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子育てを贅沢と感じられるか

絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心を育てるうえで役立つ情報を発信しています。そんな、子どもの心を育てるということを、あまりかたく感じないでください。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

今回は、子育てを贅沢と感じられるかについて考えたいと思います。

人にとって、自分の価値観にそった変化は、嬉しい、楽しいといったプラスの感情を生み出してくれます。そういったプラスの感情が溢れんばかりに存在することを、贅沢という言葉で表現したりします。

人にとってこの贅沢を感じる能力は、とても大切です。それは、自分の心をポジティブに健康的に保ってくれるからです。その贅沢は、決してみんなに共通とは限りません。例えば、チョコレートケーキを食べられることを贅沢と感じる人もいるでしょうし、そう感じない人もいるでしょう。贅沢は人それぞれ違っていいんです。

大切なことは、生きるうえで贅沢を感じられる瞬間があるかということです。それは、子育てでも同じです。子育てをする中で贅沢を感じられるか。あるいは、贅沢とまではいかなくとも、ポジティブな感情を抱けるか。そのことが、親にとって大切であるばかりでなく、子どもにとっても大切なのです。

親がポジティブな感覚を抱くと、それは親の心の余裕につながり、日々の表情や行動に現れます。笑顔が増えたり、優しい行動を導きます。すると子どもは、親と接しやすくなるのです。そうやって、親のポジティブな感覚は、子どもにとって良い影響を及ぼします。

では、子育てをしている親にとって、ポジティブな感情を抱く物事にはどんなものがあるでしょうか?それは例えば、子どもの成長です。子どもが歩けるようになったり、話せるようになることです。歩行や会話の変化は、目で見てわかる、あるいは聞いてわかるので、親も感じ取りやすいと思います。

親が子どもの成長を感じられる物事は、他にもたくさんあります。その一つが、心の成長です。ただ、心の成長は目で見てわかるものではないので、親が意識していないと、その成長を捉えることは難しいかもしれません。それはもったいない。だから、ぜひ子どもの心の成長を感じられるようになることをお勧めします。

例えば、2〜3歳までの子どもたちの行動には、相手の気持ちを推し量ることなく、ズバズバ発言してしまう様子があると思います。その様子を僕たちは、子どもらしいと捉えるでしょう。でも子どもが小学生になっても、相手の気持ちを考えずにズバズ発言していたら、どう感じますか?少し違和感を覚えるでしょう。相手の気持ちがわからない子どもなのかな、と思うでしょう。

ズバズバ発言してしまうことについて、幼い子どもは許されて、小学生は許されない。それは何故でしょうか?それは、子どもは成長すると相手の気持ちを察しながら発言できることを知っているからです。小学生になったら、相手の気持ちを察して、ズバズバ言うことがなくなる。そういった心の成長を理解しているのです。

では、そうやって相手の気持ちを理解する心は、いつ頃から備わるでしょうか。それはだいたい4歳頃です。そして小学校に入学する頃には、集団生活で相手の気持ちを推し測りながら行動することができるようになります。そういった心の成長があるからこそ、集団生活を通して自分とは違う周りのお友達を知るという経験を積めるようになるのです。

子どもの心は日々成長しています。でも心は見えないので、その成長を感じにくいものです。ただ、子どもの心の発達のペースを理解していると、「あ、心の発達は今この段階なのか」と意識できるようになります。すると、子どもの成長をたくさん感じられるようになるはずです。

そうやって、色々な子どもの成長を感じられるからこそ、子育てにおけるポジティブな感覚が生まれやすくなります。そんな風に、親が自分自身でポジティブな経験を重ねていくのです。

すると面白いことに、その子どもの成長に対する感覚がしばらく月日が経った後に、ふと贅沢という感覚に変わるものです。子どもの成長を、今はまだ贅沢と感じられていなかったとしても、のちに贅沢な時間だったと感じるものです。

このように、のちに子育ては贅沢な時間だったと気づく、そういうものなのです。

今回はここまでです。

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