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1ヶ月予報(6/11〜7/10)

6月9日発表の1ヶ月予報です。
前半と後半で寒暖差が大きく、梅雨明けは早そうです。

1.一般向け

寒暖差大きい

向こう1ヶ月の気温は、北日本で高く、その他は平年並みか高い予想です。偏西風が北寄りを流れ、南から温かい空気に覆われやすいため高温傾向です。

ただし、6/11からの1週間はオホーツク海や日本海の高気圧の勢力が強く、冷たい空気が流れ込みやすくなるため、全国的に低温傾向です。

6/18からの3週間は太平洋高気圧の勢力が強まるため高温傾向が顕著となります。このため、この1ヶ月はかなり寒暖差が大きくなるため、体調管理や農作物の管理に十分な注意が必要です。また、梅雨に入るため湿度も高いですから、食中毒にならないよう、食品の管理も徹底しましょう。

梅雨明け早い

向こう1ヶ月の降水量と日照時間は、全国的にほぼ平年並みです。6月下旬以降は、太平洋高気圧の北への張り出しが強まるため、西〜東日本は前線や湿った空気の影響を受けにくく、曇りや雨の日が平年に比べ少ない予想のため、梅雨明けは早いでしょう。7月上旬にも明けるかもしれません。沖縄・奄美の梅雨明けはほぼ平年並みとなりそうです。降水量は平年並みでもその日その日で、大雨となる恐れがあります。特に6月末〜7月はじめは毎年、梅雨末期の大雨で大きな被害が出ています。今年も要注意でしょう。

2.専門向け

熱帯

200hPa速度ポテンシャル(1ヶ月)

熱帯の対流活動はアフリカとインド洋南半球側で活発、フィリピン付近は不活発の予測。太平洋東部はラニーニャの影響で不活発となっているが、中部が活発となっているため、フィリピン付近は不活発になっているものと思われる。

上層

200hPa流線関数(1ヶ月)

アフリカの対流活発に対応して、200hPa流線関数は、ヨーロッパ南部で高気圧生循環偏差となり、亜熱帯ジェット沿いの波列により、日本付近で偏西風は北偏傾向。

中層

500hPa高度(1ヶ月)

500hPa高度は、北極付近で負偏差で、これまで続いていた負のAOは終息し、正のAOに転ずる。このため日本付近は北日本中心に正偏差となる。また大陸東部にはトラフが見られる。

下層


850hPa流線関数(1ヶ月)

熱帯の対流活動に対応して、850hPa流線関数はインド洋西部〜インドネシア付近で低気圧性循環偏差、北東への波列で日本も含め、太平洋北部は高気圧性循環偏差。日本のはるか南は低気圧性循環偏差で、この付近のSSTが高いことが寄与している。前線が停滞しやすかった日本の南岸付近のSSTは負偏差で、この影響も加わり、高気圧性循環偏差が日本付近にも広がっていると推測される。

海面気圧(1ヶ月)

海面気圧は日本付近は正偏差で、太平洋高気圧の北への張り出しが強い。このことから、梅雨明けは早いことが予想される。一方、日本の南は下層循環に対応して負偏差域が広がっている。このため、南西諸島はやや暖気は流れ込みにくい。

850hPa気温(1ヶ月)

850hPa気温は、南から暖気が流れ込みやすい西〜北日本で正偏差。偏西風北偏の影響が大きい北日本で、偏差が大きい。南西諸島は一部負偏差で、やや低温傾向。海面気圧偏差が寄与している。

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