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雑談の授業〜お薦め図書
私は、CEFR基準の日本語学校のB1.1(初中級前半)のクラスで「日本語コミュニケーション」という授業を担当しています。
A1~2(初級)のクラスでしているのは、いわゆる「サバイバル日本語」なのですが、B1クラスで扱っているのは、人間関係を構築・維持するための会話、いわば、雑談です。
会話の授業というのは、会話運用力を育てる授業ですので、一方的に与えられた談話文を丸暗記するのでは意味がなく、その会話をしなくてはならないような状況設定をいかにうまく作るかということが肝になるということを、数々の失敗から学んでいます。
ただ、「雑談」は、人によって千差万別、あらゆる可能性にあふれています。それを一体どのように授業で取り扱えばいいのか?
私は、最初、日本語ネイティブとの実際の会話の中で体験的に習得するしか術がないのではないか(私自身は韓国語日常会話をそのように習得した)という気持ちが強くて、
留学生への会話の授業準備で何をしたらいいのかさっぱり分からず、何も準備しないまま授業に臨んで、上手くいかずに頭を抱えるという悶々とした期間が続いていました。(今も現在進行形です)
大まかな状況設定は、教材の方で設定されているものを踏襲するのですが、
例:無難な話題で話す、共通の話題を探し、詳しく尋ねる、提案したり誘ったりする
その会話をするに至る、細かな状況設定は、私が考えねばなりません。
例:同じアパートに住む近所の人(女性60代)と2人きりで同じエレベーターに乗り合わせました。ここは15階です。その女性は、大きなごみ袋を持っています。あなたは、今日がゴミの日であることを知りませんでした。
初級を修了したばかりの学習者さん達に、曖昧な状況設定のまま、下手くそなQueを出して、「さぁ、誰かやってみない?」とチャレンジを促しても、応答してもらえません。
また、そのクラスの学習者さんたちの日本語レベルの把握ができていない状況では、難易度調整と授業進度(情報量)調整、提示の仕方においてどんな工夫が必要なのか、皆目見当がつかずに、多くの失敗をしました。しかし、こればっかりは、現場で経験を積んで、体感しないと、見立てるのは難しいと感じます。
そんな中、どんぴしゃりな本に出会いました。
『日常会話力がグーンとアップする 雑談指導のススメ』西郷英樹・清水崇文著
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定価1980円ですが、かなり情報が詰まっているので、お得感満載です。
全体をザっと斜め読みしておいて、実際の授業実践で「あ!」と思うときに参照する、という辞書的な使い方ができます。
私は、会話(雑談)の授業を担当していますから、どのページも捨てるところが全くない状態ですが、学習者さんから、日常生活の中で触れた日本語について質問を受ける時などにも、役に立つと思います。
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