山陰の温泉(4)ラジウム泉の三朝温泉
鳥取県中部の倉吉から南に入ると谷あいの三徳川沿いに旅館やホテルがたち並ぶ一角にたどり着く。白い狼が見つけた温泉として有名な三朝温泉だ。世界でも指おりのラジウム泉。高濃度のラドンを含有し、「浸かってよし、飲んでよし、吸ってよし」という効能豊かだ。そのためこの温泉に滞在し3度朝を迎えると元気になると言われている。だから三朝温泉。みささおんせんと読む。
気管支炎、肺気腫、慢性気管支炎、関節リュウマチ、変形性関節症、肩凝り、腰痛、神経痛、高血圧、糖尿病、痛風、慢性消化器病、肝臓疾患、胆道疾患、冷え性、婦人病、アトピー性皮膚炎、美肌効果、疲労回復、ストレス解消等の効能がある。
本当かなと思うかもしれないが、山陰では、一に玉造、二に三朝とランキングされている。
根強い人気の秘密はレトロな温泉街。宮沢賢治ワールドを味わえるカムパネルラ館、射的場、様々なギャラリーが並び、湯の町の風情を味わえた。日帰り温泉があったり、河原風呂(露天)があったり、気の向くまま温泉を楽しめた。ただしこの混浴河原風呂には勇気がなくて入れなかった。
最初に行ったのは初夏。夕暮れ時にカジカの鳴く声が響いていた。
街のあちこちにユーモラスなカジカの像が飾られている。本物をみたいと思ったがシャイらしく姿を現わさなかった。
ラジウムを発見したマリア・キューりに感謝を込めて夏にはキューり祭が開かれるという。
坂を上っていくとバイオリン美術館がある。バイオリン制作を目の前でみることが出来、演奏も楽しめた。温泉に入り、美味しい食事をし、温泉街を歩き、バイオリンの音色に癒される非日常は観光のだいご味だと思う。