【化学雑記帖②】文明と化学のはじまり
現在の高校化学で扱っている内容について、それをなぜ授業で教えるのか?
できるだけ時系列を追いながら、歴史的な視点から私なりの解釈をこの雑記帖に綴って参ります。
ただ、私自身が浅学ゆえに、中身の薄い解釈と指摘されるのは重々承知しております。
あくまでもここで綴る記事は、綴った時点での私なりの解釈でございます。
その辺も踏まえていただき、至らぬ点がございましたら、ご指摘をいただけるとありがたいです。
今回は古代における人類の発達と化学との関わりについてつらつらと。
火の発見がもたらしたもの
人類が他の生物と決定的に違うのは、火を自在に扱えるということだとか。
この火を自在に扱うことで、調理ができるようになった。
また、土器やレンガ、ガラスの製造、金属加工などにも役立った。
化学の視点でいうと、火は「燃焼」という化学反応をもたらすもの。
そもそも化学反応というのは、ある物質を何か性質の異なる物質に変えるということである。
ということは、人類は原始人と言われていた時代から、燃焼という形で、既に化学反応を行う術を身につけていたと言ってもよい。
道具の変遷
人類が誕生した当初、狩猟・採集によって食料を得ていた。
その際、自然に存在する木・動物の骨・石を砕いて、獲物を狩る武器を作った。
特に石(石器)は長持ちしたので、多様に使われたのではないだろうか。
やがて、金属も発見された。
最初に発見されたのは金や銅といった、特有の色をもって輝く金属だったといわれている。
金属は、鉱石の段階では一定の体積をもっているが、石のように砕いて壊すことなく、平らに加工できるという特徴がある。
しかも、美しいということで使用が広まったのだろうか。
銅と鉄
銅と鉄でいえば、先に使われたのは銅である。
銅は紀元前3200年頃から使われていたという。
この当時、銅は希少であったものの、金属の中では比較的融点が低いので、早く使われたのではないだろうか。
さらに、金属の錫(スズ)もこの当時に発見され、銅と混ぜ合わせることで青銅もでき、青銅器時代へとつながった。
時が経ち、鉄も発見された。
ただ、鉄は鉱石との結びつきが強く、融点が1500℃にもなるので、高温の熱を加えなければ単体として取り出すことはできなかった。
しかし、歴史上では紀元前1280年頃、小アジアのヒッタイト人が鉄の製錬技術を手にしたといわれている。
ここから鉄器時代が始まったといわれている。
現在の高校化学とのつながり
化学において火というのは、主に燃焼といった化学反応を起こすきっかけとなり、欠かせないものである。
金属については、高校化学において、金属結晶の構造・性質や、イオン化傾向といった化学反応の特徴の中で扱っている。
これらを活用したことが人類の発展に大きく寄与し、文明の成立を担ったことは、これから化学を学ぶ人たちに伝えるべきことなのではないだろうか。
ここで綴ってきたことは、人類が実際に経験したことをのみである。
これとは別に、世界は何からできているかを考えてきた歴史的な過程もある。
これらがつながることで化学という学問が成り立っている。
先程の世界が何からできているかを考えた過程については、次回の記事にて。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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