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フィレンツェの空 と 車を選ぶなら

久しぶりに晴れた日が続いている。
4月の半ばになっても、フィレンツェの天気は落ち着かない。

イタリアで田舎暮らしをするのなら、車が必要だな…と、購入できる資金のことは棚に上げて、車のことを考えている。

買うなら絶対、日本車だ!

そう思っている私に、友人が試運転をした時の話をしてくれた。

「性能は良いよね。トータル的には良い車だと思う。ただね、sospensione がね、今ひとつなんだよね。」

sospensione とは、サスペンション。
車でいうと、ボコボコ道を走る時の振動を緩和する懸架装置。
それが今ひとつだという。

イタリアの道はとにかく酷い。
道によっては、ボコボコというより、ボッコンボッコンという感じだ。
道が悪過ぎて、事故につながる事だって多々ある。
道路工事をしないわけではないけれど、し始めても、一向に終わらない。
それでも幾分かマシになったかな…というのが最近の印象である。

ちなみに、私は、イタリアで免許を取った。
日本でもオートマ限定で免許を持っていたのだけれど、イタリアではマニュアルが主要。日本の免許を書き換えられる期間もとっくに過ぎてしまっていた為、思い切って、イタリアで免許を取ることにしたのである。

学科試験の勉強をしている時、問題はイタリア語だな…と思っていたのだけど、どうやら、それだけではなかった。
なにしろ、日本の交通ルールでは無いルールがあったり、見ない標識があったり。
所変わればなんとやらというけれど、まさにそんな感じだった。
その中で特に印象深かったのが、デコボコ道の危険標識だった。
こんなの、日本では無いよな…と思った。

日本の車は、日本の基準で作られてる気がする。
当たり前に綺麗な道で走るのに、大袈裟な懸架装置はきっと必要がない。

友人の話を聞きながら、私は可笑しな気持ちで聞いていた。

そりゃ、そうよね…
だって、日本の道は、デコボコじゃあないもの。

それをそのまま伝えると、イタリア人も笑った。

「ここは、イタリアだからね。」

そんなイタリア、嫌いじゃないけど、
買うんだったら、やっぱり日本車が良いよなぁ…

曇りがちな空の狭間で、そんな淡い夢を抱いてみる。
来週からはまた、フィレンツェは、雨模様らしい。

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