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この時間帯をいかせる子どもの能力は確実に伸びる

こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

voicyからいただいているお題に「みんなの時間管理術」があったので、今日は子どもの時間管理術について考えてみたいと思います。最初から答えを言ってしまうと、子どもにとって最も大事な時間帯は「朝」です。しかもそれは、子どもだけに限ったことではないですね。大人にとっても、朝を有意義に使えるかどうかで人生が変わってしまう。そういうお話をしたいと思います。

例えば、日中にイライラしている子どもたちのことを考えてみましょう。子どもの気持ちに影響するものに、睡眠の質があります。熟睡できていい睡眠をとれている子どもと、全然熟睡できていない子どもでは、明らかに日中の行動が違います。熟睡できていない子どもには、日中イライラしていたり、落ち着きのない行動も現れてしまうものです。

皆さんの中にも、海外に行って時差ぼけを経験したり、徹夜を経験したことがある人がいると思います。そんなことがあった日中は、頭がボーとして、何をやってもなかなか集中できない経験もしたのではないでしょうか。それほど、睡眠の質は、日中のパフォーマンスに直結するのです。

そんな睡眠の質は、「朝」で決まります。以前の放送でも触れましたが、夜間の睡眠を整えようとした時、「早寝」から取りかかってもなかなかうまくいきません。「早く寝なさい」と言って、早寝を促すよりも、朝起きを工夫して早寝を導くことの方が確実にうまくいきます。

つまり、良好な睡眠を得るには、「早起き」から取りかかるべきということです。「早寝・早起き」の順番ではなく、「早起き・早寝」の順番で、夜間の睡眠を調整するのです。

睡眠に必要なものは、「日中の疲れ」「湯冷め」「夜間に光を浴びないこと」です。普段よりも5分でも10分でも早起きすることで、まず日中の疲れが溜まりやすくなります。その上で、夜間お風呂に入って湯冷めを経験し、かつ携帯電話やパソコンの光を浴びない生活ができれば、夜間は早い時間に眠気がやってくるようになるものです。

このように、朝を制することで夜間の良好な睡眠を導くことができます。

朝を制することのメリットはこれだけではありません。朝目覚めた時間帯は、物事の処理もはかどります。例えば、何かの演習問題を解くにも、文章を書くにも、朝が一番はかどります。自分では気づきにくいかもしれませんが、同じ課題を朝やるのと、夜やるのとで比較してみてください。朝課題をやってしまった方が断然はかどります。しかも記憶への定着もいいのです。
ですから、子どもが朝を有効に使えるようになると、物事の処理も記憶もスムーズに行える癖がつきます。朝を利用できる癖は、子どもの人生を助けるということです。

そして、もう一つ朝大事にしたいものがあります。それは、朝の栄養です。最近では朝食事をせずに抜いてしまう家庭もあるかもしれません。でも、それは子どもたちの貴重な午前中を無駄にしてしまうほど、もったいないことです。脳を含む身体が働くためには、ある程度の糖分が欠かせません。そういった栄養素を含む食事を朝抜いてしまうということは、午前中の子どものパフォーマンスを低下させることにつながります。

頭も身体も疲れをリフレッシュできている朝を含む午前中の時間帯を有効に使えるかどうかに、朝の食事が関わってきます。午前中の時間帯に最高のパフォーマンスができるためには、やはり朝食事をして栄養を摂取することが欠かせません。

子どもたちが朝を制するには、もちろん親の協力が必要です。子どもにばかり「早く起きなさい」「早く寝なさい」と言っていても、子どもたちは変わりません。親が率先して朝を有効活用しなければ、子どもたちが朝の重要性を理解するはずもありません。朝を制する子どもは、色々な面で元気になります。嘘ではありません。本当です。

いかがでしょう。朝は人生のゴールデンタイムです。朝を制する者は人生を制します。

だいじょうぶ。
まあ、なんとかなりますよ。

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