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ドイツの教育について

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日本とはまったく異なるドイツの文化や教育を知ることで気づき、学べることがあるはず!
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記事一覧

『ALDI』と『こんまり』の流行は人類への警告⁈

それは、日本の人気YouTuberであるバイリンガールちかさんの動画を、コーヒー片手にのんびりと観ている朝だった。 「メルボルンに移住なんだ」と思いながら差しかかった10分54秒。 赤ちゃんを抱えるちかさんの、その背後に私はあるものを見つけた。 当時311,712人が視聴済みだった、この動画。そのことが気になったのは、全世界でも私だけだったはずである。 この赤い四角の部分。↓ これは紛れもなく、私が大の苦手とするスーパーマーケット『ALDI』のロゴであった。 ヨーロッパ

キャッシュレス後進国ドイツ

先日、カナダから引っ越してきた友人が言ったひと言。 「私、現金を持つ習慣をつけないと…」 キャッシュレス先進国からやってきた彼女は、ドイツでの支払い時において現金を持参していなかったために困ったことが多かったのだ。 時代の流れに逆らっているようなひと言だが、そう、ここドイツは日本同様、いまだに現金大好き国である。 野村総合研究所のキャッシュレス化推進に向けた国内外の現状認識内、諸外国におけるキャッシュレス比率の変化とキャッシュレス化進展の施策例を見て驚いた。 【キャッ

「Pech!」が持つ哀れみ度は何%⁇

先日、義理母が取ったある行動により、旦那さんがある高額商品を2度買う羽目になった。最終的には返品することができたが、一番大事であった時間的に間に合わないという状況にあり、無駄な心配をし、不必要な時間も使うことになった。 しかしそれに対して、彼女が放った言葉は 「Pech!」だった。 幸いにも旦那さんには聞こえていなかった。 だが、その言葉に私は耳を疑い、子どもたちは背筋が凍りついていた。 私は心の中で「いやいや違うでしょ…あなたが原因で、あなたの息子は大変な思いをしたんです

大学受験は人生のゴールではない、将来へのマインド設定

先日、現地中学2年にあたる息子が、州の提供している『ポテンシャル分析』というプログラムに参加してきた。 『ポテンシャル分析』は、朝から夕方までの一日がかりのプログラム。 通っている学校ではない施設で行われたので、現地集合、現地解散であった。 12、13歳の子どもに、「将来なにになりたいの?」「どんな仕事に就きたい?」と聞いたところで、質問が漠然としているうえ、一体どんな仕事が世の中に存在していて、自分がなにが得意なのか、よくわからないのが実態であろう。 親をはじめ、親戚家族

ドイツ人はお誕生日プレゼントも合理的!

子どもがお誕生日パーティーに呼ばれて、悩むのがプレゼント。 どんなものが好みなのか、何を贈れば喜ばれるのか、モノにあふれる昨今、頭を抱えることも多い。 ドイツには、合理的なドイツ人らしいシステムが存在する。 『Geschenkkorb プレゼントカゴ』または、『Geburtstagskiste お誕生日ボックス』と呼ばれ、本屋さん、おもちゃ屋さん、デパートなどで見かけることができる。 お誕生日の招待状に、"〇〇本屋さんで、△月△日以降にGeschenkkorbが用意してあり

ドイツの小学生デモにみる「スマホ依存」

2018年9月8日(土)ハンブルグにおいて、デモが行われた。 このデモの発起人は、7歳の男の子である。 彼は親がスマホばかりに目をやり、自分と遊んでくれないことへの不満をデモという形で表現した。 "Spielt mit MIR! Nicht mit Euren Handys!" (僕と遊んでよ!スマホとじゃなくて!) このデモを3つの異なる観点から見てみよう。 1つ目「子ども」はこちらから。⇩ 2つ目「親」はこちらから。⇩ 最後は、やはりこのデモの核となる部分「テーマ

ドイツの小学生デモにみる「親の覚悟」

2018年9月8日(土)ハンブルグにおいて、デモが行われた。 このデモの発起人は、7歳の男の子である。 彼は親がスマホばかりに目をやり、自分と遊んでくれないことへの不満をデモという形で表現した。 "Spielt mit MIR! Nicht mit Euren Handys!" (僕と遊んでよ!スマホとじゃなくて!) このデモを3つの異なる観点から見てみよう。 1つ目「子ども」はこちらから。⇩ 2つ目は「親」の視点から見ていこう。 さて、子どもが突然「デモをしたいんだ

ドイツの小学生デモにみる「表現の自由」

ドイツの教育と日本の教育を比較した際、大きな違いのひとつに「発言力」がある。 詳しくはこちらから。 2018年9月8日(土)ハンブルグにおいて、デモが行われた。 このデモの発起人は、7歳の男の子である。 彼は親がスマホばかりに目をやり、自分と遊んでくれないことへの不満をデモという形で表現した。 "Spielt mit MIR! Nicht mit Euren Handys!" (僕と遊んでよ!スマホとじゃなくて!) このデモを3つの異なる観点から見ていきたい。まずは「子

日本の「ゆとり教育」は本当に失敗だったのか?

失敗に終わったといわれる「ゆとり教育」だが、果たして本当にそうだったのか。 私の個人的な意見だが、「ゆとり教育」自体が問題だったのではなく、「ゆとり教育」というものを誰もきちんと理解しないまま、上辺だけ取り入れてしまったことが要因だったのではないかと考えている。 そもそも「詰め込み教育」しか知らない世代が作った「ゆとり教育」である。大成功を収めるほうが奇跡だったのではないだろうか。 私の住んでいるドイツの教育は、究極の「ゆとり教育」である。 海外に長く住み、さまざまな環境

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夏休みの宿題は必要なのか?

わが家の住むドイツNRW州の夏休みも残すところあと少し。 ドイツは州によってホリデーも、祝日も異なる。 6月から夏休みが開始する州もあれば、7月の終わりの州もある。 ドイツ国内16州の内、NRW州は14番目と、今週中旬に遅めの新年度を迎える。 面白いと思ったのが、月曜日から始まる州、水曜日から、木曜日からと学校が始まる曜日も州によってさまざまなのだ。 さて、日本で夏休みといえば… ラジオ体操?旅行? まっ先に頭に浮かぶのは「宿題」ではないだろうか。 私は夏休みの日記を溜め

ドイツスーパー「ALDI(アルディ)」恐怖のレジ

近年、世界中で勢いよく成長を続けているドイツのディスカウントスーパーといえば「ALDI(アルディ)」である。 私は初めてアルディに行ったときのことを、今でもよく覚えている。 倉庫を思わせるような、殺風景な店内に衝撃を受けた。トイレットペーパーやドリンク類はパレットのまま、小さな商品はダンボールに入ったまま陳列されていた。 そこには商品を「客に見せる」要素がひとつもなかったのだ。 人間というものは慣れてくる。 13年の歳月を経て、アルディの商品陳列はさほど違和感を感じなくなっ

ドイツ人にカスタマーサービスは必要ない?

日本人がドイツに来て驚くことのひとつに、「ドイツのカスタマーサービス」がある。 会計をしようと思ってレジ前で待っていても、店員は一向に同僚との話をやめようとしない。仕事について話しているならともかく、大概は旅行の話や、誰かの文句などで盛り上がっている。 「すみません、お会計お願いします」と声をかけたりすると、必ずといっていいほど嫌な顔をされる。私たちは彼らの楽しい時間を邪魔してしまったのだ… お客さまは神様だ!の日本からやって来た観光客にとって、自分が何かいけないことをしてし

「Ich war das nicht!(私じゃないわ!)」にみる合理的ドイツ人

今までドイツ語のテレビを観ようとも思わなかった私だが、ドイツ語苦手意識克服のため、娘と一緒に「Barbie」を観てみることにした。 しかし、それはあるひと言より、5分も経たないうちに終了することとなった。 その場面では、バービーが妹たちと宝さがしをしているところだった。 少し離れたところまで犬に導かれ「ここ掘れワンワン」とお宝発掘を試みていたが、結局その場では見つからず、リュックサックを置いた場所に戻ってきた。 ところがバービーが置いたはずのリュックは、消えていた。 「私の

詰め込み教育の産物「団塊ジュニア」

私は「団塊ジュニア世代」である。 年間出生率が200万人を超えた、第2次ベビーブームに生まれた。 戦後、日本の高度成長期を支えた団塊世代に育てられ、詰め込み教育を受け、受験戦争に耐え、バブル崩壊後に就職氷河期を味わった世代だ。 詰め込み教育で子どもたちは、ストレスを抱えていた時代。小学校時代、管理教育の影響で体罰はあたり前。着替えに時間がかかり、体育の授業に少し遅れただけで、先生に箒で力いっぱい叩かれ、授業中に私語でもしたならば、容赦なくチョークが飛んできた。私たちは抑圧の