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才能につながる好奇心をいかすには

こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

昨日は看護学生さんに講義をさせてもらいました。講義をさせていただく時にいつも思うことがあります。それは、僕が学生だった時にはどんなことを教わりたかったかな、ということです。向き合っている学生に対して、僕がお会いするのはその講義が最初で最後かもしれません。「そんな学生たちに僕が届けたいことは何だろう?」と思うのですね。

どんな学生にも可能性があります。色々な経験を積むことで、人生を様々に発展させられる可能性を秘めています。でも、学生自身はそう思っていないことも少なくありません。自分で自分の限界を作ってしまっている子も少なくないのです。そういう学生を見ると、「もったいないなあ」と思うのですね。

あるいは、大人の方が勝手に学生の可能性を狭めてしまうこともありますね。「この子はここまでしかできない」、そんな風に勝手にできる・できないを決めてしまう大人。いますよね。面白いことに、子どもあるいは若者の可能性を理解する人であれば、そう理解する人自身も人生を楽しく歩んでいるものです。そういうものです。

僕の講義ではもちろん、教科書に載っている物事を知識として提供します。でも、それだけでは講義をしている側も、聞いている側もつまらないですよね。だって、そんな知識は教科書を読めば載っているからです。今であれば、動画を検索すれば、もっと上手に知識を教えてくれるコンテンツもあるものです。

そうであれば、僕にしか提供できないことを学生に提供してあげたい。そう思うのですね。僕にしか提供できないこととは何か。それは、僕の経験です。僕が人生を歩んできた中で経験してきたことをなるべくリアルに伝える。講義ではなるべくそういったことを伝えたいと思っています。

僕自身が学生の頃も、先生の人生経験を教えてくれる講義が好きでした。教科書に載っていることを教えてもらうよりも、先生がどんな経験を積んできたかということの方に関心があったのですね。

学生の中には配ったプリントにマーカーで線をひきながら、一生懸命メモをとってくれる子もいます。そんな様子を見て、僕の資料なんかを大切に扱ってくれてありがたいなあと思うのですね。そんな学生たちに、僕は必ず伝えることがあります。それは、「テストで君たちの能力が決まるわけではないですよ」ということです。

もちろん、試験に合格して単位をとってもらいたいと思います。でも、そのそれぞれの試験の良し悪しで学生らしさがわかるかというと、そういうわけではないですね。良い点数をとっても、人とうまくコミュニケーションをとれなければ、社会人として苦労するに決まっています。でも、まだまだ若い子たちには、目の前のことがすべてです。テストの点数がすべて、という子もいるものです。

では、そんな学生たちあるいは子どもたちが社会で生きるうえで大切なものは何でしょう?それぞれの才能を伸ばすには、何が必要なのでしょうか?それは、好奇心です。

昨日の安全基地のベクトルという話にもつながりますが、好奇心のベクトルはどこを向いているでしょう?好奇心のベクトルは外を向いています。子どもたちが自分の殻に閉じこもるのではなく、自分の世界をさらに大きく広げていくために好奇心はあります。好奇心は、外へ外へ向いているのです。

子どもたちの才能を伸ばすためには、好奇心が大切ということは色々な本に書いてあると思います。でも、その好奇心をいかすためには、親という安全基地が大切であることを書いてくれている本はそんなにないかもしれません。好奇心があれば、冒険をしようとします。でも、実際に冒険をするには、安全基地が必要なのです。

親という安全基地があって初めて、好奇心が生かされる。そういうものです。今日は早いですが、こんなところで終わりますね。

好奇心が育てられるかなと悩んでいるあなた、
だいじょうぶ。
まあ、なんとかなりますよ。

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