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80才、要介護1のひとり暮らし(母の介護)

私の母は昭和15年生まれの80才。数年前から物忘れがだんだん出始めてるけど、ゆらら家から約70歩ぐらいの近距離マンションでひとり暮らしをしています。

家族の死からひとり暮らしに

父はもう30年近く前、52才という若さで突如「胆管がん」と診断され、即入院→大手術で一応成功したように見えたものの、家族が一度自宅に戻っている間に急変してあっという間に亡くなりました。残された家族ポカーン。私やその兄弟はすでに独立してたからよかったけどね!あれ学生だったら大変だったよ?

その時、母は私の祖母(当時90才ぐらい)と同居しつつ戸建の持ち家に住んでたんだけど、数年たって祖母が亡くなり、実家を処分して現在のマンションに移りました。その時はすでに私が離婚してちびっこ2人を抱えててんやわんやだったので、本当〜によく手伝ってもらった。それを思い出すと、私が母の面倒を死ぬまで見るぐらい、全然構わないしどうってことないです。

ひとり暮らしも20年目

さて、早くも年月が流れ…孫たちは成人し、私も母も順当に年をとった。

母は明るい性格は前のまんまだけど、物忘れが結構あって1分前に話したことでも平気で何度も繰り返します。私は「うん、それさっきも言ったけどね」「何回繰り返すんだ、このやりとり」とかいって毎日爆笑してる感じ。

物忘れが進む前は、趣味のダンスやコーラスのサークルに入ってお友達も多く、忙しく楽しく生活してた母だった。歌が得意なのでレッスンを欠かさず、60過ぎてから習い始めたピアノはかなり長く通ったんだけど「10年たってもうまくならないのよー。先生の前だと緊張して指が震える」とかいってたな。

祖母が亡くなる前の2年ぐらいは施設や病院に入ることが多かったけど、その面会にも片道30分ぐらいかけて週に何回も自転車で通っていたし、うちの子どもたちが熱を出したとかなんとかの際には保育園や学校に迎えに行ってくれてたし…
70代前半まではバリバリにアクティブだったと思う。

毎年、私の兄弟の家族が集まるお正月やお盆には料理やお酒、仕出しの準備をするのは母が主導。私はサポートで買い出ししたり、おせち料理の数品を作るぐらいだった。市内のお寺にお墓があるので、先祖や父の年忌などお寺との付き合いももちろん母がやっていたし、「家」という機能は母が実権を持っていた。

ここ数年は母がいろいろ忘れて気力もなくしてきたことからゆるやかに私に実権が移った状態。盆暮れ正月は私が仕切り、お墓のことはお寺さんに聞きながらなんとかやってます。

しかし今考えると、母の体が動いて頭もしっかりしていた時に
実家を処分しておいてよかった!

もしあれから20年放置していて今でもボロボロの戸建にひとり暮らししていたら、家のメンテも大変だろうしマンションに移ることも嫌がったかも。祖父母の古ーい長持(ってわかりますか?お若いみなさん?)や着付けやってた時代の桐箪笥などなど、もうどーしょもない古民具いっぱいの実家を何より片付けがキライな私がメインで処分しなければならなかったかと思うとゾッとする。それだけでも母ありがとう!

介護認定がおりてから

母のルーティンとしては、朝はわりと早く起きてゴミの日は出しにいく。それからヘルパーさんが来て15分ぐらいおしゃべりしつつ、体調の変化や服薬管理をしてくれてる。土日も祝日も、年末年始でさえ毎日来てくれるのでほんとにありがたいです。あとケアマネさんと月1回、私(介護担当の家族)と本人をまじえた会議があって、世間話をしながら翌月の介護スケジュールの見直しとか継続とかを決めてます。

他には月1回、かかりつけのクリニックにヘルパーさんに入り口までついてきてもらって、終わったら自分で薬局に処方箋を出しにいく。これは処方箋を出すだけでその場で待つことはなく、あとから薬局の人が薬を自宅まで届けてくれるという非常にありがたいシステム。待ってる間に「ハッ!お金持ってたかしら」「何しに来たんだっけ」とわからなくなっちゃうことがあるから、本当に助かってます。美容院に行く時も、ヘルパーさんに声かけしてもらってる。

食べ物はもうほとんど自分で料理することはなく、平日は毎日お弁当屋さんが夕飯を届けにきて体調確認を兼ねて顔を見ていってくれるので安心です。週末はお弁当を頼んでないので、たまに私がカレーを作って行ったり、おかずをタッパーに入れて一緒に食べようとするんだけど案外拒否されます。ひとりで気ままに食べるのがいいみたい。だから普段は、買ってきたものを置いてくることが多いかな。

たまに自分でスーパーに行ってあれこれ買い込んできて、正直ムダなものもあるけど(絶対飲まない牛乳をなぜか買う)そのぐらいは自由にしてくれた方がいいかなと思ってます。

あと、お金の管理を私がするようになった。母はATMが使えないので、以前は駅前の銀行まで自分で毎月生活費をおろしに行ってたんだけど、1年ぐらい前からだんだん銀行にたどり着けなくなってきた。途中で銀行に向かっていることを忘れてスーパーで買い物して帰ってきちゃうことが続いたので(笑)一緒に銀行窓口に行ってキャッシュカードを作り、私が生活費をおろして母の財布に補充する形になってます。

ちょっと困ったこととその対応

2年ぐらい前から、化粧品や健康食品が定期的に届くんだけど本人は全く使わず溜まっていくという現象が目立つようになってきた。母に「注文してるの?使うの?飲むの?」と聞いても本人は忘れてるから「3本セットで買ったのかも」とか「もらったんじゃないかな」とか言ってらちが明かぬ。

しばらく観察しているうちにどうやら代引きで支払いしている商品がいくつもあることを突き止め、しかたなく山田養○場さんとかに電話して定期購入を取り消してもらったりしました。

きちんとしたメーカーならまだ安心だけど、中には電話でいきなりカニや果物を売りつけてくる業者もいる。母は年末12000円の松前漬けを代引きで買わされかけ、母は買ってあげたらいいのにとか言ってるけど私があまりにハラがたったので電話機を替えた!

電話をかけてきた相手側に「この電話は録音されています」ってアナウンスが流れ、実際に録音して詐欺や悪徳業者を牽制するものにしたの。実際、着信はあるけど出ようとするとすぐ切れる着信履歴が多く残ってるので、わりと効果はあるのかも。うちの母みたいにハイハイってなんでも受け入れようとするタイプの高齢者宅には必須と思われます。

反省&これから

行政の介護サービスを使い、家族(おもに私)のヘルプがあり兄弟も協力的なので今のところたいした介護状態にはなっておらず、できればこのまま母にとって快適な暮らしが守れたらいいなあと思ってます。

今思うのは…意外と家族の高齢化って、気づかないものだということ。

うちの場合は近距離とはいえ同居してるわけじゃないし、いつも物忘れしてるわけじゃないから私はだいぶ気づくのが遅かったと思う。かかりつけのクリニックの看護師さんがやんわり「地域包括センターに連絡してみて」と私に伝えてくれたんだけど、あまりにやんわりすぎてなんのことか私にはさっぱり通じなかった。ボケてるっぽいですよ!とは言えないもんね。

いよいよヤバイと私が気づいたのは、それから1年後でした。

行政の介護サービスは、地域包括センターや市役所に連絡を取って介護認定を受け、介護度が認定されたことで受けられるサービスです。母は物忘れがある以外はだいたい自分で生活できているのでこの内容のサービスを受けているんだけど、人によって必要なサービス内容が違ってくると思う。

私と同世代の人の親もそろそろ介護問題が出てくるお年頃かと思うので、できれば早めに介護認定を受けておけば、あとあと安心できるんじゃないかな?
いざ施設に入らなくてはならない状況になったとしても、事前に介護認定やケアマネさんの介入がまったくない状態だと結構難しいんだそうです。先に準備してね。

介護って大変そうで、恐ろしくて直視できない人がいるかもしれないけど、介護も日常のひとつ。母のことも普通に投稿していきたいなと思います。


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