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小児科医が買ってよかったもの

こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医のしょーたです。

今日は、「小児科医が買ってよかったもの」というテーマでお話ししたいと思います。

あなたには、「これ、買ってよかったなあ」なんてものはありますか?僕は、最近だと、メガネですかね。以前使っていたものに比べて、とっても軽くて使いやすいメガネです。そんなに高いメガネじゃありませんでしたけど、お店の方も「値段は高くなくても使いやすいメガネはあるからね」なんて教えてくれて、結局軽くて使いやすいメガネを購入しました。

僕が「このメガネ、買ってよかったなあ」と思っているのは、そのメガネ自体だけに価値を感じているわけじゃないんですね。そのメガネを買った時のお店の方が熱心だったので、そういう雰囲気も含めて総合的に「買ってよかった」という感じです。

そのメガネを買ったのは、ずいぶん昔からありそうな古い眼鏡屋さんだったんですね。僕が「どんなメガネにしようかなあ」なんて見ていたら、その店の方が親切に色々と教えてくれました。

「このメガネはこんなところがいいよ」とか、「昔のメガネに比べて、今はこんな技術が発達しているんだよ」とか、色々な情報を提供してくれたんですね。もちろん、メガネを売るためにお店をやっていらっしゃるので、色々なメガネの宣伝をしてくれるのは当たり前かもしれません。

でも僕が「面白いな」と思ったのは、その店の方がメガネにかける情熱です。

メガネの歴史、流行り、そんなことを教えてくれたり、メガネの業界の事情、そういったことも教えてくれました。メガネについて色々な情報を持っている方で、その含蓄を聞けてとても面白かったし、勉強になったんです。

今使っているメガネには、そんな思い出があります。ただ単にモノというのではなくて、そこに思い出があるということです。

おそらく、ものの価値ってそういうものなんだろうなと思うんですね。もちろん、出来上がった物体としての価値はあると思います。でも、それ自体は大量生産も可能だし、似たようなものならなんでも作れる時代です。

でも、思い出は違います。思い出は一つですよね。

例えば、あなたの車です。その車種は世の中に何台もあると思います。でも、その車には思い出が詰まっているはずです。大切な人と一緒にドライブに出かけた思い出。友達と一緒にワイワイ賑やかに旅行に行った思い出。そういった思い出があるからこそ、その車を廃車あるいは譲る時には寂しさが残るものです。

僕も大学生の頃に乗っていた中古車がありました。ある時は友達と一緒にその車に乗ってクラブ活動に参加したり、ある時は彼女を乗せて旅行にも行きました。そんな思い出が詰まっているから、その車に感謝するようになるわけです。その車を手放した時にはやっぱり寂しいなという思ったものです。

ものに対して、色々な思い出が加わる。それは、自分だけが知る価値かもしれないですね。子どもたちが描いた絵、子どもたちが着た服、子どもたちが背負ったランドセル。どれもこれも、親にとっては思い出深い宝物です。

ランドセルを見れば、子どもの登校する姿を想像できる。擦れたランドセルの生地を見ながら、小さな命が「一生懸命頑張ったんだなあ」なんて思うものです。

どうでしょうか。あなたは、思い出がつまった、買ってよかったもの、何か持っていますか?

今日は「小児科医が買ってよかったもの」というテーマでお話ししました。

だいじょうぶ、
まあ、なんとかなりますよ。

湯浅正太
小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて:https://yukurite.jp/)代表理事。イーズファミリークリニック本八幡 院長。作家。著書に『みんなとおなじくできないよ』(日本図書センター)、『ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ』(メジカルビュー社)がある。

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