。

将来性と確実に出てきそうな雰囲気は、今ドラフトで獲得した選手の中では間違いなくNo.1です。
まずまず走力もあって、投手も務めていたことから地肩も強そうなので、外野手としてまずは経験を積んで、かつて首位打者を獲得した同じ左投左打の嶋重宜のようになってもらいたい選手です。

5位:松本竜也 投手 R/R ホンダ鈴鹿

松本竜也

指名意図:即戦力投手候補の確保

選手紹介:ノビのあるストレートが武器の即戦力リリーフ候補

今年の大卒選手と同じ年齢で、昨年指名漏れを経験も今年松本スカウトによると更なる成長を遂げたとのことで、プロ入りまでこぎ着けました。
社会人でのセンターからの映像がないため、高校時代の映像から推察すると、ストレートは空振りの取れるホップ型のようで、縦のスライダーやフォークも空振りを誘えるボールとして持っています。
その他にもチェンジアップ、カーブ、カットボールを社会人に入って習得してるようで、投球の幅は着実に広がっているようです。

こちらのラプソードで計測したトラッキングデータによると、今現在は平均球速が144㎞で、球速の割に回転数が多くきれいにホップするタイプのストレートを投げ込んでいるようです。
それほど球速があるわけではありませんが質は悪くないと言えそうで、活躍するには高校時代に決め球としていた縦のスライダーやフォークに、新たにレパートリーに加えた各球種を、どれほどの球質や精度をもって投げられるかというところがカギになりそうです。

現時点での完成度が不明なため何とも言えない部分が大きいですが、今年の公式戦のスタッツを見ると投球回以上の三振を取れて、四死球率は良くはないですが破綻しているというほどでもありません。
変化球の精度次第で即戦力リリーフになれるのか、はたまた二軍で多少なりとも育成が必要になるのか変わってくるのではないでしょうか。

6位:末包昇大 外野手 R/R 大阪ガス

末包昇大

指名意図:チームに数少ない右の外野手の補充、かつ鈴木誠也流出対策としての厚み出し

選手紹介:体格通りのパワーに加え、意外と動ける機敏さも持つNEXT杉本裕太郎候補

既にプロ解禁済みで来年26歳を迎える、ドラフトにかかる選手としては高齢ですが、大きな体格から繰り出される打球は非常に速く、思いのほか柔らかさも兼ね備えている打者です。
基本RFみたいですが、体格に似合わずCFもこなせる俊敏さも持っているようで、今年覚醒を遂げたオリックスの杉本裕太郎の姿が重なる大型選手と言えましょう。

肩甲骨あたりをリラックスさせながら構えて、スッとトップまでバットを運び、鈴木誠也を意識してるような余計な動作が少ない印象のフォームです。
動画を見る感じでは、あまり打球に角度が付かないような印象ですが、コースに逆らわず広角に打ち分けられるところや、外の変化球を拾える柔らかさを見ると、体格通りの長距離打者というよりは勝負所で打点を稼いでくれそうな中距離打者という印象を受けます。
杉本がそうであるように角度を付けるコツを掴めば、打球速度は間違いないので、一気に長距離打者になりそうな雰囲気も持っています。

家庭を既に持っているとのことで、入団についてはまだ何とも言えない状況ですが、個人的には3位指名の中村健人より面白い素材ではないかと感じています。
化ければ鈴木誠也の穴を埋める存在にも成り得るという点では、非常に楽しみな存在ですし、是非とも入団してほしい選手です。

7位:高木翔斗 捕手 R/R 県岐阜商

高木翔斗

指名意図:相次ぐ捕手のコンバート構想で不足がちな捕手の補充

選手紹介:長打力が魅力のハイポテンシャルな打者

186㎝88㎏と非常に恵まれた体格で、夏の岐阜大会で3本塁打を放った長打力が何よりの魅力の打者です。
ポジションは捕手ですが、スカウト評を見ると捕手としてというより打者としての評価が高い選手のように窺えます。

この夏常にノーステップに近い形のフォームになってるのは気になりますが、それでもスタンドまで運ぶパワーを持っており、基本ボールの下にバットを入れられてるのは好印象です。
ただトップに入るまで少し時間のかかるフォームなため、プロレベルの速球に今のままで対応できるかという点には少々疑問が残ります。

守備面では、低め捕球の際にミットが垂れており、フレーミングが上手いとは言えなさそうです。
スローイングは地肩の強さは感じませんが、精度自体はまずまずで、ブロッキングも後ろには逸らしませんが、ボールがミットの中に収まらない分暴投になるケースも見られます。
捕手としての守備力は、まだまだ課題ありと言えそうです。

捕手としての守備力というよりも打力の高さが目に付く選手なので、こちらも前年指名の二俣翔一とともにコンバートの可能性も十分あるのではないかと思います。
その他にも持丸泰輝もいますし、チーム内にライバルが非常に多い中でのスタートですが、打力という強みを伸ばしていってもらいたいところです。

育成1位:新家颯 投手 L/L 田辺高

新家颯

指名意図:チームに少ない育成対象投手の補充

選手紹介:縦割れのスライダーが持ち味の素材型左腕

183㎝の長身から繰り出されるストレートと縦に割れてくるスライダーが武器となる投手です。
詳細なデータが中々見つかりませんが、夏の大会初戦敗退ながら9回12奪三振の好投を見せたようです。

映像を見る限りでは制球面で大きく荒れる様子もなく、制球力はそれほど低くないように見えます。
最速142㎞のストレートはあまり空振りを取れるような球質に見えませんが、縦割れのスライダーは変化量が大きく最も軸となるボールのようです。

左腕ながらある程度まとまりはあるタイプのように見受けられ、育成対象としてはうってつけの素材かと思います。
広島の高卒育成投手で支配下昇格を勝ち取ったのは、辻空と藤井黎來の2名のみと狭き門ですが、まだまだ細身のためしっかり肉付けしていけば化ける余地はあるのではないでしょうか。

育成2位:前川誠太 内野手 R/R 敦賀気比

前川誠太

指名意図:不足気味の右打ち内野手の補充

選手紹介:守備力とコンタクト力が光るSS候補

178㎝と身体のサイズがある割に身のこなしは軽快で、三遊間の深めの位置からノーバウンドで一塁に放れる強いスローイングが光るSS候補の選手です。
打撃面でもあまり長打のにおいはしませんが、公式戦で喫した三振僅か1という高いコンタクト力を持っており、どの大会でも常に4割近いアベレージを残していたようです。

打撃フォームはこれまた大きな癖はなく、外の変化球も何とか拾えるような対応力も持っているようです。
打球性質はゴロやライナーが多く、簡単に三振を喫しないコンタクト力を備えているとなると、長打をバンバン打つというより高打率を残していくタイプの打者なのでしょう。

打撃も悪くないですがどちらかというと守備型の選手かなという印象で、おそらくSS以外のポジションも守ることになると思います。
長打がそんなに出るタイプではない以上、守備面でまずは高い貢献度を目指してほしいところです。
SSには小園海斗がおり、同じような守備型SSとして矢野雅哉が既にいますが、彼らの尻を叩くような活躍を期待したいと思います。

育成3位:中村来生 投手 R/L 高岡第一

中村来生

指名意図:チームに少ない育成対象投手の補充

選手紹介:身体が出来てくれば面白い190㎝の大型投手

190㎝の長身から繰り出すストレートが武器の素材型投手です。
夏の富山県大会の成績も投球回以上の三振を奪えていますが、被安打や失点が非常に多く、文字通り素材を獲得したという印象です。

映像では変化球はスライダーのみ確認できましたが、カーブのような軌道でプロレベルだと通用するかは非常に怪しいボールです。
そのスライダーは割と捕手の構えたコースにコントロール出来ていますが、ストレートはばらけるシーンが目立ち、制球力もまだまだ改善の余地がありそうです。

MAXも140㎞とここ最近ドラフトにかかる高校生としては速くはないですが、一番の魅力は190㎝という長身と、肉体的キャパシティーの大きさでしょう。
兎にも角にもビルドアップしてからが勝負の選手だと思いますので、まずはしっかり体作りに励んでもらいたいと思います。

育成4位:坂田怜 投手 R/R 中部学院大

坂田怜

指名意図:一芸を持った投手の獲得

選手紹介:病を乗り越えたナックルボーラー

投球映像が全くないので何とも評価しようがないですが、「バルサルバ洞動脈瘤破裂」という病の手術によってMAX143㎞だったストレートが130㎞前後まで落ちたらしく、3年の冬にナックルボールの練習を始めたようです。
現在は無回転で投げられるコツを掴んだらしく、練習試合には既に登板して結果も残しているとのことです。

一芸を持った選手の獲得というのは、育成枠の使い方として非常に良いと思います。
ただ今年まで育成選手として在籍していた佐々木健も同じくナックルボールに挑戦していましたが、思うような結果を出すことが出来なかったのは気になるところです。
過去にナックルボーラーとして成功した日本人投手はおらず、ノウハウも特にないことから、成功するのは中々困難な道かと思います。

一度病気を乗り越えてプロ入りしたという不屈の精神力を持っている選手だと思うので、チャンスがある以上は何とか這い上がってもらいたいものです。

まとめ

最後に補強ポイントに対して、的確な指名が出来たかどうかについて触れて、長々とした本noteを締めくくろうと思います。

・鈴木誠也の後釜となる右の長距離砲獲得

まず右の長距離砲候補獲得ですが、3位と6位でパンチ力を持った社会人野手を獲得したことで、ここを埋めにいきました。
2位指名時点で正木が残っていましたが、どうしても欲しい存在ではなかったようで、即戦力投手を確保した後の右打者の指名となりました。
長期的に鈴木誠也と同じスケールを持つ選手を育成していくというよりは、早ければ来年にもチームを去る可能性を危惧した上で、目先の穴埋めを優先したと言えるのではないでしょうか。

・即戦力投手獲得による投手陣の拡充

即戦力投手の確保については、重く受け止められたようで1位2位の枠を割いて指名を行い、下位でも1名指名しました。
2年続けて即戦力投手を多く確保することで、確実に投手陣の駒は増えたと言えそうですし、今年獲得した3名が一軍の枠に食い込む働きを見せられれば、自然と二軍で若手を育成にかけられる余裕も出来てくるはずです。

以上より、獲得した選手が活躍するかは別として、二度抽選を外してしまいましたがポイントを埋める動きはしっかり見られたドラフトと言ってよいでしょう。
大まかな2つのポイントに加えて、育成ドラフトながら高卒の育成対象投手を獲得し、社会人でCFを守る中村の獲得と、細かなポイントもしっかり押さえています。
あとはここで獲得した選手たちが、しっかり一軍の戦力として稼働してくれるのを祈るのみです。

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