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我が家の庭の風景 part.107「落ちる花」

2月下旬からすっかり天気が悪くなり、朝庭に出る習慣がなくなった。
庭の様子は毎朝窓に近づいてくるらしい、庭に居着いている野良猫たちを我が家の家猫たちが観察しに窓に近づく時に観察するのが最近の習慣だ。

今年は花が落ちるのが早かった。つまり、花が咲くのが早かったのだ。早春の花はもう残っておらず、雪柳は3月はじめに真っ白に羽を広げた。春沈丁花、夏に梔子、秋に金木犀が日本の3大香木である。
考えるに、冬の香木が定められていないのは、沈丁花が、冬にも咲くからではないか。
いくら温暖化とは言え、まだ寒さが残って霜が降りる2月初めに花が開き始めたかと思えば、2月20日には花が落ちた。沈丁花は、小さな小花が集まって咲く花である。
その小さな小さな花の一部が少し黒くなって落ちる。

もったいなかったから、まだ香りが残っているのではないかと、そのまま袋に入れて、いつもnoteの記事を書いたりするときに使っている机の前の家の柱に匂い袋として掛けている。

まだ香るがその香りは、ほんのわずかだ。くちなしや金木犀に比べると、沈丁花の香りは弱い。私が買った種類がたまたま香りが少ないのだろうか。しかしその清涼な香りを私は気に入っている。

梔子は昨年に香りの強さを覚悟して買ったところ、庭の外に置く分にはこれぐらい強くてもまぁ良いかと思った。金木犀は私には刺激が強すぎる。沈丁花は玄関先で香るのにちょうどいい。
気づくときには、気づく。気づかなければこちらが知らずに、澱んだ空気を清涼にしてくれている。その沈丁花が、まさかこんなに早く花が終わるとは思わなかった。梔子が1ヵ月以上はもったので、そのくらいは咲いてくれると思っていた。

楽しめる時期が短ければ短いほど良い愛しさが増すというものだろうか。梔子は植え替えに失敗したのか、本体が生きているか怪しいが、挿し木に二枝成功している。ただ葉っぱは生き生きとしているもののまだ指先ほどの樹勢しかない。今年花がつくか怪しいところだ。山茶花より後に咲いて、山茶花より先に花を落としてしまった、沈丁花。

2週間ほどの花の楽しみを味わえるのは、また1年先だ。それまでちゃんと生きていてもらわなければならない。どうやって植えるのが良いだろうか。このまま植え替えしない方が良いのか。
花がなくなっても、まだ沈丁花のことを考えている。

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