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【怒】川辺川ダムについてのヤフコメを読んで思うこと ※閲覧注意

読まないようにしようと思いながら読んでしまいます。ヤフコメの「地元がダムを拒んだから被害が起きた」という論調に悲しくなります。
そのコメントのあり方は地元民を馬鹿にするようで非常に暴力的です。

毎日新聞から出た記事です。昨年の豪雨の1.3倍の水量で、川辺川ダムは緊急放流するそうです。ヤフコメはあまりに緊急放流の危険性を理解しておられないと思います。ダムの放流は鉄砲水です。ダムが水を堰き止めている間に逃げられる?夜中に?警報が出た時って大抵手遅れなんですよ。ダムの放流はこれまでに通知して逃げる間もなくされた事例が多々あります。私はこの毎日新聞の記事をコメントのようなミスリードとは思いません。そもそも人吉球磨にはすでに市房ダムという巨大なダムがあるのです。周辺には1万本の桜が植えられ、地元ではちょっと知られた観光スポットです。

すでにある市房ダムが昨年の九州豪雨で放流寸前でした。放流されていたら、もっと被害は大きかったでしょう。大体警報自体昨年も手遅れでした。雨酷いけど警報出ないなあと思いながら朝を待っていました。球磨地方は盆地でもともと雨の多い地域であり、昨年の豪雨の時はたまたまそれまで空梅雨でした。ダムは水を貯めておくものです。つまり1.3倍の貯水は普通の梅雨で(長雨)であれば、温暖化も考えあわせると数年単位で起こりえます。

すでにある市房ダムと新しい川辺川ダム両方放流されたらかつての城下町で川沿いの街である人吉市は水底に沈むのではないでしょうか?どこに逃げるっていうんですか?逃げられたとしても人吉球磨の人はその後どこで生きれば良いのですか?

そもそも昨年の豪雨で被害を受けたのは川辺川流域ではなく、川辺川と同じく球磨川に流れ込み人吉市を通る山田川と万江川です。川辺川から流れ込んだ水量に球磨川が耐えられずバックウォーター(逆流)として山田川万江川に水が流れ込んで二つの川が溢れて人吉市が浸かったというのが国の調査の言い分です。

であれば、なぜまず球磨川を深く掘るように早急に予算をくんでいただけないのでしょうか。未だ昨年の豪雨の土砂で川底が浅くなり、今年の方が水が溢れそうで心配です。

球磨地方は風土記にも名のある古くから人の住む地域ですが、元々の中心は球磨でした。それが城攻めに耐えられるようにわざわざ川辺に城をつくり濠を作って川の水が氾濫して敵が攻められないようにできているのが人吉市なのです。

川辺川ダムは作られるでしょう。最新式ダムも結構なことですが鮎が遡上できなくなり、地元の基幹産業の一つの鮎産業は死ぬかもしれません。八代海に赤藻が復活するかもしれません。

私は知識浅薄かもしれませんが、ヤフコメを見てるとそもそも人吉球磨地方についてやダムについてどれだけご存知なのかと思わざるをえません。

市房ダムの放流で過去に水害があったことをご存知なのですか。清流だなんだと言いますが田舎ではそれほど自然愛護の精神が根づいているわけではないんですよ。結構自分たちの経験値から話がでているんです。大体川辺川ダムは途中までできていて基礎工事は終わっていたんです。地元地元と言いますが、ダムが出来る山村と中心の人吉市にだけ了解を取り、周辺の市町村はいつも置いてきぼりです。山は昭和にたくさん植えられた杉だらけで景観も悪く地盤が弱く、九州最後の砦と言われて、熊やカワウソや狐の目撃情報が最後までありながら結果絶滅したような地方なのです。寒暖差が激しく1日の気温差が20度以上になる日があります。近くには急峻な、市房山や白髪岳が聳え、とても住みやすい自然が広がっているとは言えません。一年の100日以上霧が発生し、濃霧注意報も昔ほどではないですが、頻繁にでます。霧の奥で何が起こっているか球磨人吉以外の人は見えないし、全ては霧の中に隠れてしまうのでしょうか。濃霧とコロナと鉄砲水と異常気象による気温差と政治的悪意と全てが重なればこの里山は耐えられないのではないかと考えています。一気に消滅集落の道を辿るのではないでしょうか。

田舎に仕事を持ってきて金をちらつかせて言うこと聞かせる事業のなんと多いことかでしょうか。私はダムの治水効果にそもそも懐疑的ですが、人目につかない田舎を食い物にしようという都会の悪どい事業の一端な気がして、ダム事業が嫌いです。田舎にはそういう事業の話が溢れています。

中東には日本が作ったダムがたくさんあるそうですが、小競り合いがあると川上の国が川下の国に水が流れないようにダムで水を堰き止めるそうです。シリアはそういう人工的な飢餓の現状にも苦しんでいます。よくメディアが大事なことを報道しないと言われますが、新聞にはミャンマーのことなど頻繁に書かれています。読まないだけなのではないかと思ってしまいます。テレビだけがマスメディアなんですか。

消え去りゆく川辺川が壊れゆく里山の暮らしの象徴にならないことを願うばかりです。

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