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筋・筋膜性腰痛〜各論〜

本日は,「筋・筋膜性腰痛」についての記事を書こうと思います.

腰痛診療ガイドライン改定第2版では,腰痛の内訳として筋・筋膜性腰痛が18%を
占めるとされており,椎間関節に次いで2番目に多い病態であるとされています.
一方で,筋・筋膜性腰痛は最も多い病態であると報告している論文もあります.
(寺島 嘉紀:筋・筋膜性腰痛の病態と治療.MB Orthop.27(13):13-18.2014).
報告によって罹患割合は差があるものの,腰痛を診る上で多い病態と捉えることが
できます.

◎腰椎背筋群のコンパートメント症候群について

菊川 臣一:リハビリテーション医学 Vol32.No.8.1995より引用

腰椎背筋群は胸腰筋膜で覆われ,一つのコンパートメントを形成しています.

菊川 臣一:リハビリテーション医学 Vol32.No.8.1995より引用

このコンパートメント内の腰椎背筋群は,立位や前屈,前屈+負荷で有意に筋内圧が
上昇すると報告されています(p<0.05).
また,コンパートメント症候群の診断基準として
1.安静時痛がなく,運動時もしくは歩行時に関連して腰痛が出現する.
2.その腰痛は,腰椎後屈により速やかに消失する.
3.下肢症状がない
4.腰痛発生と筋内圧上昇が相関する ことを挙げています.
(菊川 臣一:腰椎背筋群におけるコンパートメント症候群の病態と治療.リハビリテーション医学.1995より)

よって,体幹前屈により腰椎背筋群の筋内圧が上昇し,腰痛が出現するのが
筋・筋膜性腰痛であると捉えることができます.
体幹前屈で主訴と同じ疼痛が再現可能であれば,筋・筋膜性腰痛の可能性もあると考え,評価を行うことが必要になると思います.

以上になります.最後までご覧いただきありがとうございました.
次回は,椎間関節性腰痛についての記事を書く予定です.
良ければご覧ください.

※論文を読んだ上での個人的な見解を多分に含んでいます.詳細が気になる方は是非論文を読んで理解を深めて頂ければと思います.



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