バルナックライカが気になる(4) 世界の中古カメラ市・思い返して少し追記

世界の中古カメラ市に初めて行ってみてから1週間。こんなカメラも見たなとか、これまで書いていなかったことをいくらか追記します。もう記憶があやふやになってきてるところもありますが。

ローライ35
10年以上ローライ35Sを使ってきただけに、カメラ市に出ているローライ35はざっと歩きながらでもチェックしていました。パッと目を惹くのは希少な限定モデル(その分値段も高い)でしたが、私が見た中で1店だけ、ローライC35を置いているところがありました。ローライ35シリーズの廉価版(普及版)としてはローライB35がよく知られていますが、そこからさらに露出計をなくし、スローシャッターもなくしたのがローライC35です。レンズは、B35と同じトリオターがついています。

もともと私がローライ35Sを購入したとき、候補にしたのはオリジナルのローライ35(ドイツ製に憧れましたが高いので現実的にはシンガポール製)とF2.8のゾナーがついたローライ35Sの2つでした。でも最近、ランニング時に景色を撮るためのフィルムカメラということを考えるようになり、普及版のモデルをぐっと魅力的に感じるようになってきました。ローライB35とC35は、内部に金属でなくプラスチックを使ったパーツが多いらしく、ローライ35よりもかなり軽量化されています。本やネットのデータによるとローライ35が370g、B35が270g, そしてC35は250gほどだとか。B35は中古カメラ市でも何台も出品されていましたし、ネットオークションでもよく見かけます。そして安いです。2万円かけずに買うことができるでしょう。

ただ、露出計が軍艦部についているところがあまり私の好みではありません。それなら露出計なしでいいから、軍艦部をもっとシンプルにしてほしいと感じてしまうのです。それを実現したのが、ローライC35と言えるでしょう。当時はおそらく、B35よりも低い定価が設定されていたはずです。

でも、これが中古カメラの不思議なというか面白いところで、発売当時C35が不人気で2年ほどしか生産されず、少ない台数しか作られなかったことから、今では逆にこのモデルの値段が上がっているのです。私も実物を見たのは今回が初めてでした。中古カメラ市で見かけた機体は45000円ほど。うまくオークションサイトなどを探せば、ドイツ製の初代ローライ35が入手できるぐらいの値段です。会場でローライC35を実際に手に取らせてもらい、そのシンプルな作りと軽さに大きな魅力を感じましたが、元々はバルナックライカを探しに行っていたということもあり、そこで購入することはできませんでした。

ローライコード
会場でローライコードの各モデルを見ていくと、代替わりすることに少しずつ大きくなっているのがよくわかりました。見た感じや機能的に私がいちばん惹かれたのはローライコードIVです。Va, Vbにも興味がありましたが、本体前面の赤ポッチはない方が好きだなと感じました。あと、Vbになると少しサイズが増し100gほど重くもなるようです。

IVを手に取らせてもらいましたが、ローライフレックスに比べると作りが簡素になっている部分もあった一方で、ハイキングなどに持ち運びたいという私のような者にとっては、ローライフレックスよりも小型で200~300gほど軽いというのは大きな利点です。サイズと重さのことだけをいえばベビーローライはそこからさらに1.5回りぐらい小さいのですが、127フィルムになってしまいます。ローライコードは、ローライフレックスと同じブローニーの120フィルムを使いつつ小柄、というのが私にとっての魅力です。さらに、IV以降(III以降だったかも)はローライキンを装着すると35mmフィルムが使えますし、VaとVbはブローニーフィルムを使ったまま1枚のサイズを小さくして撮影枚数を16枚や24枚に増やすというアダプター(正式名称はわかりませんが、英語だとexposure kitなどと呼ばれることが多いようです)をつけることもできます。ブローニーで12枚しか撮れないと割高だしあっという間に撮り終えてしまうなと感じている私のような者には、こうした拡張機能はとてもうれしいものです。特に、exposure kitはローライコード独自の機能(ローライフレックスにはない機能)なだけに、使ってみたい気になります。もし自分が購入するならとここでも想像を働かせると、IVを入手してローライキンを探すか、あるいはVaとexposure kitという組み合わせにするか(Vbだと重量が増えるので)というのが、理想的な組み合わせのように感じます。

バルナックライカ
自分が好きなローライの方に大分と話が飛んでいるので、最後にバルナックライカのことを。カメラ市では、各店でバルナックライカを見つつ、平台に山積みされているカメラのレザーケースの中でLEICAと書かれたものにも目配りをしていました。2000円前後のケースを幾つも置いていたところがあったので、ケースだけでも先に購入するのもありかと(カメラ本体を買うとまだ決断したわけではないのに)店員さんに話を聞いてみたら、ねじの太さやスローシャッター、セルフタイマーの有無などによって、バルナックライカ用のケースでも使えるものと合わないものがあるとのこと。さらに、「レザーケースも50年とか60年経つと、どうしてもストラップが劣化して切れやすくなる。保管用にはいいけれど、首に下げて持ち運ぶには昔のレザーケースはやめた方がいいよ」ということを教えてくれました。ストラップが切れてカメラを落下させた、という修理依頼が実際にときどきあるようです。

なるほど、と思いながら聞きました。ケースひとつを取っても、昔のカメラというのは本当に奥深いものです。


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