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窓辺の猫 第五十三回「猫がまたたびを気に入る確率」

三毛猫はクール


 こんにちは。三毛猫至上主義です。
我が家では一番最初に家族になった三毛猫を優先することになっています。
しかし、この三毛のセミ猫様がなんでも譲ってしまうために後輩のトンボ猫は家のものはすべて自分のものと思うようになりました。
 とはいえ、一番最初に使ったり食べたりすることはできないので(我が家は三毛猫至上主義なので)、先輩が使い終えるのを待っていたり、人間が作業を終えるのを待っている、待ち猫になってしまいました。
 しかし、先輩のように離れた場所で待っていることはできません。近い場所で圧をかけながら、待ちかねると突撃してきます。

私が譲る気になるまで待ちなさいよ

 セミ猫はものは譲ります。しかし、人間は譲りません。また、暑苦しいのが嫌いです。どうしても、猫同士でくっついていたくないのです。だから、トンボ猫が一緒に座ったり、寝ようとしたりすると場所を移動してしまいます。しかし、同居も2年近くにもなるとセミ猫も曲げるところも出てきたようで、5月にはトンボ猫に顔をなめられているのを目撃しました。ひとなめしたら睨まれたので、トンボ猫はそれ以上くっつこうとしませんでした。
 もしかしたら、今年の冬には二匹でくっついている姿を見ることができるかもしれません。

猫の避妊手術が終わらない


 庭に猫が4匹居着いて、4月20日から40日間クラウドファンディングに挑戦しました。猫四匹の避妊手術をするためです。おかげさまで、目標額に到達しました。しかし、金額を達成してすぐに避妊手術を完了することができるわけではありません。まず、5月初めごろに母猫が次を産んでしまいました。出産日が不明で避妊手術まで1か月明けなければなりませんでした。これを書いている時点で、母猫の避妊手術はまだできていません。
 そうなると困るのが、母猫を捕まえることができないことです。どこで産んだのか子猫の姿も見当たらず、母猫はおなかがすくのか庭を頻繁に行き来するようになりました。つまり、エサで釣って捕獲しようとすると必ず母猫がやってくるということです。極めつけに、やはりエサで釣って捕獲した父猫がキャリーを置くとエサが入っているんじゃないかと近づいてくるのです。麻酔が効いて、去勢手術をされても何があったかわかっていなかったのかもしれません。キャリーも捕獲機もあまり怖くないようです。眼球がほぼ癒着しかかっていて、目が悪そうなので、周りの状況がよくわからないことが、ちょとやそっとで動じない彼の性格を作ったのかもしれません。その割には、我が家の家の中の飼い猫のことは窓越しに敵視していますが。
 この状況では、捕獲機を設置しても捕まるのは親猫だけなので、GW明けに使わなかった捕獲機をフリーマーケットに出して手放しました。無料でお譲りすることも考えたのですが、重たくて送料もかかるうえ、猫たちの避妊手術などの費用が必要ですから、少しでもお金に換えた方がよいと考えるに至りました。

またたび好きの猫はだれ?


 餌を置くと、親猫たちがやってくる。そこで次に考えたのが、またたびを使うことでした。ネットで調べたところまたたびの粉末も枝も数百円で売られていました。それらをポチッと購入して、またたびのおもちゃを作りました。木の枝そのままでは心もとなかったからです。
 実は我が家の三毛のセミ猫はまたたびが好きではありません。これは拾ってすぐの子猫の頃からで、最初はまたたびのついた段ボールの爪とぎは決して使わず、時には飛びはねて逃げ、鼻息でまたたびを退けるほどでした。
 今回買ってセミ猫に近づけてみたところ、以前のように逃げはしませんでした。しかし、興味はないらしくぷいっと鼻をそむけてどこかに行ってしまいました。
 そんなセミ猫の姿に一抹の不安を覚えつつ、マクラメロープをしっかり編んでまたたびの小枝に飾りつけ子猫用サイズのかみかみおもちゃを作成しました。そして、いざ、外に置いたキャリーの中におもちゃを入れてみると・・・。
 おもちゃを取りに来たのは、母猫でした。私の姿を見て、ぽろっとおもちゃを落としていったので、再びキャリーにそのおもちゃを入れてみると父猫が咥えて持っていってしまいました。その日は動物病院に避妊手術ができそうな日を聞いていた予定日で、朝の4時からあの手この手で猫をキャリーに入れようと奮闘しましたが、来るのは母猫ばかり。母猫はまだどうもできないので子猫を狙いましたが、母猫の次に父猫がキャリーのそばにどっかり座り、子猫と一緒に入ったりするので、どうにもなりませんでした。
 なかなか捕まらない可能性を考えていましたが、目当ての猫だけ捕まえることの難しさを考えていませんでした。
 ちなみに子猫たちはまたたびに興味がないようです。親猫たちもごろごろくっつくほど好きではないように見えます。またたびには猫にとって蚊よけの効果があると言われています。外で少しでも虫よけになるのなら、無駄な買い物ではなかったと思うことにします。
 何より、またたびに理想通りの反応を示してくれた猫がいたのです。
 そうです。我が家で一番大きくて臆病で甘えん坊のトンボ猫です。試作で作ったまたたびおもちゃを5分で破壊し、木の枝にかじりついて、数分以上ごろんごろん転がって乱舞していました。猫は唐突に飽きるので、気の短いトンボ猫はその後しばらくは遊びませんでしたが、夜になるとまたかじりついてひっくり返ってゴロゴロ遊び、今でも気が向けばかじっています。まだ材料があるので、トンボ猫のおもちゃにはこれで困ることがなさそうです。けりぐるみも大好きで、トンボ猫は人間に飼われて2年近くもすると気づけば頻繁に床で悶えている猫になりました。

 さて、今回の件で分かったことがあります。猫6匹中、またたびに興味を示す猫は3匹だったということです。そのうち、夢中になって酩酊する猫はトンボ猫1匹でした。外暮らしを経験した猫ほど、またたびに反応しない傾向が強まるのでしょうか。それとも子猫の頃だとまだまたたびの良さに気づけず、出会いが早いとそのまま興味を持つことができないのか。気にはなりますが、私は研究者ではないので詳しい結論は出そうにありません。まず、6匹では検証に不十分でしょう。これ以上猫が増えても、私の手には余るのでこの研究が深まらないことを希望しています。

 結論、猫がまたたびを気に入る確率はおよそ17パーセントです。この数字は生育環境や猫によって変わります。



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