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【映画感想文】中国では抗がん剤がとんでもなく高値だったようだ

中国の実話を元にした話と書いてあるのだが、本当だろうか。2014年頃に起こった事件で、2019年映画化されている。
コロナ禍前の話だったのだが、薬に利権がそれほど絡んでいるなら、コロナ禍の中国は本当にいろいろ大変だったのだろうなと思わされたので、紹介したい。

最初はコメディ映画のようだった。

【あらすじと感想】※字幕をところどころ見逃したので誤解している部分があるかもしれない。ちょっと人間関係がわからなかった。

薬屋を営む男性が稼ぎが少なく身を持ち崩しており、離婚した?奥さんに親権を要求される。弁護士をいれた話し合いで元お母さんに「あんたはくず」と罵倒され、激昂する。どうも元奥さんには別の男性がいるようだった。さらに相手は別の国の人。子どもに会えなくなるので、暴れてしまったようだ。離婚原因は奥さんの不倫?
男性はなんとかお金を稼ごうと、ジェネリック医薬品の密輸入に手を染める。
中国で感染性の白血病が流行っており、正規品の薬が高く5万元(一元19円くらい)で売られていた。ある程度の期間常用する薬としては、日本円で一パック95万円は破産するのもおかしくないと思われる金額だ。
中国の保険制度がどうなっているか分からないが、薬が手に入らない人が多くて病気が蔓延するくらいだから、あまり充実していないのだろう。

インドから密輸入したそのジェネリック医薬品はよく効いて欲しい人が殺到する。男性は最初は儲けていたが、人々の窮状を知ってどんどん安くしてしまう。

また、薬で家族が死にかけたという苦情からその患者が他にのんでいた薬が原因だと気づいた男性はその会社の講演会に乗り込んで大暴れしてしまう。

しかし、その会社に薬のレートを売るように持ちかけられた男性は政府の取り締まりの厳しさから、息子や父との生活のために権力を売り渡してしまう。しかしながら、その会社は結局高値で売り捌き、さらに取り締まりにあって破綻。

白血病の患者の窮状を目の当たりにした男性は再び密輸入に手を染める。そして、ラストには息子を手放し、警察に捕まり、営利のためでなかったということから減刑されるものね5年の実刑判決を受けたそうだ。

密輸した薬は抗がん剤で、中国の癌患者の5年生存率は2002年まで30%だったところ、85%まで飛躍したとエンドロールにあった。つまり、男性の行動によって比較的安価な抗がん剤治療薬の認可がおりたということなのだろう。

かつての中国の医薬品事情に驚いた。日本では命を見捨てるほど利権は絡まないのではないか。

ただ中国映画をほとんど見ない身からすると、中国と日本の心の機微の表現は似ているなと思った。中国映画は全体的に画面が暗く赤っぽいが、調度品など内装が日本と区別がつかない。古い家電が多いなというくらいだ。
言葉がわかれば見やすいなと思うが、軍人さえ出てこなければ吹き替えだと日本映画と思ってしまいそうだ。
社会情勢は確かに日本と違っているが、ダメ親父な感じとか、必ずしも正義感だけで動かないところとか生身の人間らしい、英雄らしくない英雄像が日本人の心を打つものがある。

ただインドは信じられるが、スイスやドイツはダメという表現はどうなんだろう。どこまでが実話かわからないので、事実を知るだろう中国人からも突っ込みの多そうな映画で決してドキュメンタリーではないと思われる。

私は持病があって治療を受けているのだが、難病認定でお金がそれほどかからず助かっている。中国で私と同じ病気の人はどうしているんだろうか。よほどお金持ちでないと、私は中国に生まれたら死んでいたのかなと思ってしまった。

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