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「窓辺の猫」第六十四回 人が変われば猫も変わる

 どうも猫より猫に好かれない飼い主です。
猫ってどこまでいっても人間より猫が好きなんでしょうか。少なくとも我が家の二匹の飼い猫は私を独占したくないようです。

 見出しはいまはもうリリースしてしまった白猫のアゲハさんと我が家の三毛猫セミさんのツーショットです。セミ猫がくっつくのが嫌いなので絶妙に距離をとっていました。空気の読める白猫さんでした。

 この白猫のアゲハさんはリリースしたその日に姿がみえなくなりました。それが悪いこととも限らないはずなのに、気持ちが塞ぎます。大人の猫たちは外に出たがっていたのでこれほど罪悪感を抱きませんでした。子猫ばかりかわいそうに思う私は身勝手です。

 これを書いている時点ではもう一頭のシジミさんを再びリリースにトライしようと考えています。

4ヶ月過ぎてもとっても小柄なシジミ猫。

 どうなるか分かりませんが、片方リリースして片方は保護している現状も私には受け入れがたいのです。猫のリリースって棄てるのと何が違うのか?と自問自答しつつも庭に消えていったアゲハさんの姿を思えば、やはりリリースは早いうちに越したことはない気がします。今なら駆虫も効いてます。効果が切れるのは8月半ばです。

 シジミ猫はアゲハ猫がいなくなってしまった翌日は寂しがるどころか自分の天下みたいに過ごしていました。おもちゃも寝床も独り占め。午前中は逃げ回ってましたが、午後にはなんとセミ猫の真似してゴローンを披露してくれました。セミ猫はゴローンというと腹を出すという芸をpookiesというYouTubeチャンネルのもやちゃんという犬を見て覚えました。動画の犬を見て先輩が覚えた芸を付き合いが二週間足らずの子猫が先輩を見て披露するなんて感慨深いです。

 兄弟が減って自分の天下だとセミ猫にくっついて寝ようとしたシジミさんでしたが、くっつくのが苦手なセミ猫に逃げられてキョトンとしていました。臆病だけれど、楽天家です。それでいて、暑さが苦手らしく外に出ません。リリースに何度も挑戦しようとするより、段々と外に慣らしていきたいですね。もしかしたら、外猫はセミ猫よりのんきでないのでその雰囲気が苦手とかいうこともあるかもしれません。

 猫を飼ったり、避妊手術をしたりすれば自分ね生活が変わると思っていました。しかし、自分で自分を自発的に変えないと自分の世界も猫たちも変わらないなということに気づきました。

 一日で家に慣れたから全部の猫を飼うなんてできません。とても性格が良いから飼ってくれる人が現れるなんて他力本願なことを考えていてもその猫の良さは勝手に広まりません。よく懐く猫だから家から出ないわけではなく、懐かない猫だから外が好きなわけでもありません。

 だって他人から好かれない私がそもそもおうちが大好きですから!そりゃあ、偏屈な猫の方がおうちに引きこもりになりますよ。三毛猫のセミは引きこもり気質ではないけれど、私に合わせてくれました。

 セミ猫みたいに全ての猫が人間の都合に合わせてくれるよう願うのは酷でしょう。
 多分、今年は無理なので、来年は猫に私を変えてもらうことを期待するのではなく、変わってもらうために自分が変わるようにしたいです。

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