にせもの美術史

昨年の美術雑誌で、贋作特集が組まれていた。気になったんだけど私はちょっと捻くれてるところがあるので、その雑誌は買わずに「にせもの美術史」という分厚い本を古本で見つけて読みました

最初のページ はじめに  の章で

世界は皆  だまされたがっている

と書かれていた。

そして、これ以上に心理の的を得ている言葉を知らない。直感的にそう思ったのをよく覚えています


皆、特別なものが欲しいんだ。

私だけに呈示されたものが偽物であるはずがない。

こんな素敵なものを手の届くほどの距離に置いて生活したい

美味しいもの、美しいものを安くで手にいれたい。

その心理はとても切実だから、

にせものが出てくるんだろう。何も美術品だけの話じゃない。

その切実な心を利用しようとする所が切なくて、残念だけど 美しい一文

世界は皆  だまされたがってる

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