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Hip Spine Syndrome

本日はHip Spine Syndromeについての記事を書こうと思います.
前回まで腰痛の記事を書いてきました.
腰痛を考える上でも大切な考え方だと考えています.

◎概念

Hip-Spine syndromeとは,股関節疾患と脊椎疾患の合併例が呈する複雑な臨床症状であるとMacnabらによって報告されました.
(Offeski,C.M et al:Hip Spine syndrome.Spine.1983より)

以下の3つに分類されます.
Simple type:股関節,脊椎の両方に変形性変化を認めるが,病因の主因はいずれか一方のもの
Secondary type:股関節,脊椎の病態が互いに影響しあっているもの
Complex type:股関節,脊椎の両方に変形性変化を認め,その両方が病態に関与するもの
(中村 泰裕 ほか:Hip-Spine Syndrome-股関節症の病期と腰・仙椎角の関係.仙台赤十字病医誌.1996より)


森本 忠嗣 ほか:Hip-Spine Syndrome-人工股関節置換術施行例における腰痛の検討-整形外科・災害外科.2003より引用

例えば,寛骨臼形成不全由来の股関節症による股関節屈曲拘縮のため,骨盤が前傾し,腰椎前彎が増強するために,腰椎症が発症する場合があります(上記左図).
この場合は股関節の病態が脊椎への病態に関与していると捉えることができます.
反対に,加齢により腰椎後弯・骨盤後傾アライメントの場合は股関節矢状面での前方臼蓋形成不全が増強され,股関節症が発症する場合があります(上記右図).
この場合は,腰椎後弯・骨盤後傾アライメントが股関節症発症に関与していると捉えることができます.
このため,股関節疾患においても腰椎疾患においても股関節および腰椎の可動域を測定することが大切だと思っています.

以上になります.
最後までご覧頂きありがとうございました.
質問や記事のリクエストお受けしております!

※論文を読んだ上での個人的な見解が多分に含まれています.
興味のある方は是非論文を読んで頂ければと思います.







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