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大雪に警戒を

2/10は東日本の太平洋側で大雪による交通障害などに警戒が必要です。

大雪の原因

あす(木)は東海道沖〜関東沖を低気圧が進む見込みです。
1月〜2月は寒気の縁を低気圧が通過することが増えてきますが
この低気圧のことを南岸低気圧と呼んでいます。
わざわざ名前をつけているということは特別な低気圧であるということを示しています。
何が特別かというと、太平洋側にも大雪をもたらせるということです。
どれだけ寒い時でも、基本的には日本海側で大雪になり
太平洋側では乾いた風が吹いて冬晴れになりますが
雪の原因となるものが近い南岸低気圧では太平洋側でもしばしば大雪となります。
先ほど寒気の縁を通ると言いましたが、南岸低気圧の北側が寒気で
つまりは気温が低く、雪になる可能性が高いエリアとなります。

これは上空1500メートル付近で−3℃以下のエリアに色をつけたものです。
一般的には−6℃以下が平地で雪の目安ですが、南岸低気圧の場合は−3℃でも雪になることが多いです。
この寒気が関東をすっぽりと覆い、静岡の東部も入る予想です。
これにより、東海と関東甲信地方で、山地のみならず平地でも大雪となる恐れがります。

雪の降る時間

静岡では明け方、関東甲信では朝から雪が降る予想です。
日中は気温がやや上昇するため、雨に変わるところもあると思いますが
基本的には1日を通して雪が降りやすいでしょう。
長ければ金曜日の未明くらいまでは雪が降り続きそうです。
また、朝の段階でもし雪が積もるとしたら、日中も気温が上がらず
完全に雪のまま一日降り続け、警報級の大雪となる恐れがあります。

朝の段階では高速道路や電車が使えるかもしれませんが
時間が経つにつれ、影響が大きくなり、完全にストップする恐れもあると思います。
国土交通省は緊急発表を行い、不要不急の外出を控えるよう呼びかけています。
自分は大丈夫と思わず、時間に余裕を持った慎重な行動をお願いします。

雪はどれくらい降る

あす夕方までの24時間に降る雪の量は、多いところで、甲信25センチ、関東北部、箱根〜多摩や秩父15センチ、関東南部の平地8センチ、東海(静岡)の山地で20センチ、平地で5センチの予想です。その後の24時間でも関東甲信では5〜10センチと降雪量が増えます。今年1月6日にも関東を中心に大雪となり警報が発表されましたが、その時の東京都心の積雪量が10センチでした。降雪量と積雪量は意味が異なりますが、東京都心でも10センチ前後積もる恐れがあると思って差し支えありません。前回以上に降る恐れもあります。

何に注意すべきか

積雪によるスリップ事故は起こってほしくないものですが、必ずと言っていいほど起きてしまいます。路面が凍結しやすいのは、橋の上やトンネルの出入り口付近です。また、雪道のノーマルタイヤの運転は法令違反です。必ずチェーンかスタッドレスタイヤを装着してください。一台が事故を起こすと、立ち往生で多くの方がその場から動けなくなる可能性があるため、一人一人が安全に気をつけることが大切です。また、立ち往生に巻き込まれてしまった時のことを考え、軽食や水、カイロなどを車に積んでおくといいでしょう。

次に人のスリップです。雪道は慣れていても滑ってしまうことがあります。行き道を歩くときに有効とされているのが、ペンギン歩きです。足の裏全体をつけるように地面に垂直に足を踏み込み、歩幅を小さくして歩くと滑りにくくなります。また、万が一の転倒に備え、手袋や帽子は厚めのものを選びましょう。

そして、停電にも備えてください。あすは雪といってもギリギリ雪になるくらいの気温のため、ベチョベチョのかなり湿った雪になります。気温が低いと軽いふわふわした雪になりますが、湿った雪はそれに比べ重いです。そうすると電線や樹木に着雪し、電線自体が切れたり、倒木により電線が切れて、停電が発生する恐れがあります。その場合、エアコンで暖を取ることが出来なくなるため、灯油ストーブやカイロが活躍します。灯油やカイロの補充も早めにしておきましょう

3連休後半も雪か

3連休初日は路面に雪が残り、影響が出る恐れがありますがそれで終わりではありません。13日〜14日にかけても再び南岸低気圧が通過するため雨か雪が降る予想です。今回より少し気温が上がるため、積雪は内陸中心になると思われますが、今後の寒気の予想次第では、同じくらいの雪のレベルになるかもしれません。まだまだ春は遠そうです。

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