【愚痴】それ以前から、それ以後。世界は今虚飾に満ちている。

　今の世の中はつまらない。オリンピック報道もゴシップや誹謗中傷に終始した。
　愚痴らせてほしい。30代中年独身女の叫びだ。

　言ってみれば、コビット以前からコビット以後。
　世界はすっかり様変わりしてしまった。それ以前からその傾向はあったかもしれない。けれども、これほど世界は嘘ばかりに満ちていただろうか。これはSNSのせいなのではない。世界の流行がSNSをそういう方向に導いてしまったのだ。
　なぜYouTubeはSNSの1つに数えられるのか。SNSとは一体何なのか？SNSというのは交流サイトで、発信、拡散力を持つ人がインフルエンサーと言われる。

　自称医療関係者や自称コビット経験者の誤った対処法が広まるだけなので、コビットに関してはニュース記事はコメント欄を閉鎖した方がいいと思う。実際に写真等つけて、noteなどブログで療養体験記などを書いている人たちは良いが、SNSだと何の証明をする必要もなくて、簡単に自称することができる。なぜ、YouTubeがSNSの1つに数えられるのかわかった気がする。映像の方が簡単に嘘がつけるのだ。文章で嘘の話を続けると言うのは、作家でもない限り才能がいる。しかし、動画だと矛盾点がわからなくなることもある。逆にSNSは文章が短すぎて、中身がないから嘘の言葉をオウム返しにつぶやいてどんどん広めていけるのだ。
コビットは風邪だ。
コビットに医者はいらない。
ワクチンは毒だ。
短い適当な言いやすいフレーズを信じる。
危険なフェーズをさらに危険にする。
結局のところSNSの問題点っていうのは拡散する力だ。YouTubeの卑猥なコメントは減ったが、一方で、長い尺の動画がはやらなくなり、ショート動画でわけのわからない流行を作り出すことができるようになった。
悪性コビット流行前よりも、世界は今虚飾で満ちている。

　コビットは風邪だ。
　風邪だとして、どうすればいいのか。会社に行けなくて経済的に困っている人、重い後遺症の人、治療費が払えない人を風邪だと言っておけば救えるのか。風邪だったら、なんだというのか。言いたいことも根拠も分からない。ウソと言い切れないのは何も言ってないに等しいからだ。しかし、その言葉に勝手に意味が見出されていく。

　社会保障費は無駄だ。じゃあ、社会保障費をなくせば社会は救われるのか。みんなが医療費全額払えるのか。どの何が無駄なのか。社会保障費をなくせば消費税がなくなる根拠もない。

バカだ。アホだ。マヌケだ。
直接的な中傷が蔓延しているより、始末が悪い。知識がなくて大抵の人がウソと指摘できないウソが拡散されていく。

　はじまりは悪夢の民主党政権。どの辺が悪夢だったのか。理由が言える人と言えない人がいて、理由もなく旧民主党の議員は頭が悪いと信じている人もいる。頭の良し悪しは人の主観だが、勉強せずに東大に行けるわけがないだろう。

　以前まではYouTuberは面白い職業だった。しかし、今はトップになるのに企画力も目的もいらない。ショート動画のバズりは炎上ほども根拠がなくなった。悪いことかいいことか判断がつかないものの方が始末が悪い気がする。個人に悪影響を与えなくても社会の迷惑だったりする。

　オリンピック報道はしばらく炎上ネタになりそうだ。なぜ人は他人で夢を見ようとするのか。
　夢は自分で見るものだ。オリンピック選手とか他人に勝手に夢を見て夢を託すな。自分の夢物語の登場人物にして、自分が思うようなストーリーで動かないとなると人生を描き直すみたいに存在を抹消しようとする。　SNSから追い出そうと誹謗中傷を繰り返す。
世界中のSNS利用者が三文小説家になったみたいだ。
週刊誌の記者はそれが生業になっている。お金を稼ぐ。しかし、SNS利用者には誰も金を払わない。週刊誌記者やインフルエンサー以下のくだらないことを我々は書き散らしているに過ぎない。
　政治家など自分たちの暮らしに関わる人たちならともかく、アイドルとかオリンピック選手とかに夢見てなんの飯の種になるのだ。世界中の人がオタク化しているのか。幼稚な我々はひたすらSNSに踊らされている。
完璧な為政者がいないように完璧なオリンピック選手もいない。偶像が存在するかのようにオリンピックの夢に縋るのは何かを盲信する信者のように幼稚だ。無宗教を自称する人に神などいないはずだ。神が完璧な存在を我々のために創りたもうて顕現させるなどあり得ない。
　なぜ楽しめるはずの娯楽に文句ばかり言うんだろうか。

　自分に厳しい人は他人にも厳しいという。不完全な人間の存在を受け入れられない。他国を攻撃し、破壊したいという衝動は夢見がちな人間に起こるのかもしれない。他人を自分の物差しで測って、端数だと切り捨てる。自分の中の物差しに絶対の信頼を置く人はその偶像に縋らなければならないほど何かに欠けているのだ。

　いい加減にしてほしい世の中。もっといい感じになってほしい。もっと緩く、全てを許して、他人に興味も共感も持たずに静かに生きることはできないか。ドタバタなはちゃめちゃコメディは現実に起きるとくだらない。

　コビットやオリンピックは確かに世の中の動きの転換点だった。しかし、それも誰かの思惑によるものかもしれない。神ではなく、世の中をくだらないものにしたい誰かの手のひらで踊らされたまま我々は一生を終えるのか。