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3か月予報(5~7月)

4月23日発表の3か月予報です。

気温が高い初夏~梅雨

そして梅雨は大雨に警戒が必要となります。

1.一般向け

夏の訪れは早い

向こう3か月予報の気温は北~西日本で平年より高く

沖縄で平年並みか高い予想です。

偏西風が少し北に偏って流れるため

暖かい空気に覆われやすく高温傾向です。

梅雨時期は大雨警戒

今年の梅雨は怖いです。いえ、今年’も’です。

3か月平均では東日本日本海側と北日本で

降水量が平年並みか多い予想、

その他は平年並みの予想です。

さらに、月ごとに見ると

6月西日本と東日本太平洋側

7月東日本日本海側と北日本で多雨傾向です。

これは6月は梅雨前線の活動が活発になりやすいこと

そして前線の北上が例年よりやや早く

7月は北日本で雨の量が多くなりそうだということを示しています。

暖かく湿った空気の流れ込み方が非常に嫌な感じなので

今年の梅雨は、

今までの大雨で被害が出なかった地域で

我関せずと思っていたあなたの地域でも大雨になってもおかしくない、

そういった心づもりで備えていただきたいと思います。

これまでの教訓を生かしましょう。

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2.専門向け

高温は偏西風北偏によるもの

向こう3か月の海面水温はインド洋や太平洋西部で平年より高い。

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これに対応し、対流活動が活発となるため

200hPa速度ポテンシャルは日付変更線を境に

東西のコントラストが非常にはっきりしている。

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この上空発散の影響で

200hPa流線関数は大陸で広く高気圧性循環偏差となっており

偏西風の北偏を示唆している。

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正偏差域は北日本が中心で

その他の高温傾向は地球温暖化の影響による

層厚換算温度の高温偏差によるものを加味しているものと思われる。

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多雨傾向について

6月の西・東日本の多雨傾向について考える。

インド洋は降水量が多く予想されており対流活発を示している。

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これに伴い中東で200hPa流線関数が顕著な高気圧性循環偏差になっていて、

ここでの偏西風北偏がひとつある。

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200hPa速度ポテンシャルの負偏差はフィリピン付近にも見られ

ある程度波列による偏西風南下を抑えているようにも捉えられる。

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850hPa流線関数では日本の南にわずかな高気圧性循環偏差が見られ

太平洋高気圧は西へ張り出しやすいということを示している。

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また地上気圧も西に正偏差域が広がる。

本州付近は平年並みの予想で気圧の谷が形成されているため

前線が停滞しやすいからというわけではなく

高気圧の縁辺流が入りやすく、前線活動が活発化しやすいことが

多雨の要因だと考えられる。

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500hPa高度場は東シナ海付近にトラフを予想しており

特に西日本で活動が活発になりやすいと考えられる。

東シベリア付近はリッジが形成されており

逆位相となることも一つ気がかりで、トラフ東進が遅くなる恐れがある。

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1か月平均でもこれだけ条件がそろっていることを考えると

今のうちから警戒を要していても、損はないはずだ。

7月の北日本の多雨

500hPa高度場の5880mは西日本太平洋沿岸にかかる。

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地上気圧では西・東日本太平洋沿岸で正偏差極大がみられ

若干太平洋高気圧の張り出しが早いものとみられる。

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このために、梅雨前線の北上が例年より早く

7月の降水量が多い傾向となっているのだろう。

高気圧の張り出しについては

850hPa流線関数で日本の南で低気圧性循環偏差が見られ

ハドレー循環により早まっていると考えられる。

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夏までにラニーニャは終息するものとみられているが

名残の影響を梅雨期までは受けそうだ。

今後の予測資料に留意

まだまだ平均的な値なため

大雨の予測については難しいところではあるが

少雨である可能性は低いといえる。

今出水期から線状降水帯に関する情報も出されるので

早速その情報の出番がやってくるかもしれない。

そういった点では、今年は注目すべき梅雨期となりそうだ。

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