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子どもに影響を与える親の態度

絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心を育てるうえで役立つ情報を発信しています。

2022年1月9日(日)の今日は、鳥取県に来ています。それは、第21回愛サポート鳥取フォーラムで講演させていただくためです。雪は降らなかったので、無事に到着しました。

そんな今回は、子どもに影響を与える親の養育態度についてお話ししたいと思います。親から子どもへのどんな関わりが、どんな子どもを育てるかについて、昔から様々な研究が行われています。その中の一つをご紹介したいと思います。

それは、アメリカの心理学者サイモンズの研究です。彼は、親の養育態度が子どもの性格や行動に大きく影響すると考えました。そこで、親がどんな養育態度をとると、どんな子どもが育つのかを示そうとしたのです。

そのために、親の養育態度を4つのカテゴリーに分けて、そこから育つ子どもの様子を示しました。その4つのカテゴリーというのが、「過干渉型」「溺愛型」「残忍型」「無関心型」の4つです。

まず「過干渉型」の養育態度とは、親が子どもを支配しようとし、かつ過保護な態度です。それが、「過干渉型」です。子どもの行動を自分の思うようにコントロールしたがり、子どもを過度に心配する態度です。そういった親の態度から育つ子どもは、自分で物事をなかなか決められず、人の意見に依存的な子どもです。

次に「溺愛型」の養育態度とは、子どもに過保護であり、子どもの言いなりになる態度です。それが、「溺愛型」です。子どもを過度に心配しながら、子どもの言ったことを何でも親が実行しようとしてしまいます。そういった親の態度から育つ子どもは、何でも自分の言う通りに実行しようとし、他人の指示に反抗したがる子どもです。

そして「残忍型」の養育態度とは、子どもの世話をしようとせず、子どもを支配しようとする態度です。それが、「残忍型」です。そういった親の態度から育つ子どもは、積極性が薄れ、不安や神経質な子どもです。

最後に「無関心型」の養育態度とは、子どもの世話をしようとせず、放っておく態度です。それが、「無関心型」です。そういった親の態度から育つ子どもは、他人に対して攻撃的な態度をとる子どもです。

このような、親の養育態度による子どもの発達への影響に関する研究は色々あります。小児科医として様々な親子関係を観察する中で、サイモンズの示していることは当てはまるところが多いと感じます。しかもそう言った養育環境で育った子どもたちも、やがて親になります。親になった時に、自分の子どもたちにも同じような養育態度をとってしまうことも少なくありません。

そうやって、子育ての態度は次の世代、そのまた次の世代へと引き継がれていきます。そして、そこに影響するのが時代です。核家族化、共働き、少子化。そういった社会的背景が、子どもたちの心の発達に大きく影響します。

そのように考えると、せめて子どもたちへの影響を家庭ベースで調整できるところはどこでしょうか。それは、親の養育態度です。核家族化、共働き、少子化は、今の社会状況を考えるとなかなか変えがたい。でも、養育態度は、そこへの意識を向ける教育があれば変えられる可能性があります。

親が子どもに対して、過保護ではなく適度に関わり、支配的ではなく、また子どもの言いなりになるわけでもない。そんな程よい態度で子どもに関わろうとすること。そうやって、身近なところから少しずつ変えることで、10年後、20年後には大きな成果となって現れます。適切な養育態度のもと成長した子どもたちが、社会で活躍するようになるということです。

今回はここまでです。

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