7月7日の日記

織姫と彦星は今宵も逢えず。勿論、雨が降った。

そんなことは如何でもいい。
不図した時に彼女に会った。本当にそれだけで心は舞い踊り、体は鞠のように弾んで、百金なんかじゃとても買えない貴重な時間だった。
その後、疲労を見せていた僕に対し、その体を案ずるメールが来た。文面だけでも心配してくれている。その事実が何より素敵な栄養剤だ。明日はたぶん会えないが、明後日は逢える。屹度逢える。だから明後日まで生きる。

恋愛は効率の悪い、しかしながら超馬力をほこるエネルギー源だ。僕のエネルギーは、今まさに彼女一つだ。今までの煩悶の日々も、彼女に会うためだったとすら思える。恋の末期症状だ。あとはひたすら発作にあえぎ、後遺症に苦しむのみだ。

彼女が僕を”友達”ではなく”男友達”として見てくれればどれほどいいか。すごく、すごく簡単なことなのに、どうしてこうも苦悶するのか。これが恋だからか?
いろんな言葉が胸に反芻されていく。

「あのとき打ち上げに参加してよかった。だってそうでなければ、少なくともこんなに親しくはなってなかっただろ?」

「君の言うような形なら楽かも」

「友達として入ったから、男としてはなかなかなぁ」

彼女の言葉一つ一つに、驚くほど敏感になっている。一喜一憂している。彼女の言葉から「好き」って出ただけで・・・?「ドキドキ」してしまう。
重症だ。もう再起不能だ。でもな、それでもいいぜって、全身が言っている。この恋で身が滅びるなら本望だ。